日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「留学試験」の申し込み

2016-02-22 13:48:15 | 日本語学校
曇り。

土日は暖かかったのですが、今週は一転して、また寒くなりそうです。とはいえ、やはり春の足音は聞こえていますね。肌に伝わる寒さが違います。

「寒さ」といえば、面白いもので、同じ北国の「モンゴル国」から来ていても、一人はすぐに「暑い」を連発するし、もう一人は(聞くと)「寒い」とボソリと言う。寒さに対する感じ方も、一括りにはできないようです。

さて、学校です。

「日本留学試験」の申し込みがだいたい終わりました。「どんな試験か」とか「N3の漢字が出るか」とか、まだ試験を経験していない学生達は、ちょっと不安げに聞いてきます。でも、答えようがないのです。それに「模試」をして、どのような試験であるかを知るにも早すぎますし。下手に過去問などを見せてしまいますと、それだけでやる気を失ってしまうかもしれません。それで、「大学に行きたい人やいい専門学校に行きたい人は受けた方がいい」としか言えないのです。

本当に「腕試し」なんて言えないのです。本当は(ちょっと)言ってみたい(ような気も、試しでもいいから)するのですけれども。中国人学生であれば、(「ヒアリング」の部分は別にして)「読解」だけであったら、中国語のレベルでかなりできますので、「試してごらん」くらいは言えるのですが。

「N3」の漢字が終わったばかりか、あるいは途中という人たち(「非漢字圏」の学生)にとって、この試験を受けるというのは、本当ならかなり覚悟がいることでしょう。誰だって、「訳の分からない試験」なんて受けたくはないでしょうから。

「漢字圏」の学生であったら、漢字を拾い読みしていってもかなりの点数はとれるので、「拾い読みでも判るんだ」が判るだけでも意味があると思うのですが、「非漢字圏」の学生達はそうはいきません。来日後、長くて一年、短い学生は9ヶ月ほどで試験を受けることになるのですから。

「N5」や「N4」までは、どうにかついてこられても、これは漢字のことですが、「N3」くらいになりますと、前に習った漢字とごっちゃになりはじめたりします。

その上、「N3」の文法は国によっては母語との兼ね合いで、どうにも理解しがたい…人もいるようなのです。語順が逆になっていたりすれば、それだけで、「だれが」「だれに」の関係があやふやなものになってしまいます。それに、それに気をとられすぎると、今度は、新しい文法がよけい判らないものになってしまう…。

ちょうど、そんなこんなでオタオタしている時期に、「留学試験」などがありますと、読みながら何が何だか判らなくなってしまい、一問を何度も何度も読んでしまったり、考え込んでしまったりして時間が足りなくなるということもよくあるようです。もともと、彼らの国の学校教育でもそれほど「読む」が重視されていないようですし。

日本へ来て、「話せ」ではなく、「読め」と言われ、内容などを繰り返し問われますと、それだけでいたたまれないような気持ちになる人もいるようです。

とはいえ、「非漢字圏」の学生で、一生懸命に漢字を覚えようとしている人なら、誰もが通らねばならぬ道ですから、頑張るしかないのです。この試験は、彼らが日本で暮らしていく上での「過渡期(日本語学校卒業後、大学ないし、専門学校へ進み、それから会社就職を目指すという)での一つの出来事」であるに過ぎないのですが、やはりテストはテストですからね、短期的にはショックを受ける人がいたり、模擬テストを受けた段階で「無理」とあきらめたりする人が出てきたりします。

もちろん、一ヶ月後に「日本語能力試験」がありますので、自分のレベルにあったクラスの試験を受け、合格でもすれば慰められるかもしれません。

だからでしょうね。「日本語能力試験」の方はだいたい皆受けたがりますし、喜んで行きたがりますもの。

日々是好日

コメント
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