男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

いりこの出汁がらを煮る

2010年04月29日 | 魚介類

昆布にしろ、けずりかつおにしろ、また、いりこ=いわしの煮干しにしても、
出汁をとったあとの出汁がらは、捨てないで活用します。昆布とかつおの
出汁がらで作った「かつお昆布」は、№213でお送りしました。
今回は、いりこ・・それも片口いわしの煮干しの出汁がらを煮たものです。

高校2年の冬、母親が「選挙事務所のまかない=飯炊き」をした時のこと、
毎晩のように「いりこの出汁がら」を、大きなざるに一ぱい貰ってきました。
これを、二つに割いて、頭と腸と中骨を丹念に取り除いて、甘辛く煮つけ
ました。作り方は醤油とほんの少しのさとう、それにきざみ生姜で煮ました。
これが大変においしかった・・・以来いりこの出汁がらは捨てません。

このときは「真いわし」のいりこでしたが、レシピは「片口いわし」のいりこを
使いました。「真いわし」はおいしいが、身がやわらかいので煮くずれして
モロモロになりやすい、「片口いわし」なら身くずれもなくきれいな一品料理
になります。みみっちい、けちくさい「レシピ」と思われるかも知れませんが、
日本料理は「食材」をとことん使い切るので、捨てるものが少なくなります。

野菜を茹でるのも、同じ湯を使い回す、はじめに「だいこん」を茹で、つぎに
「にんじん」を茹でる、その後アクのない「青野菜」を、「ほうれんそう」のよう
に色がサッと出てくるものは、最後に茹でる(辻嘉一著・辻留ご馳走ばなし
より)とあります。日本料理はいまで言う「エコ」の真骨頂と思います。

出汁については、初代吉兆の湯来貞一さんは「日本料理の基本は出汁に
ある」と「吉兆味ばなし」に書いています。我が家の台所にも「出汁のもと」が
ならんでいますので、ちょっとばかり反省させられました。

きょう日、いわしの煮干や、昆布、けずりかつおなどで、出汁をとるお家も少なくなりました。
レシピは、いりじゃこ・・いわしの煮干・・・の出汁がらを甘辛く煮つけたもので、料理と言える
ような「しろもの」ではありませんが、わたしにとっては幼い頃のなつかしい味のおかずです。
 
材料 
いりこの出汁がら 15尾  30g    あたまと腸と中骨をとると20gになる
日本酒 大さじ  2
みりん 大さじ  1
醤油 大さじ  1

<作り方/font>
いわしの煮干の「いりこ」から出汁を
とるときは、いりこの背中に親指の
つめを立てて、半分に割く。
頭と、腸と中骨をていねいに取り除く。
気をつけないと、中骨が親指の腹に刺さるとなかなか抜けません。

出汁をとるのは「漬けだし」と言い、昆布といりこ
の身だけを水に入れて12時間~16時間おく。
今の時節なら常温でもよろしいが,気温が20℃
以上になる時節には、冷蔵庫に入れる。

「漬けだし」は昆布といりこを水に一晩漬けるだけ。
味噌汁や煮しめなどに、最適な出汁になる。

「出汁がらを煮る」・・・はこれからが本番
いりこの出汁がらを、調味料を煮立たせた中に入れ
少しの間煮て味を含ませるだけ・・・の料理です。

温かいご飯にのせてたべると、実においしいし、
酒の肴にも向きます。食感はもともとが煮干なので、
歯ごたえのある硬さです。

たかが「いりこ」、されど「いりこ」・・しかも出汁がら・・。
それを工夫して、面倒がらずに手を加えれば、おいしい
一品ができあがります。
いちどお試しください。






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たけのこの絹皮の当座煮

2010年04月27日 | 野菜類

たけのこの姫皮が大量に出たことを、先日書きました。
1キロ以上の姫皮は「梅肉和え」や「わか竹のつゆ」をつくるのでは
使う量は知れているので、当座煮をつくることにします。
当座煮とは料理用語で、当分のあいだ保存が効く煮物のことです。
佃煮ほどの保存性はないが、お煮しめよりは長く保てる煮物です。
では一体何日くらい保存が効くかと言うと、これが極めて曖昧です。
私見ですが冷蔵保存できる今頃は、10日から2週間くらいでしょう。

