男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

おむすび

2009年11月26日 | ご飯類
ちかごろは「おむすび」と言うより「おにぎり」というほうが多いですね。
「おむすび」と「おにぎり」・・ただ呼び方がちがうだけ・・と思っていたら
両者の違いは、丸いのや俵・三角などかたちを問わずに握ったのを
「おにぎり」と言い、三角ににぎったのを「おむすび」と言うそうです。

「おむすび」のことばの元になるのは、古事記に由来するそうですが、
当時の人たちは山を神と敬いました。その神の力を授かるために、
ごはんを山の形(神の形)にしたのがおむすびのはじまりと言います。
ごはん、おむすび、おにぎりと敬語なのも神が介在するからでしょう。

俳優の池部良さんがかけだしのころ(食料不足の時代でした)です。
撮影の合い間のお昼どき、食べるあてがない・・・どうしようか迷って
いるところに高峰秀子さんから「お昼ごはんがないなら、あたしのを
あげる」・・・と二つのおにぎりをさしだされます。

このとき良さん、三角のおむすびをみて目が揺らいだ・・・といいます。
勧められるままにひと口おむすびを噛んで、そのおいしさに不覚にも
涙ぐんだ・・そんな内容の池部さんのエッセイが記憶にあります。

近所の宣教師家族が6か月の休暇でアメリカに帰ることになりました。
お弁当を作ってあげようと言うと「おにぎりを作って欲しい」と言います。
16才の男の子が「ハラダさんちのおにぎりを食べたい」と言うので・・
と母親のTさんからたのまれました。中の具は塩鮭と梅干を入れて
ほしいとの注文でした。レシピの写真はそのときのものです。

佐用の棚田の農家から、毎月のお米を取り寄せて8年になります。
耕して天に至るあたりの田んぼの清冽な水のなか、農薬を使わずに
そだてられたお米です。おいしくないはずがありません。
お米の味がわかるのは日本人だけと思っていましたが、外人の子が
同じようにお米の味がわかっているのを知って、うれしく思いました。
  
炊き立ての熱いごはんを、しおをきかせておむすびにしたのを食べるのは本当においしいものですね。
おむすびには、何もいれないでよろしい・・・のりを巻いておかずにはたくあんの数切れもあれば十分です。
そう言いながら、レシピのおむすびには塩鮭と梅干をいれました。これはこれでおいしいおむすびです。


材料
あたたかいごはん
しお鮭のほぐし身
    (塩鮭は安いアラで充分
   きれいな身をほぐしたら
   残りはお茶漬けにします)
うめぼし
しお 少々
ごはんもしお鮭も、梅干も量は書いていません。
作るひと、食べるひとの好みにおまかせします。
作り方
ごはんを適量、お茶碗にとって、茶碗を上下にゆすって
ごはんをまとめます。
炊き立ての熱いごはんのときは、この作業をすると
ごはんがほど良く冷めて、むすびやすくなります。

両手をぬるま湯にひたして、しおを適量つまんで両手の平に
まぶしつけます。
お茶碗で丸めたごはんを左手にとって、むすび始めます。

かたちは、おむすびなので三角にします。
三つのかどをきちんとそろえて、正三角形にととのえます。
お結びの厚さもそろえないと、結んだ形がいびつになります。

具を入れるときは、左手のごはんの中ほどを押さえてくぼみを
つくって、好みの具を入れ両手でつつみ込んでむすびます。

人差指、中指、薬指の3本の指をそろえて、ごはんの外側から
かるくかためる感じで、くるくるとまわしながら結びます。
指の第一関節と第二関節は、まげずにまっすぐに伸ばします。


ですから力は入りますが、それは外側だけ、中側は柔らかくします。
なかまで固くむすんでしまったら、おむすびの味がそこなわれます。
小さいおむすびにするときは、人差指と中指の2本の指でむすびます。
こうするととてもかわいいおむすびができます。

中に具を入れないときは、しおをきかせてむすび、炒りごまをまぶします。
焼きのりをたっぷりと巻いたのもよろしいですね。

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根菜のお煮しめ

2009年11月16日 | おせちシリーズ
レシピのお煮しめは、前回お送りした「むぎとろ」のおかずにつくりました。
「むぎとろ」のように禅味のある主食のおかずを作るのはむつかしいもの。
ここは、定石通りに野菜のお煮しめにします。

材料は、だいこん、にんじん、れんこん、ごぼうの根菜を主体にしました。
精進にしようと思いますが、とろろ汁に「かつおだし」を使ったので精進に
なりません。そこでとり肉を「煮しめ」の味のベースにします。
煮しめは、だいこんとだいこん以外を別々に煮て炊き合わせにします。

だいこんは、8月下旬に蒔いた「現助だいこん」をつかいました。
「源助だいこん」は、金沢市の篤農家が育てた煮物に最適のだいこんと
言われ、加賀野菜の代表的な存在です。
肉質がやわらかく、肌がきれいでだいこんらしい歯ざわりで、煮くずれが
しにくいので、おでんに良く使われます。

8月の終りに「現助」とたくあん用の「秋まさり」のタネを蒔きました。
両方とも順調に育ち収穫の時期をむかえました。
このお煮しめをつくるのに、ためしに1本抜いたのがこのだいこんです。
太いわりに寸のつまったずんぐりとした形で青首です。

お店の野菜売り場で見つけたら、迷わず買い求め煮物にお試しください。
厚い目に筒切りして、油揚げといっしょに薄味で煮るのがコツです。
煮あがった「源助」は、まさに「The,だいこん!」期待通りの味であります。

食材ごとにいったん茹でてから、つぎたして煮しめます。だいこんだけを単品で煮て煮しめとドッキングして、
炊きあわせ風にします。はじめから一緒に煮るのとくらべ、面倒ですができばえの良いお煮しめになります。


材料
れんこん 1/3本 120g 皮むきして1cm厚さの半月切り
にんじん 小1本 120g 皮むきして7~8ミリの厚さに筒切り
ごぼう 1/2本 120g たわしで洗っって5ミリのななめ切り
だいこん 1/3本 200g 皮むきして1cm厚さの半月切り
こんにゃく 1/2丁 150g 横半分に切って7ミリの短冊に切る
豆腐 1丁 250g 横半分に切って5ミリの短冊に切る
とりもも肉 110g 一口大に切る

調味料
板昆布 10センチ
みりん 大さじ 3
日本酒 1/3カップ
オイル 大さじ 1
鰹まる 小さじ 1
昆布だし 1/2パック
創味つゆ 大さじ 2
さとう 小さじ 1/2
淡口 小さじ 1

作り方
大根を煮るのと、大根以外の煮るのを同時にスタートする
大根以外の煮しめを煮る 
豆腐ととり肉以外は、単品ごとに水から茹でる。
煮る順番、ごぼう→とり肉→こんにゃく→焼き豆腐→れんこん→人参。

下ごしらえ
焼き豆腐を作る・・短冊にした豆腐を片面ずつ中火できつね色に焼く。  
両面を油で焼くので煮くずれしません。味も良くなります。
こんにゃくを茹でる・・・短冊にしたこんにゃくを塩でもみ水洗いしてから
大根以外の具材を煮る
ごぼうを茹で、そこへとり肉を入れ酒と創味つゆとみりんを入れて煮る。
つぎに、焼き豆腐と茹でたれんこんと茹で汁を加え、落としぶたをして
中火でしばらく煮込み、最後に茹でたにんじんを加える。
あとは火を少し弱くして、 煮汁をすくい煮物のうえからかけながら煮る。
煮汁が少なくなったら火からおろして冷ます。
大根を煮る
だいこんを茹でて薄味に煮含める。
茹でた大根を、10センチの板昆布のうえにのせ中火で煮る。
30分くらい煮てから、さとう小さじ1/2を加え下味をつける。
さとうを加えることで、大根の甘味を引き出す呼び水になる。
あと淡口小さじ1を加え、さらに30分くらい弱火で煮こむ。
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とろろ汁と麦めし

