男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

かつお昆布

2010年01月26日 | 魚介類
昆布の佃煮・・・しお昆布のレシピは、実山椒と煮た山椒昆布と、
醤油で煮詰めたしお昆布があります。
今回レシピのかつお昆布は、しお昆布にかつおをまぶしたかつお昆布
ですが、けずりかつおを甘辛く煮て、しお昆布とまぜあわせました。

レシピにも書いていますが、昆布もかつおも出汁をとったあとの、言わば
出汁がらを使いました。日々使う量は少ないので捨ててしまいがちですが、
ラップに包んで冷凍庫に保存しておき、量がまとまったら佃煮にします。
さくらえびと煮た「えび昆布」はつくりましたが、かつお昆布は初めてです。

先日、少人数の新年会を千里中央の、ホテルの中の和食料理店で行い
ました。人数は8~9人のこじんまりしたグループです。
いただいた品々は、老舗の料理店らしく、洗練されたおいしいお味でした。
中でも感心したのが、お終いごろに出された香の物の中の「かつお昆布」
でした。3~4枚の量でしたが、こういうのは少ないのがよろしいですね。

おそらくそのお店でたまった昆布とかつおとで作った「かつお昆布」だろうと
思いますが、それまでに食べた料理に、引けをとらないおいしさでした。

1月の中ごろに「からし明太子」を作ったとき、大量の昆布とけずりかつおの
出汁がらがあるのを思い出し、「かつお昆布」の製造にとりかかります。
レシピの調味料の分量は、作った後で思い出して書いたので、おつくりに
なるときは、味をたしかめながらととのえてください。

できあがりは、お店のものには足元にも及びませんが、まあまあの味と思い
ました。家人の評は「昆布の醤油味がもうちょっとあったほうが良い」でした。
料理屋さんの真似事・・・しかもはじめての試みで、家人に感心してもらえる
はずがありません。身の程知らずと思いました。    

ことしも生のたらこをたくさんいただいたので、めんたいこを作りました。普通のめんたいことからしめんたいこの2種つくります。
はじめに、生のたらこを選別します。1か所でもやぶれたところがあれば、はずします。全部で2キロ近くありましたが、良いのは
1.3キロ、やぶれたのは700gありました。めんたいこをつくるためには、多量の日本酒と良質のこんぶとかつお節が必要です。
めんたいこ作りに使った、昆布とけずり鰹の出しがらを利用したのがこのレシピです。捨てるものでおいしいおかずができました。

昆布を煮る
材料
だしこんぶ 200g  出汁をとったあとの昆布を、2㎝角に切る 
日本酒 2カップ
酢 小さじ 1/2
みりん 大さじ 3
醤油 1/4カップ
たまり醤油 大さじ 2
鰹まる 大さじ 1
作り方
なべに角切りした昆布と日本酒と酢・みりんを加え、弱火で煮る。
煮はじめは中火で、ふっとうしたら弱火にしてくっつりと煮込む。
(ふっとうしたら酢を加え、落としぶたをする・・・煮るのは30分くらい。)
昆布が充分柔らかくなってから、残りの調味料を加える。
煮汁が少なくなったら、別のなべに湯を沸かして湯煎にかけ、
はしでかき混ぜる。最後にお皿に移してレンジで水分を飛ばす

湯煎とは・・・なべ底を、直火にかけずにひとまわり大きなべに湯を沸かし、
煮物のなべを漬けて、お湯の熱で煮つめていくやり方です。
この方法は、時間はかかりますが焦げつく心配がありません。
さつまいもでつくるきんとんも、煮あがりに湯煎でしあげます。


削りかつおを煮る
材料
けずり鰹 150g  出汁をとった後の鰹を、包丁で細かく叩く 
日本酒 1/4カップ
みりん 大さじ 2
淡口醤油 大さじ 1
創味つゆ 大さじ 1
さとう 大さじ 1
作り方
なべに調味料全部をjれて煮た立たせて、かつおを加え弱火で煮る。
焦げつかないように、なべ底からしゃもじでこそげながら煮詰める。
煮汁が少なくなったら、昆布と同様に湯煎のあとレンジにかけます。

レンジにかけたこんぶとけずりかつおを、万遍なく混ぜ合わせたら出来あがりです。
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たらのムニエル野菜ソース添え

2010年01月25日 | 魚介類

たらの料理が続きますが、買い求めたたらは1尾2キロ弱のものでした。
値段は800円で、地元伊丹市の市場内の魚やさんで買いました。
中央市場との違いは、お願いすれば希望するとおりに捌いてくれます。
選んだたらは、腹をあけたら眞子が出てきました。さかなやの主人は
一握りの白子をおまけに包んでくれました。

1尾のたらを、じゃっぱ汁3回、昆布しめ1回、今回のムニエル1回、次回
のから揚げ1回と、計6回たのしみました。
一昨日のぞいたら、生のニシンが並んでいました。1尾300円でした。
冷凍庫に魚の在庫があるので、魚を買うな・・・との家人の厳命でしたが、
ニシンは私の大好物、しかも生のものとあれば見過ごすには忍びない・・
と言うわけで、叱られるのを覚悟で2尾買いました。


帰って、腹をあけたらとてもきれいで、1尾は眞子・・数の子と、1尾は白子が
入っていました。これは生姜醤油で煮つけにしました。

ところで「ムニエル」に戻ります。meuniere・・ムニエルはフランス語で魚の
料理法のひとつです。Wikipediaによれば、ムニエルとはムニエ(meunier・・
粉屋)の女性形だそうです。フランス語は女性名詞と男性名詞に別けられ、
たとえば、椅子は男性名詞で、テ-ブルは女性名詞といった具合です。

ムニエルと言えば舌平目・・・山口の家には出売りの魚屋さんがきましたが、
「れんちょう」=舌平目の山口弁・は必ずと言って良いくらい並んでいました。
この魚は当時、評価の低い魚で、言わば安い魚の代表でした。
ムニエルと言うしゃれた料理法を、売り方も買い方も知らない・・・煮魚にする
くらいしか知らないのだから、どうしようもありません。

「れんちょう」は煮ると、独特の臭いが出るので、それを人は嫌いました。
長じてこれがフランス料理に出る「舌平目」である・・・とききますが、すぐには
信じられませんでした。これまで「下司魚」とおもっていた魚が、急に高級魚に
変身したようにおもわれたからでした。

たらの皮つき上身をバターで焼いたムニエルに、野菜ソースをたっぷりとそえます。
野菜ソースはラタトゥイユの作り方とおなじです。使う野菜の材料はレシピにこだわらずに
好きなやさいを使ってください。ムニエルにするさかなも、タラにこだわらずお好きなさかなを
使ってください。さわらや鮭、あじなどもおいしいでしょうし、鶏肉のソテーも合うとおもいます。

ムニエルの材料
たらの半身 150g  2枚 バター 大さじ 1
しお・小麦粉 少々 白ワイン 大さじ 1
野菜ソースの材料
にんにく 1かけ マシュルーム 8こ
たまねぎ 1/2こ トマト 1こ
にんじん 3cm オリーブオイル 大さじ 1
パプリカ 赤 1/2こ ローリエ 1枚
ピーマン 1/2こ ブイヨン 1こ
ズッキーニ 1/3本 白ワイン 大さじ 2
作り方
野菜ソースを作る
にんにくはこまかくきざみ、トマトは2センチ角のサイコロに切る。
あとのやさいも大体2センチ角(にんじんは薄切りして)にします。
フライパンを火にかけてオイルとにんにくを入れて炒める。
にんにくの香りが立ったら、野菜全部を入れて炒め、オイルが
まわったらローリエとブイヨン、白ワインを加え中火で煮込む。
そのあいだにムニエルを焼きます。
ムニエルを作る
タラに薄くしおを振って、小麦粉をまぶしてはたきます。
白胡椒を使いたいときは、しおといっしょに振ります。
フライパンにバターを入れて中火にかける。
バターが熱してあわ立ったら、タラを入れて焼く。
タラを入れたら火加減を少し強くします
4~5分して、焼け具合を見てフライ返しで裏返す。
タラの身が、下から7分くらい焼けていたら大丈夫です
裏返したら、強火にして白ワインを入れふたをする。
蒸し焼きは1~2分、あまりしつこくやかないこと・・です
あたためたお皿に野菜ソースを盛りつけて、その上に
焼きたてのムニエルをのせてできあがりです。
レモンを添えてもよいし、パセリでもよろしい・・・お好きなものをどうぞ

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ポトフ・・西洋おでん6~7人前

2010年01月24日 | だし・調味料・スープ類

ポトフ・・と言う変わった名前の料理を食べたのは、昭和の37年のころです。
西暦で言うと1962年、大阪に転勤してからのことでした。
いっしょに食べた人が、何か変わったものを食べようと言うので同意します。
お金はその人が出すのだから、私からは異論はもちだせません。
とにかく味っけのない料理でした。今思うと塩味が物足りなかったのでしょう。
塩分をとることに鈍感な年ごろで、やたらと濃い味つけのものが好きでした。

わが家では、冬になるとおでんとポトフが定番料理になります。
どちらも、弱火で長時間煮込んだなべ料理です。
塩分が低いのはいっしょですが、食品成分には一長一短があります。
レシピを読んでいただくとわかりますが、ポトフは野菜の種類が多いのに比べ
おでんとの違いは、練りもの・とうふなど動植物のたんぱく質が多いことです。

今回レシピの分量は6~7人分としていますが、6人分として計算しますと、
熱量は@293kcal.たんぱく質20mg.カルシウム46mg.食物繊維5.9g.
塩分は2.4g.です。低カロリーなので、主食をパン類にしても大丈夫です。
あとたんぱく質、塩分もセーフですが、カルシウムが@46mg.で1食あたりの
必要量200mg.に遠く及びません(数値は熱量以外は食材100gあたりです)。

カルシウムをとるには、和風のおでんが優れていますが、おなじ練りものでも
つみれ・さつま揚げなら60mg.に比べ、ちくわ・かまぼこは20mg.前後です。
意外だったのは「かに風味のかまぼこ」でした。100gあたりのカルシウムは
120mg.ちくわの8倍、つみれの2倍もありました。

ポトフには、れんこん、ブロッコリー、かぶなども使います。れんこんは煮込む
ともっちりして、とてもおいしいです。あととうふの厚揚げもよろしいですね。
和風の食材なのに、洋風のポトフになじんで、おいしく煮上がります。
ここ2~3日暖かかったのが、明日から急変して寒い日が続くようです。
そんな日の夕食に「ポトフ」のなべをお試しください。

ポトフ(ポトフーとも言う)は西欧の家庭料理、原語はpot-au-feuでフランス語、「火にかけたなべ」を意味するそうです。
大ぶりに切り分けた牛肉やとり肉、ソーセージなどと、やはり大きく切った野菜をしお・胡椒でじっくり時間をかけて煮た
なべ料理です。肉はすね肉かもも肉など脂のない肉に塩をまぶしてひと晩おいたのを、圧力をかけて煮たのがベース。
これに、だいこん、にんじん、たまねぎは圧力をかけて煮ますが、あとの野菜は圧力をはずして、とろ火で煮込みます。
  

材料
牛すね肉 400g しお7~8gを肉全体にすりこんで一晩おく
ソーセージ   中 5こ 120g 大きいものは5cmサイズに切る
たまねぎ   小 4こ 300g 皮むきして根と穂先を切りとって丸のまま
にんじん   大 1本 250g 皮むきして2センチ厚さに筒切りする
じゃがいも   中 5こ 300g 皮むきしてそのまま切らずにつかう
だいこん   中 1本 300g 皮むきして3センチ厚さの半月に切る
エリンギ   大 3本 150g 3cmの筒切り
セロリ   大 2本 150g 4cmの長さに切る
芽キャベツ     10こ 150g 根元をきれいにする
パプリカ   中 1こ 120g 4つ割りに切って半分に切る
日本酒 180cc
ローリエ      2枚
マギーブイヨン      3こ  12g
白ワイン 180cc
作り方
ひと晩おいたすね肉の水分をペーパーでふきとって、4cm角に切る。
圧力鍋に日本酒とすね肉を入れて火にかけて、30分~1時間煮る。
すね肉が、まだ少しかたいくらいのところで火を止める。
芽キャベツ・パプリカ・じゃがいも以外の材料を全部なべに入れ、
中火より弱目の火にかけ(圧力をかけずに)30分くらい煮込む。
芽キャベツ・パプリカ・じゃがいもは、しお一つまみ加えた熱湯で
別々に茹でる。芽キャベツとじゃがいもを鍋に加えて煮込む。
パプリカは、ポトフを食べる直前に鍋に入れる。

なまえはしゃれていてもおでん鍋ですから、気楽につくります。
レシピは芽キャベツなどを別にゆでてあとで加えましたが
これにこだわることはありません。
じゃがいもを後入れしたのは、煮崩れてスープがにごるのを
防ぐためなので、これもこだわりません。
食べるときには、粒マスタードを添えます
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タラの空揚げ野菜あんかけ

2010年01月18日 | 魚介類
タラシリーズの最終です。№188「タラのマリネ」と合せ5つのレシピです。 
津軽三味線の講釈もこれでおしまいにします。
代表曲「津軽じょんがら節」も「じょんから」とにごらないのが正当と言う説が
あります。その元唄についても三つの説があります。


その一つは、今の新潟から流れてきた説・・新潟の「ごぜ」と呼ぶ女性から
伝わった・・・と言う説。
二つ目は、黒石市・浅瀬石川の「上河原・・・じょうかわら」を起源とする説、
「じょうかわら節」が転化して、「じょんから節」になった・・・と言う説。
三つ目は、幕末のころはやった「チョンガレ節」から出たという説です。

津軽三味線は、「坊様」と言う盲目の男性がはじめた、「物乞い」の芸から
始まりました。
「坊様」はぼさまと呼び、4日で学校がイヤになった「高橋竹山」は「ぼさま」の
あとにくっついて歩き回ったそうです。
坊様は座頭とかホイドと呼ばれました。ホイドは本来は祝詞人・・ほぎびと・・
ですが、これが乞食の代名詞になります。
わがふるさとの山口でも、乞食のことを「ホイト」と呼んでいました。

この「ほぎびと」と呼ばれる遊芸人たちは、門付(かどづけ)をして、日々の
糧をかせぐのでした。
わたしが中学生のころまでは、門付は来ました。大抵は三味線弾きでした。
来れば当時で10円くらいをあげていました。毎日何組も来るので、終いには
「お通りなさいませ」といって、金銭を与えないで済ませることもありました。

竹山も「お通りなさい」を、ずいぶんやられたのだろう・・と思うと切なくなります。
竹山がNHKに出演したとき、これまでの人生でつらかったこと、楽しかったこと
について聞かれたときの竹山のこたえです。
「つらかったことはわすれません。たのしいことは忘れました」・・・でした。
竹山のこれまでの人生が、いかに過酷なものであったか・・を思うことばでした。
文中に、差別語がありますが、お許しください。 

タラは淡白なあじでくせがなく、さかなのにおいもきつくなく、ほねも柔らかいので、小さな子どもに
うってつけの食材といえましょう。子どもは「ムニエル」をいちばん好みますが、から揚げも好きです。
前作のムニエルには野菜ソースを添えましたが、空揚げには野菜あんをかけました。 野菜あんが
きらいな子には、細切りしたじゃがいもの素揚げ・・フライドポテト(大抵の子どもが好きです)にします。


空揚げの材料
タラの上身 200g    4切れに切って小麦粉をまぶす
小麦粉 少々
揚げ油 適量
あんかけの材料
にんじん 5cm    細く繊切りにする
乾ししいたけ 2枚    戻して細く切る
えのきだけ 1/2パック    根元を切る
白ねぎ 1本    5cmの斜め切り
白菜のじく 2枚分    長さ5cm、1cm巾に切る
ほうれんそう 5枚    じくのところを5cmに切る
ピーマン青・黄 各 1/3こ    5~6ミリ巾の細切り
ごま油 大さじ 1
出汁 120cc
淡口しょうゆ 大さじ 1
片栗粉 大さじ 1    大さじ3の水に溶く
タラのから揚げをつくる・・・野菜あんができてから揚げる
揚げ油が180℃くらいの温度でゆっくりと揚げる。
タラは余分な粉を刷毛で落としてから、油にいれる。
油に入れたら、はしでさわらない。
チリチリ言い出したら、はしでつまんでみる。
はしのさきからチリチリ振動が伝わればOKです。
うつわに盛りつけて、熱い野菜あんをかける。
野菜あんを作る
広口のなべを中火にかけてごま油を入れ、熱くなったら
にんじん、しいたけ、ピーマンを入れて強火でいためる。
次に白菜とほうれんそうのじくを入れてざっくりといため、
最後にえのきだけを加え、出汁と淡口を加えて味見する。
足りない味をととのえ、水溶きかたくりを入れてよくまぜる。
片栗が煮えてとろみがついたらできあがり。
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タラの昆布しめ

