とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「和食」が無形文化遺産に

2013-10-23 23:40:01 | ニュース
富士山が世界遺産に登録されたばかりなのに、今度は「和食」を無形文化遺産に登録するようユネスコの補助機関が「登録」を勧告したそうだ。ユネスコには「三大遺産事業」というものがあって、遺跡や自然が対象の「世界遺産」、文書や絵画などが対象の「世界記憶遺産」、芸能や祭り、伝統工芸技術などを対象とする 「無形文化遺産」がある。日本の無形文化遺産は現在のところ歌舞伎や文楽、能楽など22件が登録されている。「和食」が登録されれば23件目となり、世界の中で「食」に関係する項目としては、フランスの料理や食文化、地中海周辺の料理、メキシコの伝統料理、トルコの麦かゆ食に続いて5件目となる。

日本政府は、『自然の尊重』という精神を表現している『社会的慣習』」として「和食」を推薦し、特徴として下記の事項を挙げている。
▽多様な食材を新鮮なまま使用
▽コメを中心に栄養バランスに優れた構成
▽自然の美しさや季節感を表現
▽正月や田植えなどの年中行事と密接に関連

つまり、食材や料理法だけではなく、家族や地域の結びつきを強める「日本食文化」の象徴が和食であるということだ。世界でも、和食ブームとかで、日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、アメリカにある和食の店は、現在1万4129軒で、10年前の倍以上になっている。ヨーロッパでは、フランスに約1,000軒、イギリスには500件以上もある。香港にも多く、鮨屋や居酒屋などが900軒もあるそうだ。

和食の素晴らしさは、海外旅行に行ってみると改めて思い知らされる。特にアメリカやヨーロッパの食事ときたら、量がやたらと多くて種類は少ない。味も大雑把で、油ぽかったり、辛すぎたり甘すぎたりする。また、美味しく見えるような飾り付けはほとんどない。三日も四日も同じような食事をしていると、あっさりしたご飯とみそ汁が食べたくなり、日本食レストランを探し回ったこともある。

和食の良い面は、「主食」と「副食」という考え方だ。主食であるご飯を中心に魚・海藻などの水産物、大豆・野菜などをおかずに加えることで、栄養バランスがとりやすくなっている。また、ご飯とおかずを交互に食べることで、脂肪のとりすぎをおさえることができる。そして、「みそ・しょうゆ・納豆・漬物」というような発酵食品を多く使うことも和食の特徴だ。発酵食品は、腸内細菌のバランスを改善し、免疫力を強化するという。穀類・豆・海藻・野菜・いも・きのこ等には食物繊維が豊富なことも挙げられる。こういった点は、和食が世界に誇れる食文化ではないだろうか。

ユネスコの補助機関が登録を勧告したということは、ほぼ間違いなく登録されるみたいだ。TPP交渉の結果次第では、海外からの安い食材が入ってきたりして日本の農業が壊滅してしまうのではないかという論議もあるが、こういった和食文化を世界に発信することで、世界に和食を広めていくきっかけになり日本の農業にも活力が湧くことになればいいなと思う。