本題に戻って、姫皮を当座煮にしよう・・と家人に提案したら「OK」の
応えが出ました。ところが味つけを何にするかで意見が分かれます。
わたしは「こんぶ」と「干しさくらえび」で炊いてみたい、対して家人は
「かつお味が良い」と言うので、残っていた約600gを二つに分けて、
夫々が好きな味で煮ることにします。夫婦二人の競作になりました。
家人は300g全部を、削りかつおの味つけで煮ます。
私は300gを二つに分けて、「こんぶ」と「干しさくらえび」で煮ました。
できあがりは、三つとも満足できるおいしさでした。


そのあと「筍の瓶詰め」を作ったので、またも350gの姫皮がでました。
その翌日曜日、偶然近くの長男と次女の親子がやってきました。
夕方になって、孫たちが夕ごはんを一緒に食べたいと言いだします。
双方の親は遠慮して「家に帰ってから・・」とたしなめますが、家人は
「何とかしてやりたい」と私に相談を持ちかけます。


目ぼしい食材がないので「たけのこのばら寿司」をメインにその外は
有り合せの食材で作ることにしました。
寿司は残った姫皮とたけのこを細かく刻み薄味で煮たのを寿司めしに
混ぜ込んで、大急ぎでつくった錦糸たまごに「エビのそぼろ」を振り、
これも急ごしらえのエビの旨煮をのせます。
出来立ての暖かい寿司を、おけごと卓上において食べて貰いましたが、
6合のお米でつくったホカホカのお寿司は全部なくなりました。
お菜に3種の姫皮の当座煮を出したら、これもなくなりまた。

とにかく手許の食材でつくったので、できた料理は雑然としたものでした。
「かき卵のつゆ」「小松菜と揚げの煮物」「ピーマンとざー菜炒め」「豚肉の
冷シャブと新玉葱」「豚肉とたけのこの煮物」「わかめときゅうりの酢の物」
「茹でたアスパラガスとスナップえんどう」などをつくりましたが、お寿司も
おかずもきれいに食べてくれました。料理は夫々2~3人分の量なので、
つくりはじめてから1時間半、何とか間に合いました。
  
「たけのこの瓶詰め」をお送りしましたが、大小20数本のたけのこから「姫皮」が1キロ以上もとれました。
そのうち200gくらいを「梅肉和え」と「わかたけ」のつゆに使いましたが、まだ900gくらい残りました。うち600gを
三つに分け、「かつお」と「昆布」と「さくらえび」の当座煮をつくり、残りは茎の部分と合せ「たけのこ寿司」にしました。


材料
姫皮 600g    細切りにする
削りかつお 15g    茶袋に詰める
板こんぶ 10g    2cm×2mmの細切りにする
干しさくらえび 10g
うどんつゆ 適宜
煮切り酒 1カップ半
淡口しょうゆとみりん 適宜
作り方
かつお味の当座煮
削りかつお、日本酒と水を夫々半カップ、うどん
つゆ大さじ2と淡口しょうゆ小さじ1をなべに入れ
一煮立ちしたら、姫皮を加えて中火で煮る。
つゆが少なくなったら弱火にして、箸でまぜ
ながら、水気をとばしてできあがりです。
こんぶ味の当座煮
細切りこんぶと、煮切り酒と水夫々半カップを
鍋に入れて10分くらいおく。こんぶが膨らんだら、
淡口醤油を加えて中火で10分くらい煮る。
あとは、かつお味とおなじです
さくらえびの当座煮 干しさくらえびを、煮切り酒と水を夫々半カップと
みりん大さじ1を鍋に入れ、弱火で4~5分煮る。
さくらえびが柔らかくなったら、姫皮を入れ中火で
10分くらい煮る。あとはかつお味と同じです。

味がそれぞれ違うので、調味料はレシピ通りにしても
よろしいですが、味見しながら自分の好みにしてください。


調味料の「うどんつゆ」は四国・香川県坂出市の「鎌田醤油株式会社」の製品です。
名が通った商品なので、ご存知の方が多いと思います。ずいぶん前ですがある方から
いただいて、この会社の商品を知りました。以来愛用を続けております。
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黒めばると焼き豆腐の炊き合わせ

