北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

シーニックバイウェイ大雪~富良野ルートを走る

2005-10-11 23:36:16 | Weblog
 今日も快晴。視察対応をするには最高の日となりました。
 
 今日は、
■シーニックバイウェイ大雪~富良野 の1本です。

【シーニックバイウェイ大雪~富良野】
 本省からシーニックバイウェイを視察したいという知人がくることになった。

 日程としては明日翌日には札幌で別な用事があるために先乗りで来道されるということなのだが、朝東京を出て夜に札幌入りするということであれば、あまり時間もないので、今回は飛行機で旭川に降り立ってもらってそのまま南下する「大雪~富良野ルート」を視察してもらうことにした。

 視察と言ってもシーニックバイウェイで新しい施設ができているわけではないので、なにしろ「人に会っていただこう」ということで、現地で枢要な活動をされている方をお招きして昼食を食べながらの会談をメインにした。

 旭川空港で出迎えをしたが、空港内には台湾からとおぼしきたくさんの観光客が帰りの便を待っている。

 チャーター便で外国人観光客が直接地方空港に乗り入れをすると、そこで入国審査をしなくてはならないのだが、地方空港にはC.I.Q.と呼ばれる税関や入国審査の機能が弱いので、入国のために長時間待たせてしまう結果となる。

 そのために入国機能に強いハブ空港を用意して、そこで着陸・入国してもらい、国内移動は国内便で対応してもらうというのが良いのだが、日本はまだその体制が弱いのだ。
 観光立国宣言をした割には、受け入れ体制が整っていないと言うこと。むやみやたらな公共事業批判はそれとして、我々が次の世代のために良い社会を作り続けるという努力は止めるべきではない。

 後世をどういう社会にして残してあげるべきか、という精神が必要だ。

    *   *   *   * 

飛行旭川の開発建設部にも地域内の紹介をしてもらったのだが、まずは西神楽グランドワーク協会と協力しながら進めている、道路情報館を見せてもらう。

 ここはかつてコンビニだったのが、店主の都合で止めることにしたものを地域で安く借り上げて、道路情報館に仕立てたもの。

 建物構えと言い、看板と言い、コンビニそのもので、シーニックバイウェイのマークの下には「たばこ」と書いてあるのが笑える。

 地域の農産物直売所にして、同時に道路情報の提供をしているのだが、この辺りを走る国道237号線は旭川~南富良野間に道の駅もないし、休憩所もないのだ。

「地域でそういう道路サービスを何とかしたいと思って」とはグランドワーク西神楽の谷川さん。

 地域が気持ちを一つにして何事かをやろうと思えば、いくらでもできるものだ。良い例を教えていただきました。地域に愛される施設になるようにお祈りしています。

    *   *   *   * 

 続いては車を国道237号線沿いに走らせて、深山峠の頂上でシーニックバイウェイの大雪富良野ルートで活躍してくれている枢要な皆さんとの昼食会で、いろいろとご苦労話を聞かせてもらう。

 昼食会場となった場所は全国を転勤しまくったあげくに職場を離れてここに移住したというHさんの喫茶店である。

 ここのブラックカレーをいただいて舌鼓。これはいつかうちの奥さんにも食べさせなくてはなるまい。相当に美味しいぞ、これは!

 このルートの代表者である菅野さんからは「シーニックバイウェイを視察したいという申し込みが結構あるのですが、何を見せて良いのか分からないして、第一先方も何があるのかを分からずに来るんです。ある自治体の議会視察では説明をしようとしたら皆議員がお土産を買いに行ってしまったので、あきれて帰ってきましたよ。皆何か施設を見たがっているんです」と嘆く。

 私からは「世の中の事は物事(モノゴト)と言いますが、シーニックバイウェイではいわゆるモノである施設を見てもらうのではなく、そこで皆さんが起こしている事、起きている事を見てもらうのだ、ということを伝えるのがよいでしょう。シーニックバイウェイとはモノではなくコトなのだという事の感覚が伝わればよいのではないでしょうか」とお話をした。

 すると菅野さんも谷川さんも膝を叩いて「それはわかりやすいですね、良い話を聞きました。それは説明の時にいただきますよ」と喜んでおられた。

 それにしても、この地区で地域活動をしている人たちには外から来たかつてのよそ者が多いのは面白い。
 
 結局、外から来た人ほど、地域の魅力に敏感なのだろう。そういう人の感性は大事にしたいものだ。

    *   *   *   * 

 グランドワーク西神楽では、写真コンテストとして「残したい風景」はあたりまえとして、「残したくない風景」という、悪い景観の写真コンテストもしたのだそうだ。

 そうしたところ、頂上付近のラーメン屋さんの看板や店構えが悪いという写真の応募があって、それまでは頑として「自分の土地をどう使おうがおれの勝手だ」と言っていたご主人が、心機一転して店回りを美しくし始めたのだそうだ。

「活動をして行くと、いろいろなことがありますねえ」というHさんの笑い顔が印象的だった。

 
 そこを離れてからは、丘の風景の地形なりに直線道路が続く、通称「ジェットコースターの道」を走る。

 こういう道は地元の人でなくては分からない風景だ。

 観光雑誌には書ききれない地域の魅力がある。それをどう伝えるか、伝えないかが面白い。 

コメント
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