鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

北京モーターショーに続く上海万博の開催で考えさせられたこと

2010-04-25 | Weblog
 中国・北京でモーターショーが23日開幕した。中国では上海と北京で交互に開催されているが、ことしは昨年日本での東京モーターショーが海外からの出展企業がわずか3社と惨憺たる内容だっただけに注目していたが、なんと世界から2100もの企業が出展した、と報道されていて驚いた。いまや世界一の自動車販売台数を誇る中国の市場をめざして世界の自動車メーカーがこぞって出展しているわけで、続いて上海で幕開けする上海万博と合わせていまや中国が世界の中心地たることを如実に見せつけられた思いがする。
 北京モーターショーは23日から5月2日まで中国国際展覧センターで開催されているが、「環境にやさしい未来」をテーマに世界各国から2100もの企業が出展し、過去最大規模となった、という。中国の09年の自動車販売台数が1364万台と米国、日本を抜いて世界一となったことから、おいしい中国市場に群がってきたものと思われる。自動車に限らずアジアの市場は日本がリードしていたはずなのに、いまやすっかり中国にお株を奪われた形となってしまった。
 しかもこの北京モーターショーを引き継ぐかのように5月1日から今度は上海で、上海万博が10月末まで開催される。上海万博には初めて万博に出展する北朝鮮、それにEU(欧州連合)域外で開催される万博には出展しないとしていたEUがも出展するなど世界から246の国・もしくは国際機関が出展し、これも過去最大規模となる、という。万博のテーマソングが岡本真夜の「そのままの君でいて」の盗作であるとして問題となったのも愛敬か、期間中の来場者は7000万人と大阪万博の6500万人を上回るものとなる、と見込まれている。
 モーターショーという経済の象徴的なイベントのみならず、文化・エンターテインメントを包括した万博でも世界を凌駕した勢いを見せつけているわけで、完全に中国が世界の中心地たることを物語っている。
 識者のなかには丁度、日本が昭和39年に東京オリンピックを開催し、その6年後に大阪万博を開催し、高度成長の坂を登っていったのと同じ道を中国は辿っている、と見る向きがある。中国の場合、北京オリンピックを開催したのが08年で、それから2年で上海万博の開催でペースは早いし、モーターショーでも世界一の開催規模という経済面での裏付けもあり、名実ともに世界一の実力をかね備えているという違いがある。
 中国首脳はオリンピックも万博も国内外に向けた壮大なデモンストレーションととらえているのはもちろんで、国力を示威して、人民の意識を高揚させようとしていることに最大のねらいがあることだろう。その背景には13億人という世界最大の人口をかかえている、ということが大きな力となっている。自動車の販売台数が世界一となったとはいえ、自動車1台当たりの人口ではまだまだで、13億人という人口を考えれば、中国の自動車需要は限りなく伸びていくのは間違いない。
 昔、小学校のいまは亡き担任の先生が「中国はいまに日本を抜いていく」と予言し、そんなことがあるのかな、と半信半疑だったことを覚えている。その理由として中国4000年の歴史を持つ文化を説明していたのをうっすらと覚えているが、いまやその通りとなりつつある。
 こんな中国を見ていて、ただ手を拱いてみているだけでいいのだろうか。日本の政治家はじめ政財官界のリーダーに中国を見習って国の舵取りをしてほしいものだ、と痛切に思う。
 
 
コメント (2)
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