夏休み最後のきのう。
夕餉の買い出しの帰り
ツタヤ・ブラウジングに寄ったら、
そろそろ出る頃だと思ってた
愛読書の最新刊が出ていたので
平積みに手を伸ばした。
帯に
「完結!!」
とあり、
驚いたが、
帰宅すると早速、
惜しむようにして頁を繰った。
*
ここまで、
21年間、初巻から
4シーズン全71冊を
蒐集・読了してきた。
自分にとっては
着道楽の教科書であった。
ギャグと蘊蓄のバランスが
絶妙で、絵柄も自分好みで、
健康的なお色気まで
盛り込まれている(笑)。
メンズ服飾物で
かくも長きにわたり
巻数を重ねてきた
希代の名著である。
何よりの愛読書が完結して、
さびしいこと限りないが、
大河原氏の作品は、
これ以外では、単発の
『東坡食譜』と『かおす寒鰤屋』
しかないので、
新境地の作品にも期待したい。
***
本作では、
随所に古典からの引用があり、
その蘊蓄も勉強になった。
かつて、
一休禅師に関連する
書物を読み漁り、
いっぱしの知識を得たと
思っていたが、
臨終に際しての
このエピソードは、
今回初めて知って驚いた。
*
30代前半と思しき
主人公・織部 悠の
天才的職人ぶりと
その老獪な人生観に、
受験生JKの舞花は、
しだいに仄かな恋心を抱くが、
ナポリに帰ってしまう別れの時、
思いもしなかった一言に
号泣するシーンには
涙が出た。
そんな青春のロマンスも
絡めての心憎い幕切れであった。
これからも、
また、再読、再々読していく
名作に出会えたことは、
60年の漫画人生での
無上の喜びでもある。
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