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「家忠日記 一」を読む 20

(庭のクンシランの種)

いつの間にか、クンシランが種を付けていた。大きな種で、春に植えれば芽を出すらしい。植えてみるか。

「家忠日記 一」の解読を続ける。

 天正七年(1579)卯正月
              
 天正七年己卯正月大   小年廿五才
             竹にしねんにつく(?)

同一日 丁未 家中衆、礼に越し候。

同二日 戊申 夜通し、浜松礼に下り候。
       夕は出仕、謡い初め候。立春。
同三日 己酉 松平玄蕃所にふる舞い候。
       浜松家中、礼にあるき、あらい(新居)まで帰り候。

同四日 庚戌 吉田、左衛門尉所へ礼に越し候て、深溝まで帰り候。
       酒左(酒井左衛門尉)は安土ヘ御使に越され候。

同五日 辛亥 出家衆、礼に越され候。
       会下の東主様ふる舞候。

同六日 壬子 戌刻にはやち落ち候て、あられ降る。

※ はやち(疾風)- はやて。

同七日 癸丑 丹羽隼人越し候。
同八日 甲寅 松平勘解由左衛門所にふる舞い候。
同九日 乙卯 岡崎より久志本法安、越され候
       未時より雨ふる。
同十日 丙辰 卯時まで雨降り。日待ち候。

同十一日丁巳 卯刻に地震候。祈勝候。夜雪ふる。
       岡崎一世越され候て、京の舛(升)屋越し候て、拍子候。
       戌刻におすえに火事出でき候えども、消やし候。

同十二日戊午 松平喜平所にふる舞い候。
       申刻なへゆる(地震)

同十三日己未 佳例の連歌候。戌刻より雨降り。
     発句
         春いく代 采女が候 古き宿 又は 

同十四日庚申 卯刻まで雨降り。
       松平与五左衛門所にふる舞い候。
       岡崎信康御礼、謡い初め越し候。

同十五日辛酉 爆竹乗り候。岡崎家中礼に歩き候て、深溝帰り候。
同十六日壬戌 
同十七日癸亥 夜雪なり。
       松平玄蕃礼に越され候。午時より戌時まで雨降り。
同十八日甲子 会下にふる舞い候。雪降る。

同十九日乙丑 家康岡崎へ越され候。岡崎へ越し候。
       嶋へ人をこし候。
同廿日 丙寅 家康、吉良へ御鷹のため越され候。

同廿一日丁卯 大坊にふる舞い候。午時より夜まで雨降り。

同廿二日戊辰 かりてい作らせ候。

※ かりてい(仮亭)- 深溝に家康を迎えるための仮亭であろうと思う。

同廿三日己巳 浜松より犬法(犬法師)越し候。
同廿四日庚午 
同廿五日辛未 
同廿六日壬申 一尺雪降る。

同廿七日癸酉 吉良大塚へ、家康御鷹野、見舞い越し候。
同廿八日甲戌 鵜殿八郎三郎殿、礼に越され候。

同廿九日乙亥 家康、吉良より深溝御帰り候。
       宇谷にて御酒迎い申し候。
       鷹の雁を下され候。
同晦日 丙子 


家康が鷹野の帰り、家忠の深溝城を訪れると聞いて、家忠は深溝の宇谷に仮亭を建てて、御迎えした。お酒を出してのお迎えの宴だったのだろう。家康は礼に、鷹野の獲物の雁を下さった。
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