2009年11月06日 | ご飯類

「とろろ汁」はわかい頃から好きな食べものでした。

おもな食材は「つくねいも」ですが、ふるさと山口には
そんな気の効いたものはないので、「ながいも」を使いました。

長じて、丹波の「つくねいも」が手に入るようになり、
次に正真正銘の自然薯が手に入るようになりました。

銀行同期の「A」さんが主宰する「佐用の家」で合宿をしましたが、
彼の親友が持ち山から掘り取った「自然薯」を届けてくれました。

「K」さん・・自然薯の届け主です・・がくれた自然薯をすり鉢で
すりおろしたとろろ汁は本当においしいとろろでした。
佐用に通った8年のあいだ、毎年自然薯のとろろ汁を食べました。
いま思うと、ぜいたくのきわみであります。

その佐用はこの夏大変な水害を受けました。
町の皆さんが今も苦労をしているのをTVで見ると心が痛み、
早くもとの姿に復興して欲しいと思います。

レシピの「麦とろ」は我が家の子も孫たちが好きな食べ物です。
食材は「つくねいも」と卵、調味料はかつを節からとった出汁と
一つまみの塩と少量の淡口醤油で仕上げます。

とろろを擂るのは「すり鉢」で擂る・・・を長いあいだ続けました。
やってみた方は分かると思いますが、けっこう面倒な作業です。
初代吉兆の湯来さんの著書には「大根おろし」ですりおろしてから
「すり鉢」にとってすりこ木で擂るとよろしい・・とありました。

その通りにやってみたら、食味は変わりませんでした。
以来、とろろを作るときは「だいこんおろし」を使うようになりました。
ところで、「麦とろの日」というのがあって、6月16日とききました。
「6」と「16」を「むぎ」「とろ」と読ませる語呂合わせなんだそうです。

「むぎめし」も「とろろ」も食物繊維が多く、成分計算はしていませんが、
塩分も少ないので健康面では、すぐれた食べものと思います。

これを書いているたったいま、夕方から火を入れてきた「タンシチュウ」が
焦げつきました。「しまった!しまった!島倉千代子」であります。
  
麦めし・・・といえば、私の年代は食料難のころ、まずい麦ごはんを食べたせいで印象が悪いのですが、
今頃食べる麦めしはおいしいですね。片やつくねいもをすりおろしたとろろ汁・・これもおいしいものです。
とろろ汁と麦めしは出合いのもの・・・この秋とれた新芋でおためしください。

材料
つくねいも  1こ 300g
たまご 1こ
だし 150cc
調味料
淡口醤油 大さじ2
しお 少々
だし
削りかつお 10g
水 200cc
沸騰した湯に削りかつおを入れて火を止め、
ペーパーでこして、そのまま冷ましておく。

麦めし
米 2合 300cc
押し麦 1合 150cc
米と麦の割合は好みの割合にします。
吉兆味ばなしによれば・・米の2割が良いとあります。

作り方
つくね芋の皮をむく  
たわしかブラシで良く洗い、くぼみをえぐって皮を薄く剥く。
根元のところは剥かずに皮を残す・・ここを持ってすりおろす。

つくね芋をする・・大根おろしですりおろす
だいこんおろしですりおろし、すり鉢に入れすりこ木でする。
とろろがすりこ木になじんで、なめらかになったらすりあがり。
すり鉢でする方法もありますが、だいこんおろしの方がラク。
すり鉢で良くすれば、出来あがりの食味は変わりません。


卵を割りほぐしてすりのばす 
卵とととろろがなじんだら、塩を加えてよくすって味見をする。
あとで淡口を加えるので、ここでは下味をつけるくらいにする。

だしですりのばす 
だしをとろろに少しずつ入れながら、すりこ木ですリのばす。
レシピのだしの量は、するするっと吸えるかげんにする。
食べる人の好みに応じて、だしの量をかげんしてください。

薄口醤油で味をつける 
最後に淡口を少しずつ入れながら好みの味にととのえる。
・・・麦めしに混ぜるのでしっかりめにします。

麦めしをお椀によそってとろろを掛ける お碗に麦めしを盛り、とろろをたっぷりかけます。

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