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「家忠日記 五」を読む 35

(散歩道のムラサキシキブの花)

午後、駿河古文書会にて、静岡へ行く。

「家忠日記 五」の解読を続ける。

 天正十七年(1589)丑六月
 六月小
一日 丁丑 雨降り。神なり(雷)なる。会下へ参り候。
二日 戊寅 朝、雨降る。晩に雨降る。
      去る廿七日に、関白様、淀の御女房、御祝言候。若君様なり。
      殿様、七夜御祝い過ぎて‥‥‥
三日 己卯 長沢に北野与十郎、孫七殿、御成敗にて、少し手負い、退き候。
※ 退く(のく)- 引退する。
四日 庚辰 殿様技(儀)、御祝言御申して、      四日に京都まで御出で候由、申し来り候。
五日 辛巳 

六日 壬午 殿様、大津へ明日御付候とて、戸三郎右より申し来り候。
七日 癸未 大津へ舟にて越し候。竹谷与次郎同心、殿様、子刻に
      御舟にて御付き候。舟渡りにて、御目に掛り候。
      殿様へ関白様、銀二千枚、金弐百枚進ぜられ候。
八日 甲申 幸鶴舞い候。越し、大織冠、おいさか - 二番舞候
      殿様、中泉まで越され成られ候。
      深溝帰り候。竹谷備後所にふる舞い候。
九日 乙酉 会下へ参り候。鵜殿善六下向候。土用に入り。
十日 丙戌 雨乞いの連歌、よしの宮へ掛け候。夜、少し雨降る。

十一日丁亥 朝、雨少し降る。雨乞いの連歌候。夜より雷大雨降る。
      発句         玄佐
      大幣(おおぬさ)を 引き手も涼し 今日の雨
十二日戊子 雨降り。吉田本田十助越され候。
十三日己丑 朝まで雨降る。竹谷金左衛門広田越し候。
十四日庚寅 中嶋へ、堤築かせにて越し候。晩より雨降る。夕飯、永良修理所に候。
十五日辛卯 同日まで雨降り。崇福寺にふる舞いにて、深溝帰り候。
      京都より点取り候連歌越し候。手前点取り役候。

十六日壬辰 夕立。
十七日癸巳 夕立。
十八日甲午 夕立。同新次郎所に月次連歌にて、竹谷衆、形原衆越され候。
十九日乙未 吉田へ小年の礼に越し候。
※ 小年(こどし)- 小正月。
廿日 丙申 

廿一日丁酉 会下、順透にふる舞いにて越し候。
      宗入と云う、半俗伊勢衆抱え候。
※ 半俗(はんぞく)- 僧でありながら、俗人としての姿・形、また振る舞いをしていること。
廿二日戊戌 岡崎本田作左衛門所に、当礼に越し候。
廿三日己亥 雨降り。卯刻に大なえ。竹谷与次郎所に、点取りの連歌に越し候。
廿四日庚子 雨降り。竹谷逗留候。晩、松金左衛門所に、ふる舞いにて帰り候。
廿五日辛丑 雨降り。竹谷備後所に、昨日点取り連歌にて越し候。

廿六日壬寅 朝まで雨降る。
廿七日癸卯 雨降り。会下、如隠ふる舞い候。
廿八日甲辰 夕立。点取り連歌にて、竹谷衆越され候。
廿九日乙巳 雨降り。
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