日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「大学は試験がありますよ。合格しなければ入れません。いい専門学校も同じですよ」。

2014-10-30 14:34:21 | 日本語学校
 晴れ。

 上空は風が強そうで、絹のような雲が流れています。今朝も寒い。そろそろ暖房が必要な頃となってきたのでしょうか。少しばかり寂しく感じてしまいます。

 空き地の「ススキ(薄)」は一向に穂を白くする気配がありません。いいのかな「ネコジャラシ(猫じゃらし)」もそう。いいのかな。

 さて、学生達です。

 スリランカの女子学生が、「私は○○大学に入りたいです。いいですか」と聞きに来ました。「受けるのは自由ですよ。受けたいですか」。「私は試験を受けたくないから…。いいですか」「へ…?」

 どうも話が噛み合わない…で、よくよく聞いてみると、日本語学校の教師が「よし」と言ったら、そのまま、その大学に入れるとでも思っているらしい。国から日本へ来るときの、そういう手続きと、同じにでも考えていたのでしょうか。「試験はありますよ。どの大学でも」「……」。

 そういえば、国で看護大学(四年制)を出たフィリピン男子学生に、日本の看護専門学校を勧めて、一度見に行くようにと言ったことがあったのです。その時も、その話を小耳に挟んだ、スリランカ人女子学生が、翌日、別の一人連れてきたことがありましたっけ。この人がその学校に入りたいと言っていますと言って。その時は「無理です。彼女は条件を満たしていませんから」で終わったのですが。

 フィリピン人学生には、試験を受ける資格があるかどうか、そして看護士の国家試験のことについてとか、一度(その学校に)行って、よく聞いてみるように言っていたのですが。もちろん、同時に、彼は大学で専攻したことでもあり、しかも、フィリピン人で、英語には問題ないことなど、利点を話していたのです。

 それが、全く聞いていなかったのですね。いえ、聞いていても、判らなかったのでしょう。

 これも、思い込みのせいなのかもしれません。なんの試験もなく、スルリと入れるような大学なんてあるはずがありませんのに。

 聞くと、日本語教師が入ってもいいと言ったら、「自動的に」入れると思ったらしい、スリランカ人はヒアリングがいいので、日本語が上手だとよく思われているのですが、実際には、正確なところがわからぬまま、はいはいと言っている場合だって少なくないのです。このときも、このフィリピン人学生よりももっとスラスラと話せる学生でしたから、まさか、ここまでわからなかったのかと驚いたくらいでした。

 思わず、フィリピン人学生も誤解していたら大変だと思って、彼が来たときにすぐ確かめてみたのですが、彼はごく普通の理解の仕方をしていました。私が言ったとおりに理解していたのです。

 で、話は戻りますが、どうも、スリランカ人学生に共通してみられる一つの傾向として、思い違い、つまり思い込みから来る勘違いなのでしょうけれども、それが、クラスのみんなのレベルが上がったときに、判ってくるのです(初級段階では、当然のことながら、耳がいい人の方が上達が速く、褒められる回数が多くなります。けれども、努力しなければ、頭打ちになります。上手と言われたで、ストップしてしまうのです。悲しいことですが)

 ある程度以上の日本語になりますと、耳がいいから云々ではすまなくなってきます。普段は使わないような言葉や、かなり難しい文法が必要となってくるのです。正確さを要する場合、突きつめて問うていきますから、そうすると、「あれれ」ということに、よくなるのです。

 こうなりますと、適当に慣れで話していた人は不利ですね。結局は、多少鈍臭く見えても、きっちりやっていた人の方が勝ちということになるのでしょう。

日々是好日
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする