京都から来た娘が夕方になって帰るという、帰りに食材を買って子供達の夕食を用意する
というので、買い置きの「猪肉の切り落とし」1パックと、手製の合せ味噌を持ち帰らせます。
「猪汁=レシピ№778」なら手早くできると思い、レシピと一緒に持たせました。猪汁を食べた
孫たちは「お肉も美味しかったが味噌の味が抜群だった」と喜んでくれました。
その合せ味噌の在庫が心細くなったので、数種類の味噌やもろみなどを集め「合せ味噌」
を仕込みました。気温が高いと味噌の熟成が進むので、今は仕込みするに良い時季です。
味噌の選び方は、産地が遠いのを選ぶと良い・・と聞いたので、仙台・岡崎・信州・丹波の
豆味噌、米味噌を適当に合せました。
これに醤油こうじ、醤油もろみ、たまり醤油を加え、作り置きの合せ味噌も1カップ加えます。
毎年6月ころと、1月の寒に仕込みますが、味噌の銘柄はその時の気分次第です。と言って
も岡崎の八丁味噌は必須、あと「醤油もろみ」や「醤油こうじ」も必要です。生姜と実山椒を
加えるのは風味を増すためで、これは私流の好みです。
二つ目のレシピ「豆腐よう」は昨年8月に仕込んだもので、2月頃から少しずつ食べています。
泡盛と糀の匂いが強烈で、味はクリームチーズとウニの塩辛に似ていて酒の肴に最適です。
この上ない珍味ですが欠点は「一般的でない」のと「値段が高い」こと・・3㎝大4つが800円
前後で一つ200円。これを「つまようじ」で1ミリずつ削って食べるんです。
主材の沖縄の固い「島豆腐」は入手困難なので「固豆腐」で代用、紅麹も食紅を代用します。
作り方もネットで手探りし、8月に仕込んで1月中ごろに試食しました。本場物と食べ比べして
いませんが、それらしい味になりました。それを3人の息子に試食させると、一人は1ミリだけ
たべて「ご馳走さん」と言う、二人目は匂いだけでNG、3人目だけが「旨い!」と言いました。
珍味ながら一般的でない・・琵琶湖の「鮒ずし」と同じ値段が高いのも同類項です。鮒ずしは
材料の鮒が希少で高価なのは納得。ところが「豆腐よう」は主材が豆腐なので「どうして?」
と疑問でしたが作ってみて分りました。漬けこむ「泡盛」が高い・・本来は40度の泡盛を使うと
聞きますが私は30度ので我慢、それでも2丁の豆腐漬け込みに5千円ほどかかりました。
それだけかけて失敗したら元も子もない・・出来あがりまでに半年もかかる「リスキー」なもの
です。同じ5千円かけるなら「合せ味噌」がお奨め・・失敗なくできて時がたつほどおいしくなる
・・味噌汁が好きな方にお試し頂きたい味噌です。
合せ味噌を作り始めたのは20年ほど前、その頃数人の仲間で佐用町に家1軒を借りて月に
1度合宿し野山で遊びました。現地は猪肉の産地・・猪肉のぼたん鍋をよく食べますが、この
鍋の調味料に、我流で合せ味噌を作りました。以来我が家では合せ味噌を作り続けています。
材 料
赤みそ 二種 1300g ・・八丁味噌赤出汁と丹波赤味噌
仙台味噌 500g
信州味噌 二種 1300g ・・山吹と2年熟成味噌
醤油もろみ 1パック 200g
醤油こうじ 1カップ 250g ・・自家製
たまり醤油 1/3カップ 60cc
実山椒 大さじ 2 30g ・・冷凍2年物
生姜 3㎝ 30g ・・みじん切り
作り方
全部の味噌を一度に混ぜるより、1キロほどを
混ぜ合わせ、あと500gほどを加えて混ぜる。
醤油もろみ、醤油こうじ、たまり醤油、実山椒、
みじん切りの生姜も途中で加える。
混ぜる道具は、円形の器と泡立て器がベスト。
底からグルグル混ぜると、全体がムラがない。
器のまわりについた味噌を、きれいにふき取り
クッキングペーパーを器の形に合わせて切り、
味噌の上にすきまなくかぶせてふたをする。
常温で保存して10日に1度ほど、器の底から
良く混ぜる。
夏季、気温が高くなると、かびが発生するので
混ぜる頻度を増やして、カビを防ぐ。
寝かせる期間は、夏季なら3か月、秋から春に
かけては4~5か月寝かせる。
仕込みの時は固目だが、熟成が進んで緩めに
柔かくなってからがおいしい。