鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

固定資産税の納付で見えてきた日本の行政の膨大なムダ

2010-04-16 | Weblog
 先日、高津区役所から固定資産税の納付通知書が送られてきた。今月末が納付期限となっており、今年から銀行口座での引き落としとなっている。ところが、その口座が家計口座と一緒になっていて、コントロールしにくいので、別の口座に変更したい、と思い、区役所の担当部署に変更手続きを聞くべく連絡した。すると、電話に出た係の女性は今の口座の通帳と印鑑を持って、銀行に行き、解約手続きをして、さらに新たな口座の銀行に行き引き落としの手続きをしてほしい、という。「用紙は」と聞くと「銀行に備えられている」とにべもない。
 一般にクレジットカードなどの銀行口座引き落としの口座変更の場合、変更前と変更後の新しい口座を書いた用紙をカード会社に送れば、あとはそちらですべてやってくれる。丸井カードの場合、新しい銀行口座のキャッシュカードがあれば、その場で変更が可能である。ところが、税金納付の場合、2度も銀行へ足を運ばなければならない。税金を納めるのにどうしてこんなに余分に手間をかけなくてはいけないのか、役所のお上意識は全然なくなっていないではないか。なんというサービスの悪さか、と怒りを感じて、「そんなサービスがあるのか」と嫌味を言ってやった。さらに「全額一括納付と年4回の分割納付のインセンティブがないのもおかしい」と言い、全額納付と分割は毎年選べるようにすべきだ、と迫り、当初全額一括納付だったのを分割納付に変更した。
 翌日、三菱東京UFJ銀行渋谷支店に行く用があったので、ついでに固定資産税の口座振替の手続きを依頼したところ、「東京都の納税については用紙を備えているが、神奈川県のは置いていない、当該の役所でもらったうえで手続きして下さい」と言われてしまい、子供のお使い、となってしまった。
 呆れかえって、家に帰ってから怒りを鎮めてから、高津区役所の件の女性に連絡すると、「それは申し訳ありません」と平謝りされて、用紙を送ると言って、翌日、今度は弁明と手続きを詳細に書いた紙をつけて取り消しと新規、さらに予備の3つを送ってきた。最初からそうすればいいのに、いかにもお役所仕事だった。
 でも考えてみれば、すでに市民税・県民税については昨年から三菱東京UFJ銀行渋谷支店から納付の口座振替の手続きを行っている。所得税についても同じ口座からの引き落とし、もうしくは還付を受けることにしている。所得税は管轄が異なるので仕方ないとしても、同じ市税である市民税と固定資産税を同じ口座で振替できるようにしないのか、不思議である。今回、改めてチェックしたところ、税金ごとについている納税者コード、もしくは個人宛名番号がいずれも違っていた。もちろん、所得税でついている番号もまた別の番号だった。
 市民税についている個人宛名番号は12ケタで、冒頭の04つを除くと8ケタ、固定資産税についている納税者番号は9ケタ、所得税の番号は8ケタで、頭の0を除くと7ケタと、いずれも全く別の番号となっている。あと軽自動車税がどうなっているかわからないが、おそらく別の番号となっているのだろう。とすると、税金だけで1人につき4つのコードが振られていることになり、役所は大変な無駄な作業をしていることになる。税金関係だけでなく、年金や保険についても同じようなことが起きていることは容易に想像がつく。
 かつて住民一人一人に振られた住民コードなるものが全然生きていないことだけは確かで、日本の行政はこうしたムダの積み重ねの上に構築されていることがよくわかった。これに似たようなことはお役所の行政の随所で見られることだろう。
 民主党政権には日本の行政のこんなムダを改めることにも着手してほしい。
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