2010年01月14日 | 魚介類

たらの昆布じめは、弘前の津軽三味線演奏の居酒屋さん「杏」で
いただきました。レシピはそのときの味を参考にしてつくりました。

ところで、津軽三味線の代表曲はご存知「津軽じょんがら節」です。
この曲を世界に広めた一番の功労者は「高橋竹山」その人です。
竹山は、今年生誕100周年を迎えます。

竹山は3才のころ病気がもとで視力をうしない、学校でいじめにあい
入学から4日目には登校しなくなり、そして三味線の世界に入ります。
16才のころから門付(かどづけ)を東北・北海道でおこないました。
門付とは、家々の門前で三味線などの遊芸を行い、少しの金銭を
貰うことを言います。何も頂けない家もあり、乞食に近い境遇でした。

北島三郎の「風雪流れ旅」はこのころの竹山がモデルといいます。
厳寒の北海道で、食べるに事欠き行き倒れになりそうになりました。
このとき当時の朝鮮の人から食物を恵まれ、一命を助けられました。
竹山はこのときの恩義を、後年韓国演奏旅行の形でお返しをします。

76才のときアメリカ公演をします。辛口で鳴るニューヨークタイムスは
「まるで魂の探知機ででもあるかのように、聴衆の心の共鳴音を
手繰り寄せてしまう。名匠と呼ばずして何であろう」と最高の賛辞を
おくりました。

今回の旅では3回演奏を聞きました。宿泊先の「いわき荘」と弘前の
三味線酒場「杏」、青森市の物産館で、3回とも30分の演奏でした。
曲目は津軽5大民謡「じょんがら節」「小原節」「よされ節」「あいや節」
「三下り」ですが、3回ともこの5曲の演奏でした。


わたしも家人も津軽三味線を聞くのが大好きですが、それでも30分も
聞けば充分で、これはクラシックのコンサートに似ていますね。
そう言えばかの第5番「運命」が31~33分、「新世界」、第九「合唱」
が40分そこそこ、いくら好きでもこのあたりが限度なんでしょうね。
  
さかなを昆布じめすると、魚に昆布の味がうつって、さかながおいしくなります。もう一つの働きはさかなの余計な
水分が昆布に吸いとられので、さかなの身が締まって匂いも吸い取られて、生のものよりグンとおいしくなります。
大抵のさかなは、昆布締めすると生まれ変わったようにおいしくなりますが、タラはその最たるものとおもいます。
タラは淡白なうえに水っぽいので、生のままのお造りより、昆布の味を足して水分をとる、むかしの人の工夫ですね。  


材料
タラの上身 半分
出汁昆布 40センチ
日本酒 大さじ 2
しお 少々
酢 少々
かげん酢・かげん醤油
材料
淡口 大さじ 3
出汁 大さじ 3
出汁がなければ煮切った酒と水同量を合せる
酢 小さじ 2
さとう 小さじ 1/2
作り方
タラの下こしらえをする
タラの上身の上半分をつかう。
皮を剥き小骨を指先でさぐり、毛抜きでぬきとる。
骨をぬいたタラにうすくしおを振る。

出汁昆布の下こしらえ
出し昆布を布巾で拭いて汚れをとり、半分に切る。
水大さじ5と、酢を大さじ3を合せ酢水をつくる。
出汁昆布を酢水にくぐらせて、引き上げる。
これを2~3回くりかえすと、しっとりした昆布になる。

タラを昆布でしめる
昆布を広げ、その上にタラをのせ昆布を着せる。
そのうえにかるい重石をして一晩おく。
昆布をとって2.5㎝角に切りそろえて、盛りつける。
写真の青みは壬生菜、ほかに春菊などをつかう。