2010年04月26日 | 魚介類

春先の今ごろになると、いろんなものがおいしくなります。レシピの
黒メバルなどの魚や、山菜はたけのこやわらび、野菜は春キャベツ
など枚挙にいとまがありません。それにしても年初来の気温不順で
野菜の値段が急騰していて、春キャベツの中くらいのものが298円
の値段でした。普通の年なら70~80円のしろものです。いま一番に
困っているのが「お好み焼き屋さん」だろうと同情しています。

レシピは春の魚「黒メバルと焼き豆腐」の炊き合わせです。
たけのこと煮た「たけのこメバル」は№16(19.4.22)でお送りしました。
レシピは4月7日に食べたのを書きましたがその後、17日にたけのこ
と炊き合わせにしました。たった10日の間ですが「めばる」は脂が
ましていて、格段においしくなっていました。
「黒めばる」はこれから先、5月末ごろまで脂がのりおいしくなります。

レシピ序文にも書きましたが、昭和の中ごろ活躍した作家小島政二郎
さんは、今で言うグルメ作家で、故池波正太郎さんの先輩になります。
両人とも東京生まれの江戸っ子と言うのも共通点ですね。小島さんが
「めばるは周防の東部沖のが一番うまい」とその著書「食いしん坊」に
書いていたのを覚えています。

私の食のこだわり・・魚のなかで「これだけはなんとしてでも食べたい!」
と思うのが今回の「黒めばる」、それに初夏に獲れる「時鮭・それも頭と
かまのところだけ」と、初秋の「羅臼のほっけ」の三つです。多くの方が
好む「かに」と「ふぐ」は執着しません。これは人それぞれの好みでしょう。

山・野菜類は春の「たけのこ」と秋の「松茸」それに「アスパラガス」です。
この五つだけは、お金に糸目をつけずに食べたい・・ただ「松茸」だけは
お金に糸目をつけ、国産のものは高すぎて目もくれません。

この間うちから、生きているうちにふるさとの「黒めばる」を「なんとしてでも
食べたい」と思い、岩国から10キロ南の大畠と、平生漁港と徳山市内の
鮮魚の名店に電話で聞いたら3軒とも「黒めばるは獲れん」との返事でした。
「清水の舞台から・・」の決心で、値段のことを考えずに取り寄せたい・・・と
意気込んでたずねて見ましたが、今は「幻のさかな」となってしまいました

めばるがおいしい時季になりました。中でも黒めばる・・・それもふるさとの黒めばるは最高においしいめばるでした。
小島政二郎という食通の作家が、随筆に「黒めばるが旨いのは、瀬戸内でも岩国から徳山沖のものが・・」と絶賛して
いました。徳山沖のふぐも旨いので有名です。ふるさと平生は岩国と徳山の中間の、豊後水道に向かってせり出した
半島のつけ根にある町、戦時中は米空軍のB29が豊後水道を目指して北上するので、空襲の度におびえていました。


材料
黒めばる 2尾
焼き豆腐 1/2丁 半分に切る
ねぎ 3本 4cmの長さに切る
日本酒 2/1カップ 煮切った酒がbest
みりん 大さじ 2 煮切りみりんがbest
濃口しょうゆ 大さじ 2
水 2/1カップ
作り方
めばるを湯洗い(霜ふりとも言う)する。
80℃くらいの湯につけて引き上げ冷水にとる。
湯につける時間は「1・2・3」とがぞえる程度。
熱い湯につけると、皮が破れたり身が割れたり
するので、お湯の温度はほどほどにします。

水からあげためばるを、柔らかいブラシか指先で、
血合いの汚れと残ったうろこをていねいに取り除く。

めばるが2尾ならぶ大きさの浅いなべに調味料
全部と水を入れて中火にかける。
沸騰するまで火を強めないで、酒とみりんの
アルコールをゆっくりとばす。
こういうときのために、煮切った日本酒とみりんを
つくっておくと重宝します。

つゆの味をみて、吸い加減よりやや濃い目くらいの味ならOK。
ここへ湯洗いしためばるをいれ、おとしぶたをして中火よりやや
弱目の火でくっつりと煮る。めばるに火が通ったころ、焼き豆腐と
白ねぎをめばるのそばにおき、中火の弱火で煮つづける。
焼き豆腐と白ねぎを入れてからも、おとしぶたをして煮ます。
時間はせいぜい4~5分、豆腐は中まで味を入れないでよい。
おでんダネではないので、中心が温まるくらいでよろしい。
青ねぎは最後の1~2分の間に加え、これもしんなりする程度。
とうふを崩し煮汁とまぜながら、めばる・ねぎ・と交互に食べると
本当においしいです。煮あがった時の煮汁は、めばるや豆腐に
ねぎなど加わるので、煮始めの濃い加減より薄く仕上がります。
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たけのこの瓶詰め

