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再びの巨木巡礼 59 高根神社の大杉

高根神社の大杉(静岡県の巨木153/№33)



10月29日 の「再びの巨木巡礼」では、藤枝市瀬戸ノ谷近辺の静岡県指定天然記念物、巨木三本を巡礼の積りであった。つまり「鼻崎の大杉」「高根神社の大杉」「芋穴所のマルカシ」がそれである。

高根神社でテントに詰めている氏子の方へ、高根神社本殿上の山の斜面にある「高根神社の大杉」の事を聞いた。「高根神社本殿から登れば楽なんだけれども、今日はお祭りだから。参道脇の道は急で登れるかどうか。そちらには猪鹿除けの有刺鉄線も張ってあるから、近づけないから」と、断念させたそうに言う。昔、一度登ったことがあるからと話すと、「気を付けて登って下さい」と、念を押す。


平成8年5月18日「巨木巡礼」時の高根神社の大杉

登ったのは、「巨木巡礼」の時で、もう25年前になる。氏子さんが危ぶむのも、我々が随分年寄に見えたからであろう。「巨木巡礼」では、次のように記している。

高根山の中腹、高根神社の神域にある大杉である。説明板は何度か見ていたが、現物を見るのは今日初めてである。そばに付けられた山道を辿り、神社の背後に回る。薄暗い斜面に、太い杉に混じって、想像以上に太くて高い巨杉があった。鼻崎の大杉より遙かに高くて太かった。

実際には「鼻崎の大杉」の方が幹回りは太い。

境内から出たすぐの所から、標識もなく消えかかっている道をたどる。この道は四半世紀前に、巨木がブームだった頃、造られたものなのだろう。削られた斜面の山道が土で埋まり、元の斜面に戻りつつあると言った所であった。気を付けながら、一歩一歩登る。きついのは道の悪さなのか、年取ったためなのか。登ったといってもせいぜい20~30メートルほどなのだが、足腰がぐらぐらする。

言われた通り、有刺鉄線が張られ近寄れない。この有刺鉄線は神社を猪鹿から守るためのもののようで、高根神社の大杉もその神域内にあるということなのだろう。有刺鉄線の外側から写真を撮るにとどめた。この大杉の胸高辺りから曲げた肘のような枝が出ている。牡鹿が首を出したようにも見える。ともあれ急斜面にあって、辺りを圧倒する太さではある。

急斜面に圧倒する太さで

場所は、藤枝市瀬戸ノ谷高根 高根白山神社神域。昭和36年3月28日指定、静岡県の天然記念物である。「静岡県の巨木」によれば、幹回り7.6m、樹高42メートルとある。

登り以上に一歩一歩注意しながら、ようやく降り立ち、テントまで行きお礼を言った。頭の片隅で危ぶんでおられただろうから、無事降りて来た報告である。「芋穴所のマルカシ」の話になると、こちらは車で行けて、すぐの所にあるから楽に行けると、「楽」を強調する。今日はバスで下まで戻るから、マルカシは日を改めようと思う。(明日へ続く)

読書:「兄妹氷雨 研ぎ師人情始末5」 稲葉稔 著
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