写真①:「唐津街道」沿いに建てられた「箱嶋家住宅」(国登録有形文化財)
=福岡市東区馬出2-21-27で、2019年11月2日午前11時25分撮影
〈福岡・町歩き〉021
:唐津街道・「箱嶋家住宅」
「第7回まちなみフォーラム福岡in唐津街道箱崎宿~町並みや町家を未来につなぐ~」が福岡市東区馬出4丁目の福岡県教育会館で開かれた11月2日、午前10時から行われた町並みフィールドワークに参加、地元ガイドの案内で「唐津街道」箱崎宿の町家や名所を巡りました。
町家巡りの最後に訪ねたのは、明治初期に「唐津街道」沿いに建てられた木造2階建て「箱嶋家住宅」=写真①=です。平成17年(2005年)の福岡西方沖地震で被害を受けていますが、切妻造平入、桟瓦葺の建物は間口1間半で、奥行6間の主屋の後方に奥行2間半の坪庭があります。福岡市が平成2年に箱崎宿界隈で行った「市内所在町家調査」で存在が明らかになった9件の町家のうち、典型的な博多町家として価値が認められ、同19年に国登録有形文化財になっています。
「箱嶋家住宅」当主の箱嶋文衛さんは、「唐津街道箱崎宿箱崎・馬出プロジェクト」代表で、県内各地の文化的・歴史的資産である町並みを後世に残そうと、「第7回まちなみフォーラム福岡」を県内のまちづくり市民グループ12団体らで組織している「まちなみネットワーク福岡(大塚政徳代表)」と主催。この日の町家巡りでは、箱嶋さん自ら「箱嶋家住宅」を案内していただきました。玄関を入ると、左側に「表の間」、「中の間」、「座敷」=写真②=が連続し、右側の通り庭(土間)が繋いでいます。
写真②:「中の間」に続く「座敷」
「中の間」の上部は吹き抜け=写真③=で、厨子2階の欄干や箱階段など随所に施されたベンガラ(弁柄)塗はあせることなく艶やかです。
写真③:上部は吹き抜けの「中の間」から2階に通じるベンガラ塗の階段
坪庭=写真④=には、水琴窟が備えられていますが、現在は音は聞こえない状態です。
写真④:水琴窟が備えられている坪庭
通り庭には、火の神、竈(かまど)の神を祀る荒神竈=写真⑤=が配されています。お坊様が年数回、琵琶を弾きながら荒神払いをされる風習が残っているという。
写真⑤:通り庭に配されている荒神竈