2010年04月21日 | 野菜類

先週の14日、京都・長岡京のたけのこ農家に行ってきました。
昨年は7日に行ったので、1週間も遅れてしまいました。
年初から、身辺に色んなできごとがあって、思うように動けない
ので、気になりながらも遅れおくれになりました。


前の日に電話でお伺いする旨伝えていたので、私用にと立派な
たけのこを数本残してくださっていました。
ここのたけのこは、ぬかやとうがらしを使わずに、水から茹でても
エグ味がなく、茹でずにそのまま切って「なま炊き」ができます。

私は心ひそかに、ここのたけのこは「日本一」と思っています。
それほどおいしい・・・味も香りも天下一品ですが、何しろ山深い
ところなので、車でしか行けません。当日は11時過ぎでしたが
車が4~5台もとまっていて、知る人ぞ知る・・とおもいました。

この日は、大きいのを2本と、小さいを20本くらい買いました。
私は、ほんとうは小さな方が好みですが、大きいのを炊いたのも
よろしい・・・それに、折角おいしいのを取りのけておいて頂いた
ので買わないわけにはいきません。

買ったらすぐに車を飛ばして60分・・家に帰るなり茹でました。
大きいのは流石においしかったですね。小さいのは瓶詰めにします。
小さいのを「若竹のおつゆ」にしたり、「揚げもの」にしたのなんかは
大きなのに劣らないおいしさで、沸き立つような香りもたまりません。

今の時季たけのこを方々から頂いて、途方にくれる方もあるでしょう。
そんな方のご参考になるかと思い、今回の「たけのこの瓶詰め」を
お送りします。これは瓶さえあれば簡単にできるし、保存もききます。
このやり方で何年も「つくしの醤油漬け」を作ってきました。

たけのこは、手に入れたら何はさておいてもすぐに茹でてください。
買ってから2日も経って茹でるなど、もってのほかのことであります。
  
掘りたての新鮮なたけのこの穂先を、瓶詰めにしてみました。茹でたたけのこの「姫皮=絹皮とも言う」を
ていねいにとりのぞいてから、水に2日間さらして瓶詰めの作業にとりかかります。今年のような寒さなら常温でよろしいが、気温が15℃を超えるようなら冷蔵庫にいれます。年末のおせち料理まで十分もちます。

材料
たけのこ 小さい物がよい
量は自分がつくリたいだけ
今回は15~6本をつくりました
作り方
先ずたけのこを茹でる。
掘りあげたたけのこは、時間が経つほど
どんどんと味が落ちる・・と言われます。
出来るだけ新鮮なものを、買ってきたら
すぐに茹でる。たけのこの穂先を切って
たてに包丁を入れ、ぬかととうがらしを
いれた湯で1~2時間茹でる。
「たけのこを茹でる」を参考に
してください。
茹でた筍を水にさらす
茹であがったらそのまま冷まして水洗いし、
皮をむいて、姫皮をきれいにとりのぞく。
姫皮はおいしいので捨てず、別に利用します。
姫皮をとって「ツルツル」の状態にして、水に
漬ける(その前に水から茹で糠の臭いをとる)。
これを2日間水にさらす。気温が高いときは、
冷蔵庫にいれ、朝と晩の2回、水を取り替える。
このあいだに、瓶詰めにする空き瓶を用意する。
さらした筍を水から茹で
さらしたたけのこを、水から沸騰直前までゆでる。
別のなべに湯を沸かせておく・・・これは瓶詰めに使います。
大きな蒸し鍋に水を入れて火にかけ、沸騰直前にしておく。
筍をびんに詰めて煮沸す
茹でたたけのこを瓶に入れて、熱湯を加え軽くふたをする。
フタはゆるめにするだけ・・中の蒸気がもれ出るくらいにします。
蒸し鍋に入れふたをしてガンガン沸騰させる・・時間は5~6分。
2~3分したところで、瓶のフタをきつく締めて煮沸を続けます。
蒸しなべがなければ、普通の鍋に入れ煮沸すればよろしい。
時間がきたら火を落とし、そのまま冷まして出来あがりです。

