世界の国語で表記が最も複雑なのは日本語であろう。確かに、中国語に用いる漢字の数は莫大
なものであるし、英語のスペルも決して合理的なものではない。アラブ語等の表記は母音を省くの
で読みづらい。が、日本語の表記のむずかしさは特別である。常識的に考えると、日本語を読め
る人は、エジプトの象形文字を読むことができる人と同様に、一握りの学者や僧侶に限られる筈
だが、何と1億以上の日本人が漢字、二種類の仮名、ローマ字等を平気で読んでいる。
以上、ドナルド・キーン著「日本語の美」より抜粋・・原文のママです。
「日本語の美」は1990年代に、中央公論の「今月の言葉」として24回、日本語で書いたものを冊子
にしたものです。本の「あとがき」は1993年8月・・とあり、日本語の何がそれほど難しいか・・と言う
と、漢字一つでも読み方が多様である・・とし次の一文を書いています。
「先日読んでいた本の中にこのような文章が載っていた。「〇〇という人は生々しく生きた人で
す。日常生活の中に生じることにたいして・・」何の欠点ない分り易い文章であるが、丁寧に読
むと、短い文章の中に「生」という字に四種類の違う発音があることに気がつく。」
「生」という字と同様に読み方が多いのが「日」・・「常陸山が草刈りに」・・は日の異なる読み方を
組み合わせたものです。仮名で書くと「「ひ」「たち」「やま」「が」「くさ」「か」「り」「に」で、全て「日」
の読み方です。この他にも「にち」「じつ」「び」「あき」「はる」「ひる」など、まだまだあると思います。
キーンさんは又、同音異義語について次のように書いています。
英語にも同音意義語はあるが数は少ない。それに対し日本語は多い。日本語を勉強している
アメリカの若者は、和英辞書に載っている同音意義語を漁って、なるべくおかしな文章を作った
ことがある。例えば成功と性交は面白い組み合わせであり・・中略・・日本語ほど洒落の可能性
のある言葉は先ずなかろう。が・・中略・・長野県更科郡と埴科郡の村が合併して市制を施行す
るようになった時、更埴市(こうしょくし)と名付けた市当局は音にかなり鈍感ではなかったかと
思う。西鶴がまだ生きていたらこの市名をどんなに喜んだことであろう。
更埴市はこの著書より後の2013年、近隣2町を合併し市名を「千曲市」としています。
お送りするレシピは「うどんすきのなべ」です。庶民の食べ物の「うどん」をシンプルな食材で安価
に仕上げました。寒い日の夕食にお楽しみ下さい。
うどんすきは大阪の名物・・具たくさんの豪華な鍋を連想しますが、鶏肉と牡蠣を具材に野菜
は白菜としめじ、あと京揚げを加えるシンプルな鍋です。三つ葉以外は、全部の材料を煮る・・
具材を継ぎ足して煮ずに、一度に煮るテマいらずの鍋です。ほっこりと温まるおいしい鍋です。
材 料
生うどん 1パック 120g ・・熱湯で5分ほど茹で、冷水でもみ洗いしてザルに揚げる
鶏もも肉 1パック 120g ・・一口大に切る
牡蠣 1パック 120g ・・水洗いしてザルに揚げる
かまぼこ 2/3本 80g ・・1㎝巾に切る
白菜 4枚 200g ・・4cm巾に切る
しめじ 1パック 80g ・・根元を切り落とす
京揚げ 1/2枚 50g ・・2㎝×3cmに切る
三つ葉 1把 30g ・・4cm巾に切る
餅 1こ 50g ・・7mm巾に切る
調味料
昆布出汁 5カップ 900cc
和風だし 1/2カップ 90cc
作り方
鍋に、茹でたうどんと白菜を中心に置き、鶏肉・牡蠣
牡蠣など、三つ葉以外を並べ、出汁を注ぎ入れる。
・・出汁は、昆布出汁と和風だし合せ一混ぜする・・
炊き始めは強火、フツフツし出したら中火にして、
全体が煮えてきたら、更に火を落とし三つ葉を加える。
この時点で、全部の具材に火が通っているので、好み
のものから器にとって食べる。
薄味にしているので、物足りない時はポン酢・紅葉おろし
などを添えて食べる。
具材は好みのものを・・魚介類なら車エビやはまぐり、
焼き穴子など、京揚げの代わりに湯葉や生麩などを
