日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

日本人の中にも、いろいろな人がいるのだけれども…。

2017-06-27 09:12:40 | 日本語学校
小雨。

また、降り出しました。今日は梅雨らしく、降ってはやみ、止んでは降りとなりそうです。

学校とは、ある意味では外の世界とかけ離れている面が必要となってきます。…現実に見えることと違うことを言わねばならぬこともあるのです。

特に外国人が相手ですと、「人間は、誰しも嘘も吐く。誰しも手前勝手である。誰しも不平不満で威張り散らしたり、文句を言ったりする」という事実は、脇に措いておかねばならないこともあります。

「決まりを守り、行列を作る」という日本人の中にだって、列に並ばない人もいるし、割り込む人だっている。全くの0というわけではない。しかしながら、それを最初に言ってしまうと、「列に並ばない。割り込む。ゴミのポイ捨てをする」のが、当然だという国から来た人たちは、「ああそうか、日本人だってそうか」とばかりに、来日前と同じ行動を取ってしまいます。黙っていれば、すぐに割り込みはするは、ゴミのポイ捨てをするは、国での日常茶飯事が、日本でも日常茶飯事となってしまうのです。

ですから、「日本人だってする人もいる」という事実は棚に上げて、「ゴミはきちんと持って帰って捨ててください」と言いますし、「きちんと並んでください」とも言うのです、彼らには。

もちろん、そうは言いましても、日本に一年ほども住んでいれば、コンビニの前で、車座になって、ビールを飲んで騒いでいる若い人も見ますし(彼らが去ったあとはゴミが散乱していることもあります)、すぐに切れて、彼らに罵声を浴びせかけるお年寄りにも出会います。

けれども、そのころには、自分たちの国との比較が出来るようになっていますから、「日本は(自分たちの国と比べて)ゴミは散らかっていないし、列の割り込みをする人もいなくい。だから、(日本に住んでいる自分たちも)ゴミのポイ捨てをしてはならないし、列の割り込みをしてはならない」と重い、そうすることが出来るのです。

以前、中国に留学していたとき、留学する者は、初めの2年間をある決まった大学で過ごさねばなりませんでした。これは日本だけに限らず、世界中のありとあらゆる国から来ていた留学生に課せられたことで、言わば「隔離」状態でした。もちろん自由に外に出られましたが、言葉の問題もあり、学校から出ていかないという人も少なくありませんでした。

けれども、この二年間で、あの地でクラスということが、かなりわかったような気がします。外国へ行ったことがある、外国で教えたことがあるそういう教師が大半を占めていましたから、いろいろな国から来た留学生が様々な問題を引き起こしても(中近東の歩くのとある国の留学生同士の喧嘩から大使館が出張ってきた頃もありました)、対処できたのです。その国の言葉で話せばよかったのですから。

それが、あるときから、自由になりました。直接、(中国の)好きな大学への留学が可能になったのです。途端に、それぞれの地で問題が頻発し、中国側は困ったでしょうね。多くの大学では、外国人に慣れていなかったのです、当時。また外国人の方でも、中国の特殊な事情がわからなかったし、教えてくれる人もいなかったので、面食らったでしょうね、非難されて。

今、日本でも、少なからぬ大学が、生き残りをかけて、直接、海外へ出向き、学生を勧誘しています。…もう、それも一段落したようですが。

私たちなどの日本語学校から見ますと、「冒険だなあ」という気がして、危なっかしてくてたまらないのですが。

日本語学校の2年間を通して、留学生たちは篩をかけられたように、選抜されていきます。アルバイトに勉強、慣れない地での生活…、その中で勉強を続けたいと望み、頑張りきれた人は、おそらく大学四年間でも頑張れるでしょう。もちろん、大学との相性もあることで、一概には言い切れないのですが。

日々是好日
コメント
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