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いわしの酢じめ

2010年04月20日 | 魚介類

レシピは「いわしの酢じめ・・別名・・酢作り」とも言います。
活きの良いいわしを手早くさばいて、塩をしてから酢でしめる・・・
その「頃かげん」がけっこう難しいのですが、料理人が作るような
酢に漬けて10分・・・と言うのは、とても素人の手には負えません。

「さば」・「さごし」も、「いわし」でも、酢じめ=酢作りにするときは、
塩をした後で「酢じめ」するとき、酒と酢を半割りした「酒酢」に浸した
紙タオルで包み、更にラップで包んで一晩(12時間)おくのが、私の
作り方です。このやり方だと、魚肉の中まで酢が入らず、しっとりと
できます。酢だけで締めると全体に酢が入り、中身まで白くなります。

こうなっては「パサパサ」になってしまって、おいしくなくなります。
紙タオルに浸した「酒酢」に包んで12時間・・・それ以上でも大丈夫
です。切ってみたら分りますが、酢で締まったのは表面だけ、中は
まだ赤みがかっていてジューシーな、出来上がりになります。

今回レシピのやり方ですと「いわし」は独特の臭いもなく、「さば」も
しっとりおいしく仕上がります。「コツ」は塩を振るときしっかり振りこと
・・・ここは塩分を気にしません。次に「酒酢」を浸した「紙タオル」で
やんわり包むくらいな気持ちで「酢じめ」します。

このやり方で、失敗したことはありません。

こうして作った「しめ鯖」で作る「鯖寿司」は、ほんとうにおいしですよ。
ご家庭でもこうしたお寿司を作って子供や孫たちに食べさせてあげて
ほしいと思います。スーパーで「しめ鯖・・・OK」というのを見つけたら、
ぜひこのやり方で鯖を締めて、鯖寿司にチャレンジしてみてください。
本題は「いわしの酢じめ」でしたが、横道にそれてしまいました。
  
いつものお店に新鮮で大き目の真いわしがあったので、酢じめにしようと5尾買いました。料理本には「酢じめは
酢に漬ける時間は約10分、それを引き上げ角切りにして盛りつける」とあります。この作り方だとレアっぽいので
酒酢に湿らせた紙タオルでいわしを包んで半日おくと、臭いがうすれジューシーさも残りおいしくでき上がります。

材料
真いわし 5尾
あら塩 大さじ 2
酢 1/3カップ
日本酒 1/3カップ
作り方
1いわしの下ごしらえ
まな板に新聞紙をおき、いわしをさばく。
頭を取り腹を開いて、腸をかき出したら、
すぐに冷水に入れて、腹の中をよく洗う。
頭と腸は、新聞紙に包んで捨てます。
まな板が汚れず、後始末がらくです。

いわしに塩を振る
いわしの両面に、強めに振り塩して水切り
出来るザルに並べて2~3時間常温におく。
いわしを3枚に下ろす
包丁で3枚におろすより指で開く方がラクで、
魚肉もムダがなく、多くとれます。
いわし1尾は約55g、包丁で3枚におろすと
2枚の上身が45g、中骨9.5gでした。それを
指で開いたら上身が52g、中骨は3.2gです。

開いたあと背びれと腹骨を丁寧に切り取る。
いわしを酢じめにする
いわしを酢洗いして酒酢にひたす。
酒酢は日本酒と酢を半々に合せたもの。
器の底に紙タオルをたたんで敷き、酒酢を
ヒタヒタにしみこませた上にいわしを並べ、
その上に紙タオルをかぶせて酒酢を注ぎ、
ラップをかけて、冷蔵庫に半日おく。
盛り付ける
たべるときは皮肌に浅く切れ目を入れ2~3cmに切る。
器に重ね盛りにして、きゅうりの薄切りを添える。
塩と酢で味がついているので、このままでも十分おいしいが、
もの足りないときは加減酢に・・それが面倒なら醤油にします。




