日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

声が出ていない…ナニ疲れなんだろう…。

2016-05-18 08:50:24 | 日本語学校
晴れ。

昨日は朝から夕方までずっと雨が降り続いていましたが、今日は五月晴れ。清々しく、爽やかで、洗濯日和になりそうです。

今朝、学校へ来るとき、空き地に、「マツヨイグサ(待宵草)」の花が濡れて、風に揺れていました。「マツヨイグサ」の花が咲くと、もう夏のような気がしてきます。「カザグルマ(風車)」も見かけましたし。

「ユウガオ(夕顔)」の薄いピンク、「マツヨイグサ」の黄、そして「オオツユクサ(露草)」の青。「カザグルマ」の白と青。これから、街はドンドン華やかになっていきそうです。

さて、学校です。

昨日は雨で、涼しいと言うよりは肌寒く、上は厚手のトレーナーを羽織り、下は裸足という出で立ちでやってくる学生もチラホラ。見つけるたびに「足がない、足がない。無い、無い無い。寒いのだから、靴下を穿く、スリッパを履く」と叫んでいる自分に気がついて、ハッとしてしまいました。…いい年をして、まだこれですからね。彼らと対していると、納まり返っていることなんて、なかなかできません。

習慣の違いとはいえ、靴下を穿いたり、スリッパを履いたりするのは、「嫌だ、嫌だ。気持ちが悪い(こう、彼らは言います)」らしく、これは、一年か二年か、それくらいの年月では変えられないことなのかもしれません。私たち日本人が寒さで手が凍えているときでさえ、裸足でやって来た(もちろん、靴は履いています)強者がいましたもの。そして、「寒い、寒い」と言うのですから、始末に負えません。

けれども、今日は暑くなるそうですから、まあ、見ていれば良く、ちょっとこちらの気持ちも楽…。だいたい、毎日のように言われるのだから、向こうも嫌にならないはずはない…だろうと思うのですが、こちらの「喚き」に応える彼らの顔は、もう満面の笑み。思わず「本当は私は怖いんだぞ」と言ってしまいそうになります。

まあ、それはともかく、「Dクラス(『初級』今年の4月生)」の面々はお疲れのようで、一週間ぶりの「顔合わせ」だったのですが、もう声が出ない…。ボウッとしているか、下を向いている。先週は明るく大きな声がドンドン出て、楽しく授業ができたのに、いったいどうしたことだ。

担任に聞いて見ると、アルバイトを始めた人がチラホラ出ているので、その疲れ。それと、他人がアルバイトを見つけてしまうと、焦ってオロオロしてしまい、その疲れ。そして例の、スマホに首っ引きになってしまう疲れ(一昨年は、夜はずっと映画を見ていて、昼は眠いというベトナムの学生がいましたっけ)。中には、(日本語の勉強や大学に行くためにではなく)そのために日本へ来たのではないかと思われるような留学生もいて、授業中は叱られるので(今迄に三回このクラスで受業をしているのですが、そのうち、一回取り上げました)、耐えに耐えて、終わるやいなや、取り出し、画面から目が話せなくなってしまう人もいる。

親は、子供の言うことは皆信じてしまうようで…、子供が努力をしなければ勉強できないレベルにあることもわからない。親に現状を話したとて、聞きたいことは耳に入るけれども、聞きたくないことは耳に入れないで来ていれば、話せば話すほど、そんなところ(つまり、自分の子供を認めないようなところ)へ、(子供の言うとおり)やらねば良かったとなるのでしょうね。

1か月があっと言う間に過ぎてしまったように、一年も瞬く間に過ぎていきます。そして直に「日本留学試験」も「日本語能力試験」もやって来ます。

同じように「不合格」となっても、次に合格できそうな「不合格」者もいれば、(日本にいるからとはいえ)何回やっても、(今のままの様子であったら)多分期待できないなと思われるような「不合格」者もいます。

また、同じように「合格」をもらっても、そこで止まってしまうであろうと思われるような「合格」者もいれば、次を狙えるような「合格」者もいます。

(非漢字圏の)学生達は、「N3」で、それが分かれるのです。日本にいて、アルバイトなどをしていれば、日本語を聞く機会も、アルバイト先で日本人の友人ができる機会も多いでしょうから、学校で勉強しなくても、それ(N3)くらいは合格できる人もいるようです。その反対に、真面目でコツコツ勉強している人は、漢字の練習や文法の習得に必死になり、アルバイトがそれほど「主」とはなりませんから、「損」をしてしまうのかもしれません。

もちろん、日本人と話もし、学校で漢字や文法などもよく勉強してくれるのが一番良いのですが、そんな小器用な人は、それほど多くはないのです、見たところ。

これは日本人も、外から来た人たちも同じですね。不器用な人を見るたびに、気の毒に思えたり、励ましたくなったりするのですが、翻って考えてみると、私もそんな人間の一人のようです。

日々是好日
コメント
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