男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

いりこの出汁がらを煮る

2010年04月29日 | 魚介類

昆布にしろ、けずりかつおにしろ、また、いりこ=いわしの煮干しにしても、
出汁をとったあとの出汁がらは、捨てないで活用します。昆布とかつおの
出汁がらで作った「かつお昆布」は、№213でお送りしました。
今回は、いりこ・・それも片口いわしの煮干しの出汁がらを煮たものです。

高校2年の冬、母親が「選挙事務所のまかない=飯炊き」をした時のこと、
毎晩のように「いりこの出汁がら」を、大きなざるに一ぱい貰ってきました。
これを、二つに割いて、頭と腸と中骨を丹念に取り除いて、甘辛く煮つけ
ました。作り方は醤油とほんの少しのさとう、それにきざみ生姜で煮ました。
これが大変においしかった・・・以来いりこの出汁がらは捨てません。

このときは「真いわし」のいりこでしたが、レシピは「片口いわし」のいりこを
使いました。「真いわし」はおいしいが、身がやわらかいので煮くずれして
モロモロになりやすい、「片口いわし」なら身くずれもなくきれいな一品料理
になります。みみっちい、けちくさい「レシピ」と思われるかも知れませんが、
日本料理は「食材」をとことん使い切るので、捨てるものが少なくなります。

野菜を茹でるのも、同じ湯を使い回す、はじめに「だいこん」を茹で、つぎに
「にんじん」を茹でる、その後アクのない「青野菜」を、「ほうれんそう」のよう
に色がサッと出てくるものは、最後に茹でる(辻嘉一著・辻留ご馳走ばなし
より)とあります。日本料理はいまで言う「エコ」の真骨頂と思います。

出汁については、初代吉兆の湯来貞一さんは「日本料理の基本は出汁に
ある」と「吉兆味ばなし」に書いています。我が家の台所にも「出汁のもと」が
ならんでいますので、ちょっとばかり反省させられました。

きょう日、いわしの煮干や、昆布、けずりかつおなどで、出汁をとるお家も少なくなりました。
レシピは、いりじゃこ・・いわしの煮干・・・の出汁がらを甘辛く煮つけたもので、料理と言える
ような「しろもの」ではありませんが、わたしにとっては幼い頃のなつかしい味のおかずです。
 
材料 
いりこの出汁がら 15尾  30g    あたまと腸と中骨をとると20gになる
日本酒 大さじ  2
みりん 大さじ  1
醤油 大さじ  1

<作り方/font>
いわしの煮干の「いりこ」から出汁を
とるときは、いりこの背中に親指の
つめを立てて、半分に割く。
頭と、腸と中骨をていねいに取り除く。
気をつけないと、中骨が親指の腹に刺さるとなかなか抜けません。

出汁をとるのは「漬けだし」と言い、昆布といりこ
の身だけを水に入れて12時間~16時間おく。
今の時節なら常温でもよろしいが,気温が20℃
以上になる時節には、冷蔵庫に入れる。

「漬けだし」は昆布といりこを水に一晩漬けるだけ。
味噌汁や煮しめなどに、最適な出汁になる。

「出汁がらを煮る」・・・はこれからが本番
いりこの出汁がらを、調味料を煮立たせた中に入れ
少しの間煮て味を含ませるだけ・・・の料理です。

温かいご飯にのせてたべると、実においしいし、
酒の肴にも向きます。食感はもともとが煮干なので、
歯ごたえのある硬さです。

たかが「いりこ」、されど「いりこ」・・しかも出汁がら・・。
それを工夫して、面倒がらずに手を加えれば、おいしい
一品ができあがります。
いちどお試しください。






コメント
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