かげん酢の材料を合せてよくまぜて、小皿に入れて供する。

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たらのじゃっぱ汁

2010年01月13日 | 魚介類

昨年の12月、青森に旅して来ました。行き先は弘前市のはずれ、
津軽の霊峰「岩木山」のふもとにある国民宿舎です。

「アソベの森 いわき荘」・・百沢温泉の中にある温泉宿です。

いわき荘は公共の宿ながら質の良い宿である・・温泉の質、宿の設備、
接客サービス、食事の内容など実に肌理細かい配慮があって良質・・
との「評」を新聞で読みました。5年前のことです。

今回泊まってみて、「評」が間違っていないことをたしかめました。
・・・5年間、ずっと続けていたんですね。

津軽に行きたいわけの二つ目は、津軽三味線を現地で聞くことでした。
弘前市の中心地に三味線演奏する「杏」と言うお店があって、津軽の
郷土料理をいただきながら、三味線の演奏を聞く・・・これが二つ目です。

三つ目は日本海側の「鯵ヶ沢」にある「イトウ」の養殖場を見学することと、
その「イトウ」の料理を食べることでした。
「イトウ」は今回はだめでしたが、三味線は堪能してきました。

「杏」と言うお店は8年も前の「食」の雑誌で知りました。そこで毎晩津軽
三味線の演奏があると書いてありました。演奏するのは小山内薫とあり、
いまでもその人が演奏しているのか・・・と気になりました。
ネットで調べたら、彼の演奏日が書いてあり、その日市内に泊まりました。
雑誌に紹介された時は22才、今は30才でその分、芸も深まりました。

レシピの「タラのじゃっぱ汁」は「杏」でいただきました。恰幅の良いあるじ
が暖かい雰囲気の方でして、8年前の雑誌の「評」のとおりでした。
タラのじゃっぱ汁はそのとき食べました。タラの昆布しめもいただきました。
№208は「タラのじゃっぱ汁」ですが、№209は「タラの昆布しめ」です。
他人様の料理ですがおいしいものは、皆さんにご紹介したいですね。
  
寒くなって「タラ」がおいしくなりました。タラは捨てるところが少ない経済的な魚です。三枚におろした
あとの頭、中骨、内臓をぶつ切りにして、だいこんなどの野菜と煮込んで「じゃっぱ汁」してたべます。
内臓のうち、白子なら別にとっておいてポン酢でいただきますが、真子、きも、胃袋がおいしいです。
タラは淡白な味の魚なので、こんぶでとった出汁で煮込むとよりおいしく仕上がります。


材料
たらのアラ 260g 1尾からとれたアラは780g、3回にわけて食べました
だいこん 3cm 皮むきして5ミリのいちょうに切る
にんじん 3cm 皮むきして5ミリの半月に切る
水 500cc
出し昆布 10cm 水に一晩つけてつけだしをつくる
味噌 大さじ 2 赤味噌がよく合います
蕗のとう 少々 汁の吸い口に・・
作り方
昆布のつけだしを弱火にかけて、ゆっくり出汁をとる。
80度くらいの温度になったら、弱火にして5~6分置く。
注意・・誤って火力を強めふっとうさせてはいけません。
昆布を引き上げ火力を強める(ここからはふっとうしてもOKです)。

たらのアラは一口大に切る(お店で切ってもらうとラクです)。
ふっとうした出汁に、アラとだいこん、にんじんを加え中火にする。
10分くらい煮込んで、野菜が柔らかくなったら味噌を加える。
味見して調えておわんに移し、吸い口にきざんだ蕗のとうをおきます。

じゃっぱ汁は、津軽地方の郷土料理のひとつです。
同じ郷土料理に「けの汁・・粥の汁」がありこの二つが津軽の
代表的な郷土料理とききました。


「けの汁」は小正月・・・1月16日に食べる料理で、大根などの野菜、
ぜんまいなどの山菜、大豆などの豆や昆布、こんにゃくなど多くの
食材をこまかく均等に切って煮込み、味噌で味つけした汁です。

「じゃっぱ」は「ざっぱ・・雑把」の意味で、さかなの頭や中骨、内臓などを
総称した津軽弁です。いわゆるさかなの「アラ」のことです。
タラは頭が魚体の1/3と大きいので、お店で切ってもらうとラクです。


