男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

ゆず三題

2009年12月25日 | 野菜類

ここ数日はたいへん寒い日が続いています。そんな中、畑の作業を
するのは勇気が要りますが、雨が降らないかぎりはたけに出ます。
風邪引きの予防には、ホットカイロを3枚つかいます。
2枚は背中に2か所、1枚を下腹にはりつけます。こうすると少々寒い
日でもあまり苦になりません。

通りすがりの方から「お寒いのに精が出ますね」と声をかけられますが、
当の本人は案外と寒さを感じないものです。

先日、作業中になにか体調がおかしいと感じて、早々と家に入りました。
血圧を測っても平常でしたが、そのうちくしゃみと鼻水が出はじめました。
キケンを感じてしょうがをすりおろして、蜂蜜をたっぷりと入れた生姜湯を
作って飲み、あとひたすら体を温めました。これが効いたのか恐れていた
風邪引きはまぬかれました。

「ゆず茶」「しょうが茶」は風邪の引き始めに効くと聞いていたので、ゆず茶
を作ろうと思い立ちます。友だちの方から頂いたゆずがたくさんあるので、
それをつかいました。「ゆずの皮の甘煮」を辻嘉一さんの料理の本で読んだ
ことがあり、ゆず茶と甘煮の二つを作り始めます。搾りかすと白い皮が沢山
残りました。これを捨ててしまうのはもったいないと思い、マーマレードを作る
要領でジャムを作ったら、思った以上においしく出来上がりました。

白いところしか使わないので、できあがりは「りんごジャム」のように見えます。
翌日食べたら少し苦味を感じました。あともう1~2回茹でこぼすか、さとうを
多めにしたら良かったかな・・・と思いました。
この作業で一番手間がかかるのが、白い皮の部分をすきとるのと、黄色の
皮をほそく切ることでした。手間はかかりますが風邪引き予防の妙薬を作る
と思って、挑戦してみてください。 

Tさんからたくさんのゆずが送られて来ました。ことし2回目です。きれいなゆずで今日は冬至の日とはいいながら
風呂にいれてしまうのはもったいない。そう考えてつくったのがこの三品です。つくり終えたころ5才の孫がきました。
「ゆずのにおいする」といい食べたいというので、ジャムと皮の煮たのを出したら「おいしい」とお代わりをしました。


1品ごとの分量は省きますが、ゆず600g(うちタネ60gは捨てました)とグラニュー糖400gを使いました。

ゆずの下ごしらえ
ゆずを水洗いして、横二つに切って、タネをとりだします。
タネをとったら果汁をしぼり、果皮と果肉をスプーンでとり出します。
皮を6等分か8等分に放射状に切り、白いところを薄くそぎとります。
白い部分は、ゆず茶用は全部をとり、さとう煮用はすこしのこします。

1ゆず茶
ゆずの皮の黄色いところと、果汁・さとうでつくります。
黄色のゆず皮は、1ミリ巾の半分くらいの細い繊切りにします。
きれいな空き瓶にさとうをいれ、きざんだゆず皮を入れます。
その上にさとうをいれ・・・という具合に積みあげて、おしまいに
たっぷりさとうを乗せて、果汁を注ぎます。
常温で2週間くらいしてからが、たべごろになります。
できあがったら、あついお湯に入れていただきます。
2ゆず皮の砂糖煮
白いところ全部をとるより、少しのこして2~3回茹でこぼしてから
さとうで煮ます。ゆず皮の苦味がのこりますが、この方が野趣が
あっておいしいと思います。苦いのがにがてなら、もう1~2回
茹でてからさとう煮にするとよろしいでしょう。
 
懐石料理の一品ですが、お茶受けにもピッタリのお味です。
3果肉と薄皮のジャム
果汁を絞った果肉と、黄色い皮からすきとった白い皮を使えないものか、
そう思ってつくってみたら、案外のおいしさでした。
果汁の絞りかすは、薄皮といっしょに包丁で叩いて、こまかくきざみます。
白い皮は、たっぷりのお湯で茹でてざるにあげ、また茹でなおします。
2~3回くりかえすと苦味がなくなりました。
両方を合せてなべに入れ、グラニュー糖を加えて中火で煮ました。
煮詰まったころがころあいで、パンのおかずにはうってつけです。
これは甘すぎないようにあっさりと煮て、一度にたっぷりと食べます。
作りたてのおいしいうちに食べきるのが一番、残ったらおいしくなくなります。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さつま揚げと冬菜の炊きあわせ

2009年12月23日 | 野菜類
今年もあと10日をのこすのみとなりました。
なんとなく気ぜわしくなりますが、気ぜわしいときに簡単にできる
おかずに「さつま揚げの煮物」をつくりました。

さつま揚げの親類みたいなのに、「ごぼう天」があります。
おでんのタネに使う練りものですが、学生のころの弁当のおかずの
定番でした。ごぼう天1本を五つくらいにななめに切ったのを、醤油と
さとうで甘辛く煮て、それをおかずに1合近くのごはんのおかずにして
食べる・・いま考えると、質素なおかずでしたが、当時はご馳走でした。

貧しくてごぼう天が買えないときは、ご飯の上に削り節をパラパラッと
振りかけ、醤油をたらすだけの時もありましたがそれでもおいしかった、
みじめとは思いませんでしたね。今どきこんなものを食べさせられたら、
ダイエットならともかく、猫の子でもあるまいにと不満に思うことでしょう。

そんなことを思いながら、食べるさつま揚げの煮物は、存外においしく
いっしょに食べた家人も「おいしい!」と言いました。
忙しい日のおかずの参考になさってください。
  
夕食のおかずに何か一品ほしい・・・と言うときに、手早くできておいしい煮物です。
冬菜というと小松菜が代表格ですが、いまごろ取れる青菜の野菜なら何でもおいしいですね。
畑には壬生菜が大きく育ていたので、それを使いました。小松菜はタネをまいたばかりです。

材料1
さつま揚げ 6こ  180g
醤油 大さじ   2
さとう 大さじ   2
酒 大さじ   2
水 1/4カップ
材料2
壬生菜 1株  200g
水 半カップ
鰹まる 小さじ   1
淡口醤油 小さじ   1
酒 大さじ   2
作り方
さつま揚げを煮る
さつま揚げに熱湯をかけて、油抜きする。
鍋に水と調味料全部を入れて火にかけ、沸き立ったら
さつま揚げを入れて煮汁が少なくなったら出来あがり。
壬生菜のサッと煮をそえます。

さつま揚げのほか、かまぼこなど魚肉の練りものや、厚揚げを
煮てもおいしいおかずになります。

壬生菜のサッと煮
壬生菜は5~6センチの長さに切る。
鍋に水と調味料全部を入れて火にかけ、沸き立ったら
壬生菜を入れ、全体に火が通ったらできあがり。


壬生菜の代わりに、小松菜、水菜、しゅんぎくなどの葉っぱの
野菜なら大抵のものがOKです。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

べったら漬

2009年12月23日 | 野菜類

だいこんの千枚漬けに続いて、べったら漬けをつくりました。
たくあん漬け、割り漬け、千枚漬けに続きだいこんを多用するのは、
畑から取れるだいこんを使うためです。

秋口から初冬にかけて3種類のだいこんのタネをまきました。
漬物用の「秋まさり」、煮物用の「源助だいこん」、年越し用の「二年子
だいこん」の3種類です。「秋まさり」は今たくあんに漬け込み中です。

源助はまだ畑に残っていますが、もう抜き取らないといけません。
大根は最盛期になるとそれまで寝ていて葉っぱが、グンと立ち上がり
抜いてくれと言わんばかりの姿になり、見ていても良くわかります。

この時季を放っておいたら、スができたり、割れ目が出たりします。
割れ目ならまだしも、スができたらもうだめです。

だいこんを冬に漬け込むのは、だいこんの最高においしいときに収穫
して漬け込む・・・昔の人の知恵だったのだろうと思います。

べったら漬けは初めて作りましたが、程々においしく漬けあがりました。
漬けはじめから12日間かかりますが、お正月のあと食べるつもりで
つくってみてください。  

 糀を使ってつくるつけものはなすのからし漬けと、かぶと塩ぶりでつくるかぶらずしをつくったことがあります。
べったら漬けは初めてで、作り方を見ながら漬けました。昆布を入れるのを忘れましたがまずまずの味でした。
 

材料
だいこん 3キロ 皮をむいて半割りに切る
しお 180g だいこんの重さの6%
米糀 300g パラパラにほぐしておく
鷹のつめ 少々 タネを取って輪切りにする
さとう 80g
みりん 135cc
作り方
① 下漬け(一回目)・・・5日間漬ける
大根を漬ける容器に合せて切りそろえ、塩をまぶして容器に漬ける。
塩は1回目は分量の3分の2・・120gを使う。
大根は切り口を横にしてきっちりとすき間なくならべる。
切りそろえるときに出た端切れもすき間なく詰め込む。
中ぶたをして大根の2倍の重さの重石をして5日間漬ける。
レシピでは、大きめのタッパーを大小2つ使いました。
大きい方に大根を並べ小さいほうに重石を入れて漬けました。

