
注文していた掛川の栗焼酎が届いた。
今日お酒なんてどこでも作っている。
しかし、見ず知らずのところで見ず知らずの人が、見ず知らずの材料を使って作るお酒とはちょっと違う。
これは、わが心の故郷掛川で私の友人たちが、イノシシの被害にあい後継者のいなくなりかけた栗林で自ら栗を拾い選別した材料を使って静岡県内で作ったお酒だ。
販売元はこれまた友人が掛川駅構内で地域の特産物を一手に販売している「これっしか処」である。
本数は限定だし名も通ってはいない。
栗畑でのイノシシとの戦いなんて、見ず知らずの人の畑なら日本の農業衰退の1シーンに過ぎない。
しかし地元の知り合いの農家のおじさんの栗畑となると話は違う。
地域のことは地域で守ろう。地域が地域のことを守った汗の結晶が売れてお金になるならさらに良いではないか。
二宮尊徳は「経済なき道徳は寝言、道徳なき経済は犯罪だ」と言った。
道徳を貫くには経済が必要なのだ。
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お酒の名前は「自ら」と書いて、「みずから、おのずから」と読む。
自ずと移り変わる四季に調和しながら、自ら働くことで恵みをいただく。
新たな関係性の営みが生んだ掛川里山栗焼酎「自ら」。

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遠くにいる友達の顔を浮かべながらいただくよ。
掛川で情熱を燃やしたスローライフ運動の残り火だ。