午前8時現在
今朝、目覚めたとき
屋根に雪を見た。
あぁ…。まだ生きていたんだ…。
と思った。
和歌俳諧に詠まれる
清浄な白い雪が、今朝ばかりは
放射能を含んだ「白い悪魔」に見えた。
そう言えば、幼い頃、
各国での核実験華やかしき冷戦時代に
空から降ってくる雪を
口の中に入れる遊びをしていたら
大人たちに
「こらッ! ホーシャノーが入ってるから
喰っちゃダメだッ!」
とえらく叱られた覚えがある。
子どもたちの間でも
訳もわからぬまま
「ホーシャノー」「ホーシャノー」
とふざけあっていた。
市内はまだ18μSv/hだというので
心配ない、冷静に…と、ニュースでは
喧伝しているが、
心配なく冷静にしていられるのは
何もない0μSv/hになってからだろう。
生きる力が萎えているところに
朝刊で、こんな記事を見つけて
なんと非道な人非人かと
ほんとうに吐き気がした。
都民の電力供給の為に
地方の人間が犠牲になっているというのに
その都知事が「天罰」などと
ヌケヌケとぬかしてやがる。
この莫迦の脳味噌は腐っている。
まさに万死に値する暴言だ。
どうか、もう一度、
都知事に立候補、当選して
都民を安心・安全に
守ってあげたらいいだろう。
今現在、4号機でまた火災が発生した。
中2のナッちゃんでさえ
「もう、どうにでもしてくれ」
と笑いながら、コタツに大の字になった。
「死ニ方 用意」
を家族に上意下達しており
遺書も書いたので
いくらか気分は軽くなった。
アキとナッちゃんは
今日、京都の知人宅に疎開させる。
東北新幹線が不通なので
那須まで車で送り届け、
そこからは子どもたちの自己判断で
京都まで行かせる。
4月からは高3・中3だから
それくらいの避難道中が
できなくては困る。
彼らにとっても苦い
大変な青春の思い出だろう。
アキは京都生まれで
0歳で帰郷したので、
「お里帰りか…」
と苦笑していた。
「向こうでバイトしなきゃ…」
とも健気に洩らしている。
長男が私大で、家のローンもあり、
まったく裕福でなく、備蓄もない
我が家にこの災害出費は痛手である。
自分が25歳で
大阪に新任教員として赴任するとき
当時、寝たきりで年金生活の祖母が
のし袋に「餞別」をくれた。
袋の裏には
「1983.3.7
from GM」
と記してある。
もったいなくて使える性質のお金ではないので
長らく神棚の祖母の遺影の前に供えていた。
今こそ、それを開ける時だと
昨晩、28年の時を経て
はじめて開封してみたら
中から伊藤博文の旧千円札が2枚でてきた。
自分を置いて
東北から遠い関西に人生の旅出をする孫に
老婆が年金の中から入れてくれたのである。
今、その貴重な「お守り」を
アキとナッちゃんに一枚ずつ渡した。
これは、
「曾(ひい)お婆ちゃんの魂だから。
困ったときに使え」
と教えた。
2011年3月15日演奏の
追悼『アルハンブラの想い出』が
こちらにございます。
http://www.onyx.dti.ne.jp/~yoko-s/alhambra.htm