常連のレストランに納めている
ガイド・ブックが30冊ほど
売れてくれて、
増刷の注文を受けた。
第三版までに100頁近くなったので
この機会にややスリム化を計ろうと
新しく構成を組みなおして
全面改訂し80頁にした。
両面印刷機能がない
手元の機種では間に合わないので、
新しく一台購入した。
中小版元なので
設備投資でもある。
新機種はヘッドが新しいので
さすがにカラー印刷もキレイな
仕上がりである。
カバーに透明なフィルムを貼る作業も
段々手馴れてきて、職人技が
身に付きつつある。
「物創り」という趣味と副業ではあるが、
時折、「器用ビンボー」という
言葉が頭に浮かぶのは、なぜ・・・?
**********
人生随談
奈保子 車で、これだけ熱く語れるのは、幸せでいらっしゃいますね(笑)。
先生 バカだけど、なんか少年のような熱き血潮を感じるでしょ(笑)。
奈保子 こういうことをやれる、ということに、シンパシーを感じる人もいんでしょうね。
先生 そうそう。けっこういるんですよ。今の学校の校長さんも気に入っていてくれて、街ん中でよく私の車を見かけるんですと(笑)。そのだひに、
「アッ。佐々木先生だぁ…」って思うんだそうですよ。
奈保子 アハハ…。なんだか、話に聞く、月光仮面みたいですね(笑)。
先生 そうなんです。「ど~この、だ~れだ~か~♪」(笑)。
奈保子 でも、先生がそうなさったのも、元はと言えば、その飛行機のカッコよさに「感動」されたからなんですよね。
先生 そうそう。そうなんですよ。ドンッ!(← 机たたく)
私はそこを力説したいんです(笑)。
奈保子 はいはい。どうぞ、力説しちゃってください(笑)。
先生 ほんとはね、この車はイワク付きで購入したんで、やっちまったんですよ。
奈保子 …と、いいますと?
先生 はい。ある朝のことでした。10年来、車の整備でお世話になっていた個人整備屋の親爺さんが、突然訪ねてきて、相談がある、って言うんで、何事かと思ったんですね。
奈保子 はい。なんかドラマが始まりそうですね(笑)。
先生 そう。…で、親爺さんが言うには、カミさんが末期癌でもう余命いくばくもない、と言うんですよ。「エーッ!」って驚きました。10年来のお付き合いのある奥さんでもありましたから。それで、仕事休んで、入院費やら何やらで大変なんで、車を買ってもらいたい、と言うんですよ。
奈保子 はあ。
先生 それまで一台目の車を26年も乗ってたんです。
その親爺さんに整備してもらって大切にしてたんですね。でも、さすがに、もう調達できる部品がなくなって、次に故障したときは、いよいよ廃車にしなきゃならなくなる、っては言われていたんですよ。
奈保子 よく26年も乗られましたね。
先生 でしょ。それもイワク付きだからなんですが。大学に合格したときに親父に買ってもらったんです。
…で、話をもどすと、玄関に出てみたら、今のEKスポーツがデーンとあったんですよ。
「いくらですか?」
って訊いたら、
「75万でいい」
っていうんです。
新車だと、150万するそうなんだけど、前のオバサンがドアをぶつけて、それを新しく取り替えて2年目なんだそうです。だから、半額というのは
安いらしいんだね。
…で、結局、その場で買うことにしたんです。なにせ、10年来の付き合いで、今、困ってるって言うんでしょ。別にその車が気に入ったワケではないんだけど…。しかたないと思ってね。
奈保子 そうなんですか。人助けだったんですね。
先生 ほんとは、20万近く出して整備して車検に出したばっかりの前の車をもうしばらく乗るつもりでいたんですよ。
奈保子 そうですか。でも、買ってあげたんですね。
先生 そう言うとオコガマシイので、買わせてもらったんです。
だから、自分が欲しくて選んだ車じゃないから…。せめて、自分が好きなように、改造しよう…って、なるじゃないですか。
奈保子 ああ。なるほど。それで、なんですね…。
先生 そういうこってす。
奈保子 今は、気に入ってらっしゃるんですか。
先生 恋愛じゃなく、お見合い結婚みたいなものじゃない。だから、段々好きになるように努力して、今は気に入ってますよ。軽で税金が安いし、憧れてたターボ・エンジンだし、4WDでABSで、パワー・ウィンドウに、パワー・ステアリングに、オート・ロックで、リア・ワイパーがついてる…って、26年前の車にはなかったものがフル装備でしょ(笑)。
奈保子 そうですよね。人気の現行車ですものね。
先生 でも、二世帯住宅を新築するのに貯金すべて注ぎ込んじゃったでしょ。一文無しだったんで、5年の60回ローンにしてもらったんです(笑)。毎月、15.000円払いでしたが。ローン会社から来たハガキの残金が毎月減っていくのを見るのを楽しみにしてました(笑)。払い終わったときは、せいせいしましたね。
奈保子 そうでしょうね。「車に歴史有り」ですね。
先生 オッ、いいこと言うね。そのとおりだね。昔なら人馬一体だったけど、いまは人車一体だものね。車との付き合いは、自分史の一部でもあるものね。
奈保子 愛馬と同じように、だんだんと人格化してくるんじゃありませんか。
先生 そうですよ。私は、いつも出勤時には「今日も、よろしくお願いね」
と言ってるし、帰宅時には「ごくろうさん。ありがとね」と言ってますもの。
奈保子 名前もつけてらっしゃるんですか。
先生 前の車が「コルサ」っていったんで、今のは二代目「コルサ子」です。
奈保子 やっぱり、女の子なんですね(笑)。
先生 そう。その方が感情移入しやすいでしょ。いたわりやすいし。
「コルサ子」って、なんだか、リムスキー・コルサコフみたいでしょ(笑)。
いちおう、「EKスポーツ」っていうスポーツ・カーだから、スポーティーな精悍な女の子のイメージなんですよ。
奈保子 なるほど。レスリングの吉田沙保里選手みたいなイメージですか。
先生 ちがう、ちがう(笑)。アルソックじゃないよ~(笑)。バレーの山口舞ちゃんだよ~(笑)。
奈保子 あっ、そうでしたね(笑)。
車の歴史と「感動」と「拘り」について伺いました。
先生 はい。どうぞどうぞ、仕切ってください(笑)。
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