神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

心が温もるお茶

2007-12-02 | その他のお茶
身近過ぎるせいか、簡単なようでいて難しいのがお煎茶の入れ方だと思う。
今は電気ポットも湯温の設定ができるので、だいぶラクになったが、
以前は適温にするのが結構面倒だった。
OLなりたての頃は熱すぎるお茶をお出しして、
お客様にフーフーと苦労させてしまったことも一度や二度ではない。
すぐに美味しいお茶が飲めるようにおもてなしするには案外ちょっとしたコツがいる。


NHKで月~土曜日に放送しているテレビ小説『ちりとてちん』、
毎日欠かさず観ているのだが、このドラマ、なかなか小道具の使い方が上手い。

先日は、主人公の落語家志望の喜代美が
自分のコンプレックスを幼馴染にぶつけてひどい言葉を浴びせ、
自己嫌悪に陥って部屋に戻ろうとした時、
師匠が無言で喜代美にお茶を淹れてくれるシーンがあった。

まずは湯呑みにお湯を入れ、お茶っ葉の入った急須にそのお湯を移す。
少し置いてから急須から湯呑みにお茶を注ぐ。
出されるままに湯呑みを口に運んだ喜代美はその美味しさ温かさにホッとする。
自分がいつも入れているお茶と同じお茶っ葉なのに
全く違って、ものすごく美味しい、とびっくりする喜代美。

心が冷えて、温もりが欲しい時に、ちょうどいいタイミングで出されるお茶。
落語家は人を楽しませるのが仕事。
お茶をいれること一つにしても、相手への気配りを忘れない、
そのことを師匠がさりげなく喜代美に教えてくれたシーンである。


そういう気配りはなかなか若い頃にはできなかったりするものだ。
私も今だったら会社勤めをしていても
ベストタイミングで美味しいお茶をいれることができるのになあと思うのだが・・・(遠い目)。

飲んでいるのは中井製茶場の初摘み煎茶。
ほっこり、美味しい。

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