北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ふゆトピアin釧路の初日

2014-01-23 23:45:23 | Weblog

 

 釧路での「ふゆトピアフェア」の初日が終わりました。

 とうとう今日まで雪が降らず、釧路では積雪がゼロ。道内のアメダス観測所のうち積雪がゼロなのは今日観測史上現在で釧路だけとのことで、これは60年ぶりのことだそうです。いやはやとんだ年にふゆトピアを開催したものです。

 しかし雪はなくても気温は低く、朝の最低気温はマイナス10℃。今日は特に風が強く秒速4~5mの風が吹いていたため、体感温度はさらに下がりました。

 朝9時半に、国際交流センターのなかで開会式を行い、各企業団体の見本市を見学して歩きましたが、日本建設機械施工協会(JCMA)さんと我が機械課で作成した「除雪者によろしく」のポスターは、会場の出入り口のすぐ脇に5枚セットで貼り出されていて、これが各種団体の皆さんからも非常に高い評価を受けました。

 特に東京から駆けつけてくださったJCMAの理事長からも「国と当協会が連携して作ったということがまず素晴らしいし、ポスターの出来もとても良い」と大絶賛。

 いくつかポスターに関する取材もあったようで、若手を中心に頑張ったかいがありました。 
 まずはホッとしました。


    ◆    ◆    ◆


 外の会場では除雪機械展示が行われていて、寒地土木研究所が開発中の「氷盤・圧雪路面処理装置」が展示されていました。

 これはとがったピンを円筒のローラーにつけて、氷によるツルツル路面上を走らせると氷が砕かれてバラバラになり、それをローラーの後ろにつけたブレードでかき集めるという仕掛けの作業車です。

 この日の釧路では厚い氷で実験できるような場所がなく、残念ながら会場ではデモ走行が見られませんでしたが、薄い氷だとアスファルト路面に傷をつけてしまうのだそうでまだまだ改良が必要なよう。

 しかしこれが道東の困りごとの一つだという認識はあるので、これからも技術開発をどんどん進めてほしいところです。

 課題には解決方法あり、です。


    ◆    ◆    ◆


 午後からは、北海道開催地では二度目となる「除雪チャンピオンシップ」が開催され、参加者である除雪車のオペレーターの皆さんたちが日ごろ鍛えた腕前を競いました。

 会場には雪がないため今回は砂で代用して行いましたが、(1)機械の点検 → (2)ブレードの操作性 → (3)カーブを縁石に沿って走らせる路側追従性 → (4)スラロームコースによる操縦性 → (5)車庫入れ という5つの項目で得点を競いました。

 一番最初に登場したオペレーターの方の試技が始まると、会場から「うまい~!」「上手だ」というどよめきが起こりましたが、結局8人がエントリーした中で優勝したのはその最初に運転したオペレーターの方でした。

 素晴らしい技術に脱帽です。また参加してくださった皆様にも感謝申し上げます。


    ◆    ◆    ◆ 


 またこれと並行して開催された基調講演は、北大観光研究センター長の西山徳明教授による「道東エリアにおける冬期観光の現状と活性化」と題して行われ、「観光とは価値を翻訳して伝えることだ」という言葉が印象的でした。

 西山先生は道東はまだ訪れる回数が少なかったとのことで、これをご縁にぜひ道東そして釧路にも着目していただきたいところです。

 そして最後にいよいよ「道東エリアの冬期の観光資源(=個性)の掘り起し」と題したパネルディスカッションが行われました。

 パネラーはそれぞれの世界を持った地域の面白人材ばかりでしたが、ANA釧路支店長の井上かおりさんは、「やはり少ないとはいえ白い雪の世界は魅力的だと言い、それに加えて、今度知床をフィールドとした"ワンダーアース"という二泊で30万円という破格な旅を作り、応募が増えている」とのこと。

 釧路ザンギ推進協議会会長で駒形屋社長の白幡博さんからは、「まだまだ地域の食材の真の魅力に私も含めて恥ずかしながら気づいていなかった」として、「尾岱沼の突端で4年に一度採れるホタテは貝柱からヒモ、卵までが絶品。ホタテを食べ慣れた自分でも感動するのだからしっかりとお客様に提供したい」という発言がありました。
 
 根室市観光協会でバードウォッチングの国際ガイドをしている新谷耕司(にいやこうじ)さんは、「バードウォッチングはイギリスがルーツで、植民地を拡大させるにしたがって世界の鳥を見るようになっていったもので、今でもハイソサイェティの人たちにとっては基礎的素養の一つなのに、日本ではオタクの趣味から脱却していない。世界では数百億円のマーケットが動いているし、特にこの時期根室で見られるオオワシは世界に9千種いるといわれる鳥の中でも人気ベスト10に入る特別な鳥だ。人材を育成してガイドを養成すればビジネスになる」という熱い思いを語ります。

 またさらに、「根室の落石漁港は、ドクターヘリの発着所に指定されたが、これは高齢の観光客がたくさん訪れることが決め手となったもので、観光になど興味のない地元の漁師さんたちの目をこちらに向ける良いきっかけになった」という観光の副次的な効用も語られました。

 まちとくらしネットワークの宮田さんからは、「これからは情報発信の時代だから、wifi環境の整備を進めたい。しかも情報発信は地元の誰かがやるよりも、実際に訪れてきた人たちが自分の感動をスマホですぐにアップすることで広がっている。それを助けるようなインフラを整備すべきだ」という視点に会場はうなづいていました。


 そして私からは、「道東の冬観光の資源の一つは毎日続く晴天で、この青をバックにした雪や鳥、SLなどのコンテンツは写真素材としても最高で、そうしたニッチなファンを地道に集めるべき」ということ。

 そして、「しかし来たい気持ちを消極的にするのは、やはり短時間で安全安心に到着できる高規格道路がまだ整備されていないことが大きい。これが阿寒までつながる再来年度には道東に大きなインパクトが訪れるだろうから、今から十分に準備をすすめてほしい」ということ。

 そして、「冬期の路面管理も我々に課せられたニーズであり、除雪車というと"雪"を覗くイメージだが、氷を削ったり凍結防止剤をまくなどの路面管理も重大な仕事で、我々も大きな使命感を持って仕事に当たっている」という誇りを熱く語ってしまいました。


 全体に幅の広い議論ができましたし、これからも地域を支える皆さんたちの登場だったので、今後ともこれをご縁にお付き合いさせていただければ幸いです。

 私も参加していて楽しいパネルディスカッションでした。

 ご協力してくださった皆様、ご来場いただいた皆様に心から感謝申し上げます。

 


 

 

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