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「家忠日記 一」を読む 4

(散歩道のユリオプス・デージー)

昨日と同じ黄色い花だが、たんぽぽとは違う。

「家忠日記 一」の解読を続ける。

 天正五年(1577)丑十一月

同十一日甲子 深溝へ帰り候。
※ 深溝(ふかみぞ)- 家忠の深溝松平家の領地、深溝(現、愛知県額田郡幸田町)。

同十二日乙丑 雪降る。
同十三日丙寅 鷹野へ出で候。

同十四日丁卯 緒河より蔵人越され候。
    この月の十四、五夜頃、□□□□□有り。

※ 蔵人(くろうど)- 蔵人所の役人で,機密の文書・訴訟をつかさどった令外の官。緒川の水野藤次郎の官職名か。確証はない。

同十五日戊辰 岡崎へ越し候。

家忠は領地には4日居ただけで、岡崎へ出向く。勤め方が、現代の出張がちなサラリーマンと変わらないのが面白い。岡崎は主筋の信康の居城である。

同十六日己巳 緒河、水野藤次殿より家中へ、□□‥‥
※ 水野藤次 - 尾張国緒川水野衆頭で布土城主の水野藤次郎忠分。

(十九日)壬申 会下に法門有り。雪降る。

同廿日 癸酉 鷹野へ出で候。
同廿一日甲戌 会下へ参り候。
同廿二日乙亥 雨降る。
同廿三日丙子 鷹部屋作る。
同廿四日丁丑 鷹野へ出で候。
同廿五日戊寅 鷹野へ出で候。
同廿六日己卯 鷹野へ出で候。
       会下に法門有り。

同廿七日庚辰 江湖僧衆へ振舞い候。

※ 江湖僧(ごうこそう)- 禅宗で、修学・参禅をする僧侶。

同廿八日辛巳 信康、家見に岡崎へ越し候。

同晦日 壬午 岡崎に逗留の六倶三城坊、
       榊原七郎右衛門所へ越し候。

※ 榊原七郎右衛門 - 榊原七郎右衛門長政。徳川四天王と呼ばれた、榊原康政の父。

 天正五年(1577)丑十二月
 十二月大
一日  癸未 信康、各国衆に会われ候。
同二日 甲申 深溝(ふこうず)へ帰り候。
同三日 乙  

十日  壬辰 深溝ばや。
       山にて江湖、薪、惣門前の‥‥
       儒衆会下まで届けられ候。

同十一日癸巳 鷹野へ出で候。

同十二日甲午 岡崎一世、深溝越され候。

同十三日乙未 西郡
       五井松平太郎左衛門所へ礼に越し候。

※ 西郡(にしのこおり)- 愛知県宝飯(ほい)郡にあった村。蒲形村と合併して蒲郡村となる。現、蒲郡市。なお、五井村も蒲郡に合併している。
※ 五井松平太郎左衛門 - 五井松平家は、松平信光の七男忠景が三河国宝飯郡五井郷を領したことに始まるとされる。当時の五井松平家第五代当主は、松平景忠(かげただ)。深溝松平家の本家筋に当る。
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