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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

豊かな関係性がもたらす、別荘の高度な楽しみ方

2012-11-25 22:33:29 | Weblog
 新潟県妙高高原に、わが友人がペンションを経営している。

 かつては優秀な公務員として将来を嘱望されたのだが、20年前に家庭の事情でここ妙高高原の赤倉でペンション経営に転職をした。

 当時同じ職場だった同僚や上司たちが、細々と支援を始め、初夏には「経営改善委員会」と称して集まってゴルフや登山に興じている。

 そんななか、「冬期のスキーシーズンに入るともう忙しくて部屋の掃除には手が届かない」というオーナーの言葉に、当時の同僚たちが集まって、年に一度「お掃除ツアー」なるものを始めたのだが、今年もそれが行われた。



   ◆   ◆   ◆



 このツアー、始めてからもう14~5年になるのだが、毎年11月のある週の金曜日に東京を出発して深夜に妙高に到着。

 まずはそこで深夜の宴会が始まるのだが、ほどほどにしてまず一泊。

 翌朝は朝食後に即掃除開始。

 掃除内容は、二階の各部屋の網戸の掃除、窓ふきから窓枠の泥汚れ、壁・天井のすす払い、壁拭き、ベッドなど動かせるものはすべて動かしての掃除機かけ、よく虫が入っている蛍光灯カバーの清掃など、およそ考えられるところはすべて清掃を行う。

 最初の頃はベッドを動かして掃除機をかけ、窓ふきをするくらいで一日が終わっていたのだが、毎年掃除を繰り返すうちにそれほど汚れない状態になったのと、掃除チームの腕が上がったことでルーチンワークは短時間で終わるようになった。

 そこで年々歳々、時間のゆとりの中で新しい部分の掃除を始めるようになり、何年も掃除がされていないようなところを発見しては喜ぶようにすらなってきた。

 最近は分解できるものは分解して掃除を

 合言葉は、「その一隅を照らせ」で、汚れているところは愛が注がれていなかったところという意味で、あらゆるところに年に一度の愛情を注いでいる。



 【外せるところは外して掃除をする】

 
    ◆   


 休憩とお昼を挟みながら夕方5時半までの一日勝負での館内一斉清掃で、館内は見違えるように綺麗になる。

 掃除を終えての夕食は至福のひと時で、自分の手で綺麗にした部屋で心行くまでオーナーの奥さまの手料理を楽しみ、酒を飲み、語り明かす時間が続く。

 翌朝は集まったメンバーの事情で思い思いに別れてゆくが、二泊とこの間の食事はすべてオーナー持ちで、高速代とガソリン代は参加者が自費で参加をするという持ちつ持たれつの関係が続いている。

 
    ◆   


 この赤倉地区もスキー人口の減少によりスキー宿としてのペンションは次第に淘汰が進み、その数を減らしている。

 さらにかつては別荘街として分譲が進んで多くの別荘が建設されたが、次第に管理もおろそかになり、今では豪雪によって押しつぶされる廃別荘も多いという。


 考え方を変える時代になった。


 かつては別荘を所有することはある種のステータスだったが、今日、非日常を楽しむ別荘は利用できれば良いのであって、「所有から共用へ」という考え方だ。

 管理人を置けないような別荘は壊れてしまうだけだが、我々の別荘は友人であるオーナー夫妻が立派に管理してくれている。

 仲間たちが掃除に行くのは「友人のペンション」ではなく、「自分たちの別荘」だから、勢い掃除にも力が入るし、きれいになった室内を見るのは誇らしい気さえする。

 また、利用者からのコメントが「このペンションは掃除が行き届いている」などと書かれるととても嬉しくなるのも当然だ。

 
   ◆   ◆   ◆


 行楽地のペンションへ泊って、登山を始め自然との触れ合いを楽しむ、というのは楽しみ方としてはまだまだ下位のレベルである。

 上位の楽しみは、そんな行楽地の別荘へ気持ちよくゲストを迎える手伝いをするというところの満足感にあって、終わった後の爽快感とストレス解消感は非常におおきなものがある。

 言わば、これは相当レベルの高いレクリエーションなのだ。


 人間関係が深化すると、実はこういうところにオーナーと利用者のwin-winの関係性が成立することがある。

 楽しみと満足って案外思わぬところにあるのである。


【わが友人のペンションはこちら】
 ペンション モン・セルヴァン → http://bit.ly/TjV4kn

 綺麗は保証します。
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