過去、49作を
丹念に幾度も見てきた
〈寅さんフリーク〉なので、
23年ぶりという新作を
期待を込めて観賞した。
想像したような
過去のカットを回想シーンで
多く挟んで、うまく編集していたが、
“尺”の半分以上は
既成の映像だった。
それでも、
お馴染みの「とらや」の
お茶の間シーンが描かれ、
『その後のとらや』みたいな
スピンオフ感があった。
物語は、
ミツオとイズミの
23年ぶりの邂逅が主軸で、
それはひとつの
儚げなロマンスになっていた。

久々に見た後藤 久美子は、
なんだかアウンサン・スーチーみたいな
風貌に見えた(笑)。
当然ながら、
十代の時よりも
声質が低くなり
オバサン化していた。
リリー役の浅丘 ルリ子と
イズミの母役の夏木 マリが、
さすがに存在感のある演技で、
どちらも水商売に生きてきた
女性の哀しみのようなものを
巧みに表現していた。
寅さんフリークとしては、
老衰で施設に入った
イズミの老父役には、
シリーズのエピソードと同じく
老けた寺尾 聡で見てみたかったが、
橋爪 功もさすがに上手かった。
やはり、
生きた渥美 清の出ない
『男はつらいよ』は、
スピンオフ感が拭えなかった。
冒頭の桑田 圭介による
主題歌の導入部も、
取って付けたようで
いささかの違和感があった。
エンド・ロールで、
渥美 清の本歌を
際立たせるための
演出だったのかもしれないが、
主要キャストの半分以上を欠くので、
いかにも故人たちへの
オマージュ感があった。
近年の連ドラや
『スターウォーズ』のように、
これ以上の蛇足となるスピンオフ作品は
よしにして欲しいものである。

昨晩は、
親友のタケシ夫妻と
我が家夫妻で、
年忘れの会食をしてきた。
中華料理の食べ放題という
珍しい店だったので、
事前に、あれも喰おう、これも喰おうと、
意気込んでのりこんだのだが、
最初に炭酸飲料を飲んでしまい(笑)、
急に膨満感に襲われて
思ったほどに注文ができなかった。
それでも、
北京ダックをはじめ、
フカヒレ、腸詰、炒め物・・・等々、
四人で10皿ほどを賞味した。
北京ダックを包む餅皮(カオヤーピン)が
四枚ほど余ったので、
こっそりリュックに持ち帰り(笑)、
今朝の朝食として
中にピーナツクリームを巻いて
焼いてみた。

劇場の予告編で、
フクシマ原発事故のドラマを
9年を経て上映されるのを
なんだか不思議な気分で見せられた。
津波のシーンもあり、
被爆覚悟、人柱覚悟で
現場に残った作業員たちを
讃えるドラマである。
劇場では観たいとは思わないが、
地上波放映になったら、
きっと見ることだろう。
もひとつ
3.11の津波で
犠牲になった人たちを描いた
『風の電話』の予告編も見た。