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ふきとさわら・絹厚揚げの炊き合わせ

2010年04月12日 | 魚介類
レシピは「ふきとさわら」、「ふきと絹厚揚げ」の炊き合わせです。
「ばらずしでは、「さわら」の幼魚「さごし」を使いました。
今回は成魚「さわら」を、今が旬の「ふき」と炊き合わせにしました。
「ふき」は、父親も好物でしたが、わたしも好きなもののひとつです。
好きが高じて、車を走らせ山蕗を抜いて来て、畑に植えつけました。
これがだんだん広がって、今年は10こ「ふきのとう」がたちました。

ふきは「くき」はもちろんおいしいが、葉っぱもおいしいので、態々
ふきの葉を採るために、家から50キロの山間まで車を走らせます。
葉っぱを煮るときは、塩一摘み入れた湯で茹でて水にいれ、1日位
水に漬けアクをとります。これを刻んで、出汁と梅干と淡口で煮ます。
一旦煮てから引き上げ、煮汁を煮詰めてから葉っぱを入れて煮る・・
・・これを数回繰り返すと、色も緑が残った上品な味に煮上がります。

これは私のやり方でして、家人のは「濃口醤油」と「酒」と「鰹まる」で
炒りつけるように煮るだけ・・・実に簡単なのですが、くやしいことに
これがおいしいのであります。私が一所懸命に凝りに凝った出汁を
作って煮ても、家人のように大雑把な煮方で煮ても、おいしくできる・・
・・料理と言うものの複雑さを感じないではいられません。

片や「さわら」ですが、魚に春と書いても、今は年中出回ってねだんも
手頃なので、使いやすい魚になりました。煮つけもよろしいが「照焼き」
や「幽庵焼き」、それに「西京漬け」を焼いたものも、おいしいですね。
「さごしの酢締め(しめさばの要領で)」を書きましたが、今頃の「サゴシ」は本当に
おいしい、私は「さわら」よりも「さごし」の方が「はんなり」しておいしい
ように思います。でもこれは人それぞれ、好き好きですね。

山どりして植えたのに「よめな」があり、これで「菜飯」を作りました。
50キロも車で行かずに採れるようになりましたが、これがはびこって
始末におえなくなりました。「蛇イチゴ」も、「わらび」も根づきました。
また、3年前に植えた「芝桜」がはびこり、5坪くらいまでになりました。
雑草対策に植えたのが広がって、春になると目を楽しませてくれます。
見るものも、食べるものも、春は本当にたのしいですね。

今が旬のふきと春の魚のさわら、それに季節のものではないが、炊き合せに重宝する豆腐の厚揚げと
炊き合わせにしました。いまでは、ふきも年間商品になりましたが、春先の今が一番おいしい時季です。
レシピに書きましたが、葉っぱも捨てないで、サッと茹でて刻み、醤油に煮るとおいしい佃煮になります。


ふきとさわらの炊き合わせ

材料
ふき 1束 300g
さわら 2切れ 300g
出汁 100cc
淡口 大さじ 1
日本酒 半カップ
濃口醤油 大さじ 1
みりん 大さじ 1
作り方 ふきを煮る
ふきの葉を切り落とし・・・これは捨てずに佃煮にします。
くきを半分に切りまな板に置いて塩を振り、板ずりして茹でる。
ふきの色をきれいにするための作業です。
別のなべに出汁と薄口をいれ、一度煮立てて冷ます。
茹でたふきは冷水にいれ、皮を剥いて食べ良い長さに切りそろえ
冷ました煮汁に、ふきを入れて中火で煮含める。
作り方 さわらを煮る
さわらの切り身を半分に切り、80℃くらいの湯に入れすぐに引き上げ、
水で冷まして、水気をふき取る(湯洗いと言い、魚を煮る前の作業です)。
日本酒とみりんと濃い口醤油を煮立たせたなかにさわらを入れ、
おとしぶたをして、中火よりやや弱めの火で、くっつりと煮る。
煮汁が少なくなったら、スプーンですくいさわらにかける。

ふきと絹温揚げの炊き合わせ

材料
ふき 1把 300g
絹厚揚げ 1パック 300g
出汁 100cc
淡口 大さじ 1
日本酒 大さじ 2
濃口醤油 大さじ 1
みりん 大さじ 1
作り方
ふきは「さわら」の炊き合わせと一緒です。
きぬ揚げは、くっつりと少し甘辛目に仕上げます。熱湯を通して油抜きするか、そのまま煮るかは
好みにしてください。ふきが淡白なので、油抜きしないでそのまま煮た方が、おいしいと思いました。
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牛切り落とし肉のサッと煮

