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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

サイクルツーリズムを促進するもの、阻むもの

2016-09-14 23:55:09 | Weblog

 静岡県からお客さんが来て意見交換をしました。テーマは「自転車ツアーで北海道のサイクリストを静岡に来てほしい」というもの。

 北海道には冬があるので、その期間に雪のない静岡で自転車に乗ってもらうためにはどういうことが必要でしょうか。

 静岡県の真ん中に「富士山静岡空港」ができて、掛川に縁のある私としては掛川がずいぶん近くなった思いがしたものですが、利用状況はどうでしょうか。

「昨年なんか中国からのお客さんが建物からあふれかえっていたことを覚えていますけど」そう話すのは、一緒に意見交換に参加してくれたHさん。彼は自転車大好きで、自転車による北海道振興をいろいろと仕掛けているだけでなく、掛川ともつながりが深く、北海道と掛川相互の交流にも関わっています。
 そういう意味では静岡と北海道をよく知っている二人で、静岡の盛り上げに協力をしようというのです。

「LCC(低価格航空会社)が中国各地と静岡空港を結ぶ路線を開設してくれた当初は良かったのですが、その後に羽田や成田が発着枠を拡大すると、撤退も簡単にしたので、今は落ち着きました」とは県庁の文化観光部の方。

 ゴルフ愛好家の中にはまさに静岡空港を利用して御前崎や掛川でゴルフを楽しむひとが次第に増えてきているようですが、サイクリングでそのような動きはまだ顕著には表れていません。

「今は自転車愛好家がどんどん増えてはいて、地域で自転車でのロングトレイルやヒルクライムなどのイベントを開催したら、数百人は簡単に集まる時代にはなりました。しかし単発のイベントへの参加が中心で、安定的な需要にはつながっていませんね」とHさん。

 単純にマス(大衆)を相手にして、一見でもいいからとにかく来てほしいという姿勢に対して、掛川はより「繋がり」を大切にして、「あなたに会いに来た」「あなたに呼ばれたから来たよ」という交流を指向しているように見えます。
 そしてそれがレジャーや趣味のつながりから物の交流、そしてビジネスにつながる可能性を地道に模索しているのが掛川のスタイル。私は後者を支持します。


          ◆ 


 「同じように旅行先で楽しむにしても、ゴルフとサイクリングでは道具、つまりゴルフバッグと自転車を運ぶその手間に差があるかもしれない」とHさん。

「ゴルフは、ゴルフ宅急便に代表されるように道具の持ち運びを安価に行える物流システムが完成しているのに対して、自転車を飛行機で運ぶのにはまだハードルが高いですね。ANAさんくらいになるともう慣れて丁寧な対応をしてくれますが、LCCではまだぞんざいな扱いで、高い自転車だと心配になりますし(笑)」

 
 "サイクルツーリズム"というとわかったような気になりますが、日本のサイクリストたちの多くは長距離をガンガン走りたい人が多く、"サイクルスポーツ"の方が近いようにも感じます。

 それほどスピードを出さず距離も走らずに、地域の歴史や風景、観光ポイントを丁寧に巡り語ってくれる、そんな町巡り的なサイクルツーリズムはこれから伸びそうな分野であることに間違いはありません。

 地道にガイドの育成や観光ポイントの磨き上げなどの受け皿をつくることを先行しておくと、それをやっている地域の強みがいつか発揮されそうです。

コメント
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