内臓は肝臓・・きもと真子または白子(これは貴重品です)と胃袋をたべます。
捨てるのは「エラ」と「腸」と「にがたま・・胆嚢」くらいで全体の1割もありません。


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根菜と油揚げの煮物

2010年01月08日 | 野菜類
今日1月7日は、一年の息災を願って「ななくさがゆ」を食べる日です。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種の
若菜を、今年も家の前の田んぼで採集しました。
すずな、すずしろの「かぶ」と「だいこん」は畑でつくりますが、あとの5種は
自然に育ったのを採ります。

まいとしの行事ですが、5種の野草をそろえるのはむつかしいものです。
その年の気候によるのかも知れませんが、大抵何か一つが足りません。
「なずな」は1年おきに不作の年があって、さがすのに苦労します。
今年はどういうわけか、5種の野草がすんなりとそろいました。
それも姿・形がよく色目の良いものがとれました。


私ども人間にとっては、けっこう寒い日の多い年ですが、野草にとっては
育ちやすいのかもしれません。

レシピは、「ななくさがゆ」と同じように、お腹にやさしい煮物です。
紹介文にある「おおかましい」と言う言葉は、ふるさと山口の方言です。
荒っぽい、雑っぽいと言う意味にちかいことばです。

○○かましい・・・と言うことばは厚かましい、なまめかしい・・などありますが、
山口にはもう一つ「かかりがましい」と言うことばがあります。
すぐに因縁をつける・喧嘩っ早いの意ですが、言いえて妙・・・とおもいます。

おおかましいの語原はわかりませんが、たぶん「大きかましい」が変化した
のだろうと、勝手に解釈しています。
私自身は本来は「おおかましい」性格と思いますが、料理をつくるときだけは
ていねいに、綿密になります。人は好きなことをやるときはていねい、綿密に
なり、好きでもないときは大雑把になるのでしょうか。
誰でも、ていねいさと大雑把な二面を持ち合わせているのだろうと思いました。

今年も色んな料理のレシピをお送りします。どうぞ読んでやってください。
そして気に入ったのがあったら、作ってみてください。
  
レシピは家人の得意料理で、わたしが大好きな野菜料理です。作り方は家人からの聞き書きですが、
写真の野菜はわたしが切りました。彼女は、味つけは良いのですが、切り方が荒っぽく形状不ぞろいで
写真うつりが冴えません。ふるさと山口の言葉では、こういう(荒っぽい)のを「おおかましい」と言います。


材料
だいこん 1/3本 400g 皮むきして1.5~2㎝の短冊に切る
にんじん 1本 250g だいこんとおなじ
こんにゃく 1/3枚 100g 1.5cmの短冊(5㎜厚さ)に切る
あぶらあげ 1枚  20g 1.5㎝×3cmの短冊に切る
いりこ 15尾  10g 頭と腸を取って茶袋に入れる
調味料
オイル 小さじ 2 12g
日本酒 1/3カップ 60cc
みりん 大さじ 3 30cc
淡口醤油 大さじ 2 20cc
さとう 大さじ 2 16g
水 1/3カップ 60cc
作り方
鍋を中火にかけてオイルをいれて、こんにゃくを
から炒りする。
つぎにだいこんとにんじんを入れ、底からかきまぜて
よく炒める。

だいこんがしんなりしてきたら油揚げとさとうをを加え
日本酒とみりんをいれ強火にしてバアーッと炒める。
ここで酒とみりんのアルコールを飛ばす。

中火にして、いりこと水を加え、おとしぶたをして煮る。
5分くらいして弱火にして、野菜が柔らかくなるまで煮る。
最後に淡口醤油を入れて、全体になじませてできあがり。


レシピでお分かりのようにシンプルな煮物です。
具材もだいこんとにんじんが主役で、脇役はこんにゃくと油揚げです。
写真でお分かりのようにだいこんの白とにんじんの赤がきれいです。
醤油は淡口を使います。濃い口はだいこんが黒くなり色がさえません。


だいこんの味が実においしい煮物とおもいます。
だいこんがおいしい時季なので、いちどおためしください。
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お雑煮

2010年01月04日 | おせちシリーズ

今年もあと2日をのこすだけとなりました。今年はいろんな準備がうまく進んで
おせち料理も、いちばん面倒な「きんとん」と「ぶどう豆」ができあがりました。
自分で言うのは自慢めきますが、両方ともここ数年来の会心のできでした。
同じお金と労力と時間をかけて、出来、不出来があるのは、毎年のことです。

