写真①:大島の最高峰・「御嶽山」麓にある宗像大社「中津宮」(中央の鳥居が見える所)
=宗像市大島港から神湊港へ向かう市営渡船のフェリー「おおしま」甲板から、2015年8月22日午後1時10分撮影
「筑前大島」巡りの記 ④「中津宮」
大島(宗像市)の北側の「砲台跡」から、再び市運行の無料マイクロバスに乗り、南側の大島最高峰・「御嶽山(みたけさん。標高224㍍)」麓にある宗像大社「中津宮」=写真①=へ。宗像三女神の一神・湍津姫神(たぎつひめのかみ)を祀る神社です。「沖津宮遥拝所」とともに、2017年(平成29年)のユネスコ世界遺産登録の日本推薦候補に選定された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産5件に上げられています。
石の一の鳥居、二の鳥居を潜り、石の太鼓橋を渡って石段を上がると、境内中央に拝殿と、本殿(福岡県指定文化財)がありました=写真②=。
写真②:宗像大社「中津宮」拝殿と本殿(右側)
=8月22日午前11時10分撮影
社務所近くにあった「天真名井(あめのまない)」の立て札そばの遊歩道を下ると、延命招福の霊泉とされる清水が湧き出る所に柄杓が置かれています=写真③=。湧き水を柄杓に汲んで飲むと、甘くてまろやかな味でした。
写真③:湧き出る清水が柄杓に汲んで飲める「天真名井」
遊歩道を「天真名井」へ下る途中、バクチノキ=写真④=の紅黄色の木肌の鮮やかさに目を奪われました。バラ科の常緑高木です。灰黒色の幹の皮が剥がれると、紅黄色の木肌が現れるため、博打に負けて衣服まではぎ取られた人にたとえて「博打木」の名が付いたという。
写真④:紅黄色の木肌が鮮やかなバクチノキ
参拝後、石の太鼓橋の西側境内に「織女神社」と「天の川」と書かれた立札が並んでいるのが、目に止まりました=写真⑤=。そばを流れる「天の川」をはさんで「牽牛神社」と「織女神社」が祀られています。
大島に残る七夕伝説によると、唐の国に使えに行った貴公子が、織女を伴って帰国の途中、恋仲となったものの、日本に着いて離ればなれになった。織女を想い続けた貴公子はある夜、夢枕で神のお告げを受け、大島の中津宮の天の川にたらいを浮かべ、水鏡に映る織女との逢瀬を楽しみに神仕えの身になったという。大島では、鎌倉時代から七夕祭が始まり、今も旧暦の7月7日に近い8月7日に島内にて盛大に行われています。
写真⑤:「織女神社」と「天の川」と書かれた立札
=8月22日午前11時35分撮影