平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「竹下村誌稿」を読む 260 駅路 31
来月、駿河古文書会の当番が回ってくるため、「茶一件」の資料を探していた。宮本勉氏監修の「茶一件裁判の記録」という本を見付けて、図書館の横断検索を掛けた所、所蔵する一番近い図書館は藤枝市立図書館であった。午前中、藤枝駅南の図書館に出掛けた。目的の本を探してもらい、市外の島田市在住だが借りられるかと聞くと、手続きをすればOKだと聞いた。早速、手続きをすると、10年前に利用者カードが作られているという。全く打ち忘れて、カードもどこへ行ったか解らない。100円払って再発行を頼んで借りて来た。
自分が在住する島田市では、「島田市緑茶化計画」という、緑茶による町おこしを、かなり力を入れてやっている。ところが、緑茶に関する各種資料は、島田市の図書館ではほとんど見ることが出来なくて、隣りの掛川市、藤枝市、静岡市まで足をのばさなくてはならない、お寒い状態である。言うなれば、活動の足元が決まっていない状態である。是非、緑茶に関する書籍、資料などを積極的に集めて、充実させてもらいたい。予算が無くても、お茶に関する書籍、資料の寄付を市民に募れば、歴史あるお茶どころなのだから、たちまち集まってくると思うのだが。
明後日は、島田博物館の講演会「牧之原開拓秘話」を聞きに行く。どんな話が聞けるか、楽しみである。
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「竹下村誌稿」の解読を続ける。「小夜の中山の題詠」を続ける。
月清集 後京極摂政
明方の さよの中山 露おちて 枕の西に 月を見るかな
同
雲は寝屋 月は灯(ともしび) 隠しても 明かせば明かる さよの中山
※ 明かす - 眠らず夜を過ごして、朝を迎える。
海道記 源親行
わけ登る 小夜の中山 なか/\に こえて名残りぞ 苦しかりける
東関紀行 源光行
踏みかよう 峰のかけはし 途絶えして 雲にあと問う 小夜の中山
富士歴覧記 中納言雅康
日の坂は ただ暮れぬ間の 名なりけり 道踏み迷う 佐夜の中山
あづまの道の記 尊海僧正
立ちかえり いつか越えなん とばかりと 頼めをきける 小夜の中山
袖比べて 香川景樹
あづま路の 花の盛りを 見つゝ来て みぞれにあいぬ 佐夜の中山
寄名所巒 栗田土満
※ 寄名所巒- 名所(などころ)の巒(みね)に寄せる
安波ゝ山 あわぬあやしも 佐夜の山 さやかに目には 見ゆるものかな
※ 安波ゝ山(あわわやま)-(次の「安波ゝが嶽」も同じ)掛川市にある粟ヶ岳(532m)のこと。山腹の茶の字で有名。
有雪 同
夕されば 佐夜の中山 風さえて 安波ゝが嶽に 積もる白雪
佐夜の中山 石川依平
峰の雲 ふもとの烟 夕暮れの あわれたち添う さやの中山
同 成嶋柳北
つたかづら 露をしぐれの 心地して もみじを急ぐ 小夜の中山
万代集
旅衣 たちし日数を 数うれば さやの中山 はや越えぬらん
佐夜の中山 編者
白妙の 富士の高嶺も はれ/\と 甲斐ヶ嶺も見ゆ 小夜の中山
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