トラキアン

シャーロック・ホームズの
愛好者はシャーロキアンと自称するが、
「寅次郎」ファンなので
トラキアンと自称している。

精神安定剤のことを
トランキライザーと呼ぶが、
トラキアンは語呂が似ている。

『男はつらいよ』は人情喜劇で
観ていて心が癒されるから、
体調が芳しくないときなぞ、
ベッドに横になって観ることがあり、
まさしく観るトランキライザーの
役目をしてくれる。

BSの『土曜は寅さん』シリーズが
全作放映終了した。

ビデオテープで録画したものを全作
持っているが、それでも、
ハイビジョンで再度、
試聴してきた。

その最後の放送が、
『ハイビスカスの花』の
「特別篇」だった。

これは、主演の渥美清が
亡くなった翌年に
編集公開されたもので、
唯一、劇場では観なかった
作品である。

珍しいのは、
あの冒頭の主題歌を
渥美ではなく八代亜紀が
唄っている。

そして、本編の冒頭と最後に
成長した満男が
伯父さんを回顧するシーンが
描かれている。

「さくら」の倍賞千恵子は
今や73歳で老婆の風貌だが、
80年公開のこの作品では
39歳でまだ若々しい。