加えると、ぐんと豪華になります。
なものであるし、英語のスペルも決して合理的なものではない。アラブ語等の表記は母音を省くの
で読みづらい。が、日本語の表記のむずかしさは特別である。常識的に考えると、日本語を読め
る人は、エジプトの象形文字を読むことができる人と同様に、一握りの学者や僧侶に限られる筈
だが、何と1億以上の日本人が漢字、二種類の仮名、ローマ字等を平気で読んでいる。
以上、ドナルド・キーン著「日本語の美」より抜粋・・原文のママです。
「日本語の美」は1990年代に、中央公論の「今月の言葉」として24回、日本語で書いたものを冊子
にしたものです。本の「あとがき」は1993年8月・・とあり、日本語の何がそれほど難しいか・・と言う
と、漢字一つでも読み方が多様である・・とし次の一文を書いています。
「先日読んでいた本の中にこのような文章が載っていた。「〇〇という人は生々しく生きた人で
す。日常生活の中に生じることにたいして・・」何の欠点ない分り易い文章であるが、丁寧に読
むと、短い文章の中に「生」という字に四種類の違う発音があることに気がつく。」
「生」という字と同様に読み方が多いのが「日」・・「常陸山が草刈りに」・・は日の異なる読み方を
組み合わせたものです。仮名で書くと「「ひ」「たち」「やま」「が」「くさ」「か」「り」「に」で、全て「日」
の読み方です。この他にも「にち」「じつ」「び」「あき」「はる」「ひる」など、まだまだあると思います。
キーンさんは又、同音異義語について次のように書いています。
英語にも同音意義語はあるが数は少ない。それに対し日本語は多い。日本語を勉強している
アメリカの若者は、和英辞書に載っている同音意義語を漁って、なるべくおかしな文章を作った
ことがある。例えば成功と性交は面白い組み合わせであり・・中略・・日本語ほど洒落の可能性
のある言葉は先ずなかろう。が・・中略・・長野県更科郡と埴科郡の村が合併して市制を施行す
るようになった時、更埴市(こうしょくし)と名付けた市当局は音にかなり鈍感ではなかったかと
思う。西鶴がまだ生きていたらこの市名をどんなに喜んだことであろう。
更埴市はこの著書より後の2013年、近隣2町を合併し市名を「千曲市」としています。
お送りするレシピは「うどんすきのなべ」です。庶民の食べ物の「うどん」をシンプルな食材で安価
に仕上げました。寒い日の夕食にお楽しみ下さい。
うどんすきは大阪の名物・・具たくさんの豪華な鍋を連想しますが、鶏肉と牡蠣を具材に野菜
は白菜としめじ、あと京揚げを加えるシンプルな鍋です。三つ葉以外は、全部の材料を煮る・・
具材を継ぎ足して煮ずに、一度に煮るテマいらずの鍋です。ほっこりと温まるおいしい鍋です。
材 料
生うどん 1パック 120g ・・熱湯で5分ほど茹で、冷水でもみ洗いしてザルに揚げる
鶏もも肉 1パック 120g ・・一口大に切る
牡蠣 1パック 120g ・・水洗いしてザルに揚げる
かまぼこ 2/3本 80g ・・1㎝巾に切る
白菜 4枚 200g ・・4cm巾に切る
しめじ 1パック 80g ・・根元を切り落とす
京揚げ 1/2枚 50g ・・2㎝×3cmに切る
三つ葉 1把 30g ・・4cm巾に切る
餅 1こ 50g ・・7mm巾に切る
調味料
昆布出汁 5カップ 900cc
和風だし 1/2カップ 90cc
作り方
鍋に、茹でたうどんと白菜を中心に置き、鶏肉・牡蠣
牡蠣など、三つ葉以外を並べ、出汁を注ぎ入れる。
・・出汁は、昆布出汁と和風だし合せ一混ぜする・・
炊き始めは強火、フツフツし出したら中火にして、
全体が煮えてきたら、更に火を落とし三つ葉を加える。
この時点で、全部の具材に火が通っているので、好み
のものから器にとって食べる。
薄味にしているので、物足りない時はポン酢・紅葉おろし
などを添えて食べる。
具材は好みのものを・・魚介類なら車エビやはまぐり、
焼き穴子など、京揚げの代わりに湯葉や生麩などを
加えると、ぐんと豪華になります。