② 下漬け(二回目)・・・2日間漬ける
大根から出た水を捨て、大根に塩60gをまぶして2日間漬ける。
③ 本漬け用の漬け床をつくる
ほぐした糀をタッパーに入れ、60度の湯をしっとりするくらいに
ふりかけてふたをし、コタツなど(60度の中)に一晩おく。
レシピでは湯たんぽを使いました。なければ2リットル入りの
ペットボトルを使います。湯の温度は冷めるのを計算して少し
高い目して毛布などにくるんで6時間おくと醗酵します。

醗酵した糀にさとうとみりんを加えて良く混ぜて糀床を作る。

④ 本漬け・・・5日目から食べごろになる
下漬けした大根を水洗いして水気をふき取り日陰に干す。
容器の底に糀床を薄く敷いて、その上に大根をすき間なくならべ、
鷹のつめを散らし残った糀床を厚く乗せ、中ぶたをして重石をおく。
重石は軽く押さえるくらいのものでよい。5日目くらいから食べ始め、
ひと月くらいに食べ終えるが、その間は冷蔵庫に保存すると良い。
常温だと醗酵が進んですっぱくなることがあります。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大根の千枚漬

2009年12月16日 | 野菜類

千枚漬けは京野菜の聖護院蕪をうすく切って塩漬けしたあと、
良質のこんぶで本漬けをします。
レシピは「かぶ」の代わりにだいこんを使いました。


作り方はいたって簡単・・・だいこんを均等に薄切りすることです。
そして、塩をするときはほんとうに薄塩にすることです。
つぎに大事なことは、こんぶをケチらないことです。

この三つを守れば、大根でも蕪でもおいしい千枚漬けができます。

だいこんで作る千枚漬けはかぶに劣らないくらいのお味でした。
作りながら、これは「大根の昆布締め」である・・・とおもいました。
畑から抜きたての大根は、皮をむいて薄く切りはじめると、水が
おどろくほどたくさんにでてきます。

大根は94.6%が水分です。干し大根にしたら原型をとどめない
くらいに小さくなりました。
ふろふき大根を作ろうと、米の砥ぎ汁で輪切りの大根を大なべで
煮て子どものうちに届けました。

おいしい大根だったので喜んでくれたと思い、感想を聞きました。
息子とその子(孫です)は食べながら、大根から水が出てくる・・・と
苦情たらたらだったそうで、息子の嫁さんは何か間違ったのでは
ないかと、とても不安になったそうです。

それを聞いて、彼らはこれまでどんな大根を食べてきたのだろうと
疑問に思いました。
  
だいこんを薄く筒切りしてまな板にならべ、ほんの少し振り塩をして昆布じめにした千枚漬け風の漬物です。
だいこんの代わりにかぶを漬けると京都の冬の味覚千枚漬けです。おいしいのは違いないがねだんも高い。
そこで手軽なだいこんで漬けてみました。だいこんはちょっと野暮かと思いましたがおいしく漬け上がりました。


材料
だいこん 400g
たかのつめ 2~3本

出し昆布 20cm
調味料
さとう 小さじ   3
しお 小さじ   1
日本酒 20cc
酢 小さじ   2
作り方
大根を薄く切る
だいこんの皮をむいて、薄く筒切りする。
厚さは1.5ミリ~2ミリくらいまで。
菜切り包丁を使うと刃が直線で切りやすい、
洋包丁は、刃渡りが曲線なので切りにくく
切り残り部分がでて、きれいに切れません。
薄塩に漬ける
ただいこんに軽くしおをして全体になじませます。
塩は薄塩・・ほんのり塩っぽいくらいの塩加減です。
まちがっても、からい・・・と思う味にしないことです。
これを一晩おいて翌朝昆布じめにします。
漬け汁を作る
調味料全部を混ぜ、さとうとしおを良く溶かします。
漬け汁につける
漬け汁を、だいこんぜんたいになじませながらまぶし、
10cmに切った板昆布を漬物器の底に敷き、その上に
薄切りのだいこんをならべ、その上にも板昆布をおく。
だいこんのあいだに「たかのつめ」をちらばせます。
漬け汁を昆布の上から注いで、重しをかけます。

