日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「この日は何をするんですか」…きょうは二年生が「恵方巻き」を作ります

2017-01-26 08:35:29 | 日本語学校
晴れ。

朝の月を見ると、昨日はもっと高かったような気がするのに…などと思ってしまいます。カーテンを開ける時間がわずかばかり違っていただけなのに、一日でこんなに大きな差になってしまうんだと感じてしまうことが面白い、違和感を抱くこと自体面白い。いや、…面白くもないか…。

心なし、小鳥たちの声が喧しくなっているような気がします。今朝も無風。

教室のカレンダーの印を見つけた一年生、「あのマークは何?」「その日は何をしますか」と急に賑やかになってきます。小鳥たちみたいですね。

この教室、午前は「Aクラス」、午後は「CDクラス」が使っているのです。今、忙しいのは二年生の方ですから、皆「Aクラス」の学生たち用の「印」なのです。でも、見つけたのは一年生たち。

まず印のついた最初の日を指さして、聞いてきます。
「その日は、二年生が、日本科学未来館へ行きました。」
「私たちはいつ遊びに行きますか。」
「むっ。これは遊びではない。勉強です。みんなの今の日本語のレベルでは、行ってもわからないでしょう。だから、みんなは来年行きます」

次の印の日を指して、
「では、明日は?」
「明日は二年生が恵方巻きを作ります。海苔巻きです。海苔の上に酢飯を載せて、具を載せて、それからこうやって…(巻いてみせる)。で、できあがり」

あちこちで、「見た(ことがある)」、「見た(ことがある)」、「あれだ」。「ああ、あれか」とか言っています。

「でも、私たちじゃないですね」と念を押されてしまいました。

実は、1月中にもう一つマークがあるのです。それを誰かが聞こうとしますと、中で「だめよ」とか、私たちが遊ぶんじゃありませんね」(いや、勉強です)、「もう、聞いても無駄。関係ないもの」とかいう声が聞こえてきます。

スネ夫ちゃん状態になっているのが幾たりか…。

「これは、みんながもっと日本語が上手になって、先生たちの言うことがわかるようになってから…」とか言っても、自分たちを連れて行かない言い訳のように聞こえるのでしょう。プイッとなって、「もう、いいです」

まっ、いいか。

「CDクラス(昨年の4月生ですから、昨年来た学生の中ではレベル的には一番上です)」などを教えていて、やはり、1年の差というのは、馬鹿にできないとつくづく感じ入ってしまいました。

「Aクラス」などは毎日のように教えていますので、なかなかレベルが上がったことに気がつかないのですが、いざ、「CDクラス」などと比べる機会があったりしますと、やはり、がんばって勉強してきた人たちは違いまね。

「Aクラス」の人と話していて、急に「CDクラス」の人に向かってはなすことがありますと、つい同じような調子で話してしまいますから、相手をまごつかせてしまうということにもなりかねません。向こうも驚いて、「えっ。わかりません。どういう意味ですか」。

教員は、既習の語、あるいは既習の文法で、そのクラスの学生達とは話すようにしているものですから、学生も自分たちがそれほどうまくないということに気づいていません(特に初級)。

実は、それでいいのです。下手に苦手意識などが身についてしまうと大変ですから。ある程度のレベルまでは、自分は上手だと思い込んでいていいのです。レベルが上がってきますと、それほどではないことが自然と判って来るものです。

そのレベルの言葉ではわかっていた…それなのに、急に先生がわけのわからないことを言い出した…くらいに感じてしまうのかもしれません。

というわけで、でもないか、今日は「恵方巻き」を二年生が作ります。皆で食べたあと、一年生のためにもまた作ってもらう予定です。

日々是好日

コメント
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