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「家忠日記 六」を読む 7 小田原城開城

(庭のサルビア・アズレア)

頂いた苗の青い方の花は、サルビア・アズレアという花と分った。

「家忠日記 六」の解読を続ける。

 天正十八年(1590)寅七月
六日 乙巳 城中へ関白様小性衆弐人、この方にては、榊原式部大輔
      城請け取りに越され候。
※ 榊原式部大輔 - 榊原康政。徳川四天王の一人。式部大輔は官職。
七日 丙午 城中、関東衆皆々御出で候。
八日 丁未 地下人出で候。
※ 地下人(じげにん)- 日本における官人の身分の一つ。中世以降、官位を持たない名主、庶民等を地下人とも言った。
九日 戊申 地下人出で候。
十日 己酉 殿様(家康)、城へ御移り候。城中見物に越し候。

十一日庚戌 氏政、同弟奥州に腹を御切らせ候。
※ 氏政 - 北条氏政。後北条氏の第4代当主。父は北条氏康、母は今川氏親の娘瑞渓院。子に氏直など。
※ 奥州 - 北條氏照。北条氏政の弟。受領名を陸奥守と称した。

十二日辛亥 氏直は高野へ遣わされ候わん由候。荷馬当たり候。
      本田作左衛門所へ越し候。
※ 高野(こうや)- 北条氏直は高野山に追放にされた。翌年、赦免になり、河内及び関東において1万石を与えられ豊臣大名として復活したが、その年11月に病死した(享年30歳)。
十三日壬子 関白様、城中へ御成り候。
十四日癸丑 寺へ参り候。
十五日甲寅 

十六日乙卯 江戸表へ立ち候。柳嶋まで越し候。
      関白様は会津筋へ御成り候。
※ 柳嶋(やなぎしま)- 現、茅ヶ崎市柳島。
十七日丙辰 片平まで越し候。
※ 片平(かたひら)- 現、神奈川県川崎市麻生区片平。
十八日丁巳 江戸へ着き候。
十九日戊午 夕立。
廿日 己未 雨降り。明日三州へ帰り候え候由、御立ち候。
      御国替り、女子引っ越しの事なり。
      関白様は、奥へ御通り成され候。

廿一日庚申 片平まで帰り候。
廿二日辛酉 小田原陣場まで越し候。城見物候。
      氏直、高野候、昨日御上り候由候。
廿三日壬戌 腹中煩い候て、逗留候。箱根、亘って(一帯に)雨降り。
廿四日癸亥 興国寺まで越し候。
廿五日甲子 朝、雨降る。駿府まで越し候。

廿六日乙丑 腹中煩い候て、逗留候。
廿七日丙寅 夜より雨降る。
廿八日丁卯 夜、雨降る。
廿九日戊辰 雨降り。夜、大風、大雨降る。
      筑紫、豊後の屋形、関白様、御見舞いに御通り候。
晦日 己巳 雨降り。風止まず候。

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