鶏ささみのオレンジソース和えは、森須滋郎さん著「味覚のトレーニング」からの頂きもの
です。森須さんは、雑誌「四季の味」の編集に長年勤めてきた方・・著書を読むと食べ物に
限りない愛着がうかがえ、読むたびに新しい発見があります。味覚のトレーニングの「あと
がき」に、森須さんは次のように書いています。
「かりに料理を音楽にたとえてみると、いくつか通じるところがあって面白い。音楽は、楽器
から発する音をリズム・メロディー・トーン・ハーモニーなどに基づいて、さまざまな形式の曲
に組み立て、それを奏でるものである。このうち、音に相当するのが素材とすれば、それぞ
れの素材が持つ甘・酸・鹹・苦・辛の五味に基づき、適切な調理法で仕上げたものが料理
ということになる」・・とあります。
最近読んだ新聞の切り抜きです。「料理は、効率よく作るのに、切ったりまな板を洗ったり、
どんな進め方をすればいいのか考える作業がためになります」・・若くして外資系会社の
日本法人社長になった方のコメントです。
若いころ、茶道を1年ほどならいました。それが、料理作りに今も役だっています。お茶を
たてながら、後片付けをする・・料理に例えると、材料を下ごしらえしながら、鍋に水を入れ
火にかける・・下こしらえした食材を煮る間に、残菜の始末やまな板、包丁を片づける・・
料理をする間、常に次の作業を思い描きながら、頭と手の両方を動かします。
料理し終えたとき、まな板や包丁、使ったボールなどきれいに洗って拭き終え、所定の場所
に格納する・・後片付けをキチンとするのが、料理をする人の心得です。料理のあと片づけを
「森須さんあとがきの音楽」に例えるなら「楽曲のエンディング」・・に等しいのかも知れません。
この料理はソース作りが本命で、あとは簡単です。鶏ささみを塩焼きしてほぐしたのに、オレンジ
ソースに絡めるだけ・・お惣菜というより上品な酒の肴・・くらいに思って下さい。お酒を飲まない方
でも、食事の前の一品としてノンアルコールのお伴に召しあがって欲しい・・そんな料理です。
材 料
鶏ささみ肉 1パック 180g
オレンジ 1/2こ 120g
マヨネーズ 大さじ 2 20g
コアントロー 大さじ 1 10cc
塩 小々
パセリ 適宜
作り方
鶏ささみを塩焼きしてほぐす
鶏ささ身に薄塩をあててグリルで焼く。
冷めてから、細かくほぐしておく。
オレンジソースを作る
オレンジの皮を剥き、白いところをすきとり
細かく刻んで熱湯で茹でて冷ます。
オレンジジュースを絞り、マヨネーズと、茹でた
オレンジの皮とコアントローを加えソースを作る。
オレンジの皮は、茹でてもけっこう苦い・・なので
少しずつ加え、程ほどの量にします。苦いけれど
香味が強く美味しいソースができます。いうなれば
バランスの妙を楽しんで欲しいソースです。
鶏ささ身とソースを和える
塩焼きしたささ身と、オレンジソースを和えて、刻み
パセリをトッピングして出来あがりです。