だいこんからたっぷり水が出て、代わりに昆布の味を
吸い取ります。その日の夕方にはたべごろになります。

浅漬けなので長くもちません。精々4~5日のものです。
つくるときは、いっぺんに大量につくらないことです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鯛の押し寿司

2009年12月09日 | ご飯類
順位: 2,418位 / 1,335,569ブログ中


もみじ鯛、さくら鯛、むぎわら鯛・・・どれも鯛の季節ごとの呼び名です。
もみじ鯛はもみじが色づいて散る頃までの、さくら鯛は4月から5月に
かけて産卵期を迎え脂が乗ったころの、むぎわら鯛は5月終わりから
6月にかけて、産卵を終えた後の脂がぬけ味の劣った鯛の別名です。
麦わら鯛は、麦刈り頃が鯛の産卵期にあたり「骨の芯がからになって
いて麦わらのようだ」と言う意味で、もっともまずい鯛のことを言います。

もみじ鯛にかぎらず、冬に備え寒の鯛は脂が乗っておいしくなります。
鯛はどんな料理につくってもおいしいですね。
歯ごたえがあって、魚のにおいや脂の癖が強くなく鮮度の落ちが遅い
のもその特長で、料理の応用範囲が広く、すしダネにも使われます。

鯛はとれたてよりも、時間が経ったほうがおいしい・・と言います。
おすし屋さんは、柵取りした鯛を布巾に包んで冷蔵庫に一晩ねかせて
から握りに使うと聞きました。
レシピの鯛の押し寿司がおいしいのも、一晩寝かせるからでしょうか。

毎年、大晦日に大きな鯛をいただいてきました。うろこ引きから3枚
おろしまで、夜遅くまできれいにさばくのが私のしごとでした。
大きな鯛は一度に食べきれないので、色々な料理にしていただきます。
そのうちのひとつがレシピの押し寿司です。いただく鯛は養殖ですが、
作った押し寿司は、本当においしいとおもいました。

大晦日に柵取りしたのを、3日か4日に寿司にしましたが、その間に
鯛の身が熟成して、おいしくなったのかも知れません。

「腐っても鯛」と言うのはこのことで、鮮度の落ちが遅く時間が経っても、
かえって旨味が増すことから出た言葉でしょう。
鯛は高級魚と言いますが、養殖技術が進んで大量に出回るようになり、
スーパーの目玉商品になることもあります。

お隣の中国では、鯛は「屍肉を食う魚」として下級魚としてあつかわれて
いると聞き、ところ変われば・・・とおもいました。


名残りのもみじ鯛で押しすしを作ります。鯛は天然ものにこだわりません・・・養殖の鯛で充分です。
お正月用に鯛の押し寿司をつくってお重に詰め、新年を迎えたらいかがでしょう。


材料
本鯛(皮つき)  片身  1枚  3枚におろして薄塩をする
米(もち米2割)  2合(360g)
合せ酢  酢・80cc さとう・60g しお・6~10g
板昆布(10cm×20cm) 酢水に浸してラップに包む

すし飯を作る
炊き上がったごはんをすしおけにうつし、
合わせ酢を90℃にあたためて、ごはんに
ムラなくふりかけてまぜる。
しゃもじでごはんを切るようにまぜる。
もち米を2割くらい混ぜ込むと、すしごはんが
固くなりません。
鯛の昆布じめを作る
昆布を薄塩した鯛の両面にはさんで、
かるく重しをして冷蔵庫に一晩おく。
急ぐときは重しをして常温に1時間おく。
押し寿司を作る準備
押し寿司の木枠を水に浸しておく。
昆布(鯛をしめた昆布)を底板に合せて切る
昆布じめの鯛を底板の横巾に合せて切る。

押し寿司を作る
1.外枠を底板にはめて昆布をおき(写真③)、鯛を皮つきと白身を2列に並べる。
2.すし飯を両手でまとめて鯛の上に詰め込んで、平らにならす(写真④)。
3.その上に昆布をおき、上フタをおいてグッと押しこんで、均等に力を加える(写真⑤)。
4.上フタを親指で押さえて外枠を抜き取り、次に上フタを取る(写真⑥)。
5.底板から押し寿司をはずして、ラップにつつむ。
6.昆布は食べるときにはずす・・出来上がってから3~4時間経ったころがおいしい。
切り分けて盛る
切るときは、ラップに包んだままで切ると切りやすい。
切ってからラップをはずし器に盛りつける(写真⑧)。
昆布は柔らかいので捨てないで食べます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする