『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

上手の手から水が漏れる

2023-03-06 08:30:03 | 藤井 聡太

上手の手から水が漏れる

弘法にも筆の誤り

猿も木から落ちる

*

きのうの「棋王戦」
第三局は、近年、稀にみる
壮絶な闘いとなった。

先手番勝率96%の
ソーちゃんが、
「六冠」達成と
「先手番29連勝」という
羽生「永世七冠」の記録更新が
かかっていたが、
破れてしまった。

序盤は微差ながら
優位に立っていたが、
中盤からは渡辺棋王に
優勢を奪われて、
大差で離されつつあった。

それでも、
粘りに粘って、
最終盤には「1対99」から
「99対1」に大逆転するシーンが訪れ、
「先手勝利 詰み15手」が出て、
ソーちゃんのミラクル勝利を確信した。

解説の戸部ちゃんも
「ミラクルが起こりました・・・」
と絶叫したが、
なんと!
『詰将棋選手権5連覇』の
絶対チャンピオンにして
“AIの申し子”とも言われる
ソーちゃんが
詰み筋を外して「最悪手」を
秒読みに追われて指してしまった。

そして、間もなくして、
彼は「最善手」をミスったことを悟り、
中学生のデヴュー当時のような
“グニャグニャ・ガックリ・ガックシ”
ソータに退行してしまった・・・。

自分のホッペを
右手でピシリとも
叩いた。

かつて、デヴュー29連勝中に見せた
伝説の“膝パーンッ!!”ほどではなかったが、
明らかに、自分の大ポカに対し
憤りと失望を隠せなかった。

・・・それでも、
ジェットコースターのような
評価値の揺れで、
稀に見るスリリングな一局であった。

ストレート勝ちや
連勝新記録逃しはあったが、
終局後の感想戦では
笑みも見られ、
頂上決戦に相応しい
「超難解」な名曲の解析を
名人・達人どうしで
楽しんでいた様子でもあった。

今週の8日水曜には、
同じく、渡辺名人への
「挑戦権」を賭けた
A級トップどうしの大一番がある。

これに勝てれば、
通算15勝3敗の渡辺名人から
「七冠」目の「名人」位を奪取する
可能性もまた濃厚である。

もっとも、
その間に、「棋王戦」で
残り二戦で1勝し
タイトル奪取と、
「王将戦」の残り二戦で1勝して
防衛することが必須である。

同じ相手に
連敗はしない・・・という、
彼の戦歴から見ると、
このどちらも期待は大きい。

*

棋戦を見ながらも、
工房でビウエラを完成させた。

ビウエラ(vihuela)は
ルネサンス期のスペインで用いられた
ギターに似た6コースの
複弦を持つ古楽器である。

この時代、
ヨーロッパでは
洋ナシ形のリュートが全盛だったが、
アラビアのウードを起源とする
この楽器を、アラビア民族の
被支配下にあったスペインでは
忌避して、ギター型の楽器が
好まれたという説がある。

*

昨年暮れから
月産一本で製作してるので、
工房内にも段々と
楽器が溜まってきた。

10年のブランクを取り戻すのに、
今はとにかく、ガムシャラにでも
10本くらい集中して作っていこうと、
工具や用材を一新させて、
毎日、工房に籠っている。

*

新しい
ルネッサンスギターにも
新たな工夫と創意を
試している。

 

 

 


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