おせちは、前記ニ品のほか、紅白なます、お煮しめ、かずのこ、田作りです。
お煮しめは、しいたけ、れんこん、ごぼう、こんにゃく、にんじん、さといもを別々に
煮て、それにえびを煮て炊き合わせにします。青みは三度豆の塩茹でにします。

昨年までは、これにニシンの昆布巻き、酢レンコン、金柑の甘煮、かぶの三杯酢
に焼き鯛や、ぶりの照り焼きなどが加わりました。


お雑煮も車えびや、焼きあなごなど9品を使いましたが、鶏肉と水菜だけにします。
鶏肉は、さつま地鶏・・おいしいが硬いかしわの肉、脂身がほとんどありません。
もうひとつは、だいこんとにんじんで白味噌仕立てにします。

シンプルなだけに、お出汁はしっかりと、おいしい出汁をとります。
つけだしと言って、こぶといりじゃこ=いりこの頭と腸をとったのを、16時間水に
漬けてとります。時間がたって味見して、おいしければよろしいが、昆布もいりこも
一様でないので、もの足りない味なら、弱火にかけて味を引きだします。それでも
もの足りないときは削りかつおか、鰹まるを使うことになります。

ところで、関西では「おもち」のことを「あも」と言い「かちん」とも言います。
おもち入りの「うどん」「そば」を「かちんうどん」「かちんそば」といいますが、語源は
あもは「あんもち」の略だそうで、「かちん」は御所の女房ことばとききました。

かちんは「歌賃」とかき、そのむかし日照りを救うためある法師が、雨乞いの歌を
よんだところ、霊験があったので法師をお餅をついてもてなした、すなわち「歌賃」の
字を充て・・(辻嘉一著・味覚三昧より)とありました。

・・・この一年、拙いレシピをお読みくださいまして、ありがとうございました。
皆さま、どうぞ、良いお年をお迎え下さいますよう、お祈り申し上げます。
 
お雑煮と言えば、これまでは具たくさんにして来ましたが、寄る年波でシンプルなのにしょうと思いました。
ふたいろのお雑煮は、おすましとしろ味噌仕立てです。なんでもちかごろのお雑煮は具たくさんがはやり
だそうですが、それに逆行するかもしれません。シンプルなだけにお出汁はしっかりととりました。


共通の材料
だし:
こんぶ 20cm 15g
いりこ 30尾 15g いりこは頭と腸を取った正味です
水 1000cc
出汁はつけ出汁・・・水にこんぶといりこを16時間漬けてとります。
こもち:
1人分 小ぶりなもの 2こ
すましは焼きもち、しろ味噌仕立てはお湯でゆでます

若水菜とかしわのすましのお雑煮
材料
かしわ 80g 昔ながらのかしわ・・かたいので薄く切ります
若水菜 1株 タネまきから45日くらいの若水菜を使います
だし 400cc
酒 大さじ 2
淡口 大さじ 2
作り方
かしわは出汁と淡口でサッと煮ておく。
水菜はしお茹でして、ざるに上げ、3cmに切る。
出汁と酒と淡口で、吸いかげんのつゆをつくる。
そのあいだにおもちを焼いておく。
おわんに、焼きもちと水菜とかしわをおき、つゆをはる。
かしわと水菜を別々に煮るのはつゆがにごるのを防ぐためです。
こだわらなければ、出汁にかしわと水菜を一緒にして煮てもよい。


にんじんとだいこんの白味噌仕立てのお雑煮
材料
にんじん 5cm 60g 皮むきして5mm.の半月に切る
だいこん 4cm 100g 皮むきして5mm.の半月に切る
だし 400cc
しろ味噌 大さじ 4 100g
作り方
にんじんとだいこんを中火で柔らかくなるまで茹でる。
だいこんは、薄いしろ味噌のつゆで煮て下味をつける。
出汁を沸かせてしろ味噌を溶かし、つゆをつくる。
面倒なら、いきなり出汁で煮て白味噌を加えてもよい。
おもちを、お湯で柔らかく煮て、おわんにうつす。
だいこんとにんじんを加えて、熱い白味噌のつゆをはる。
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