2010年04月11日 | 肉類・たまご

家から、車で10分くらいのところに、「JA神戸六甲」が経営する
「スマイル市場」ができました。伊丹市の農家が生産する野菜が
主な商品です。一角に神戸牛肉の売り場があり、ここのお肉が
おいしいのですが、値段も安くありません。一番安いので100gが
580円、高いので2000円くらいです。

平場に買いやすい値段のパック入りが並べてあり、運がよいと
「50%引き」のがあります。
そこを丹念に探し、「ロース切り落とし」50%引きを買いました。
値段は2パックで1000円くらいでした。
レシピにも書きましたが、帯状の白い脂の部分を除くと300gが
200gに減りましたが、サッと煮にしたら濃厚な味のお肉でした。

からだのことを考え普段はこんなお肉は敬遠しますが、ときどき
脂が入ったおいしい牛肉を食べたい・・・と思うことがあります。
そんなときは迷わずに買い求めて食べますが、量り売りの高い
のは買わず、パック入りの「切り落とし」を買うことにしています。

「切り落とし」とは商品の形を整えるときに出る「切れ端」のこと、
単に「切り落とし肉」と称し、パックの上側だけきれいな肉を並べ
下は白い脂身ばかり・・と言うのを置いている店もあるので油断
してはいけません。肉類のほか手延べ「そうめん」や「うどん」、
「カステラ」に「くじらベーコン」の切り落としなどもあります。

きょう日、名前だけを「切り落とし」と称して、中身はそれ相当に
質を落としたのがあるので、安いと思っても中身がよくわからない
ときは、サンプルとして1つだけ買ってみます。
中身を確かめ間違いないと思ってから、必要とする量を買います。
質のよい商品をできるだけ安い値段で買う・・・それも料理を作る
者の楽しみのひとつであります。
  
体脂肪の数値が気にかかるので、日ごろの食事には脂が多い肉類を敬遠しています。
それでも、無性にお肉がたべたいときがあります。レシピのような霜降り牛肉のときは、
脂の部分を丹念に取り除きます。パックの量目は300g、脂をとったら200gになりました。

材料
牛肉薄切り   4枚 200g 白い脂の部分を取りのぞく
ねぎ 3本 200g 白いところは斜めに、葉は6cmに切る
しいたけ 4枚 50g じくをとる
エリンギ 大 2本 100g 根元を6等分してたてに割く
ごぼう 1/3本 50g 長い目のささがきにして茹でる
あと、焼き豆腐、糸こんにゃくや、すき焼き麩
菊菜など好みの具材にしますが、煮る食材は
せいぜい3~4種くらいまでにします。

調味料
日本酒 1/2カップ 90cc
みりん 1/4カップ 45cc
濃口醤油 大さじ 5 30cc
さとう 大さじ 3 30g
このレシピだとけっこう濃厚な味になり、若者向きですが、
高齢な方でも、濃厚な味が好き・・・と言う人もいます。
1日3食、何でもかでも低脂肪・薄味に拘らず、メリハリをつけ
ご自分がお好きな味で、おいしくたべてほしいと思います。

その代わり、あとの2食は「熱量」と「塩分」を少ないものに
して、1日の食事のバランスをとればよい・・と思います。
とは言え、これはわたしの無責任な私見です。
栄養士の先生が、どのように仰るかは分かりません。


作り方
牛肉を煮る時は、すき焼き鍋のような鉄製の厚手の鍋がよい。
フライパンのような薄手の鍋は、熱の回りが早くて不向きです。
牛肉を煮るときは、1枚づつほんとうにサッと煮にする。
肉の色が変わり始めたら、裏返し一呼吸置いて引き上げます。
お肉のピンク色が残るくらいの、煮えばなを食べるのがBest。

肉の横に、茹でたささがきごぼうと椎茸を置いて一緒に煮る。
肉を引き上げたら、エリンギとねぎ入れて煮る。

煮汁でが残ったら、糸こんにゃくを絡めて煮てもよろしいし、
焼き豆腐もよし、煮汁を吸い込むが焼き麩もおいしいです。




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すしー春のばら寿司

2010年04月10日 | ご飯類
ばらずし=まぜずしをつくる

レシピは「春」を取りこんだ「ばらずし=まぜずし」です。
「すしのもと」を混ぜ込んだすしめしに、錦糸卵と「エビとエソ」で
作った「そぼろ」をのせ、その上に季節の魚と野菜をのせる・・・
具材が多いほど豪華になります。
今の季節・・・春の魚と言えば、魚偏に春の「さわら」が代表格です。
レシピの「ばらずし」には、さわらの幼魚「サゴシ」をつかいました。

「さわら」はスズキ目・サバ科に属し、成長するにともない名前が
変わる・・・「ブリ・ボラ」・・・などと同じ「出世魚」です。
40~50cmまでを「サゴシ」と呼び、50~60cmのものを「ナギ」と
言い、60cm以上になると「サワラ」になります(出典・Wikipedia)。

サゴシを3枚におろした上身に振り塩をして、酒酢(酒と酢を半分
づつ合せたもの)に浸して、酢締めにしたのはおいしいものです。
これをそぎ切りにして、そぼろの上にのせます。

サゴシを使ったおすしで思い出すのは、岡山の「祭ずし」・・駅弁です。
「祭ずし」は岡山の郷土料理「ばらずし」を保存性のよいものに変えて、
すしめしに混ぜこむ具材をトッピングした「おすし」です。
酢で締めた「サワラ」と「ママカリ」、旨煮の「エビ」と「焼きアナゴ」に、
あとは酢レンコン・椎茸などの野菜がところ狭しのったおすしです。

年に一度、家族全員で山口の実家に帰るときの新幹線での弁当は、
岡山駅の「祭ずし」と決めていました。
車で行くようになってからは、山陽自動車道・吉備SAで食べました。
帰るときは、プラスティック製の重箱入り(3人分)を買い夕食にします。

今回レシピの「まぜずし」は、有り合せを使ったので「祭ずし」ほど豪華で
ありませんが、それでも満足できるおいしさでした。

「おいしい!」と言って食べてくれた家人に、「何が一番おいしかった?」
と聞いたら「サゴシ」と答えました。

関西地方のラジオで、俳優の「大滝秀治」さん吹き込みの「柿の葉すしは
やっぱりたなかだなぁ・・」と言うCMが流されています。
同じ口調で言うと、「ばらずしの具はやっぱりサゴシだなぁ」と思いました。
  
具材を一品づつ、別々の味に煮上げてすしめしに混ぜこみ、錦糸玉子とさかなのおぼろを散らして、
その上に酢れんこん、酢人参、さごしの酢締めとつくし、青味に塩ゆでした絹さやをおきました。
具材が多く、調味料などは紙幅の都合で省きますが、好みの具材を自分流にアレンジするのもよし、
レシピの具材全部を使わなくても、好きなものだけを混ぜ込んだり、別の具材を使うのも楽しいですね。


すしめし
すしのもと

すしの具の作り方
人参と蓮根
れんこん
にんじん
それぞれ薄切りして甘酢と出汁でさっと煮る。
半分煮えたころに火からおろし味を含ませる。
形の良い数枚をトッピング用に使う。
残りは、こまかく刻んですしめしに混ぜ込む。
さごしの酢締め
しめさばの要領でつくる。
出来合いのものでよい。そぎ切りして2枚のせる。
椎茸の旨煮
椎茸
つくし
先っぽのところを2㎝くらい、ゆでて甘酢に浸す。
絹さや
緑色の野菜を塩茹でして、両端を切り落とす。
錦糸玉子
錦糸玉子はここ
魚のおぼろ
白味の魚で作った出来合いの「そぼろ」をつかう。

具材を混ぜ込んでもりつけをする
すしめしに、すしのもとを万遍なく混ぜ込む、
えび焼きあなご、高野豆腐の旨煮をきざんだのを
まぜこむと、豪華になります。


盛り付け
ばら寿司をすし椀などの器に平らに、盛りつける。
その上に、錦糸玉子をすきまなく厚い目に散らす。
その上に、ピンク色のそぼろをいろどりよく振る。
酢れんこんと酢人参、椎茸の旨煮、絹さやなどを
上にのせて出来あがりです。多めにつくって残りを
翌日食べる・・・これが滅法おいしいのであります。
「ばら寿司」は作った当日より、1日経った翌日の
方がおいしいので、つくるときは多めにつくります。





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