平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「家忠日記 一」を読む 16
気温の上がらない寒い一日であった。夕方のムサシの散歩では夕陽の中、風花が舞った。
「家忠日記 一」の解読を続ける。
天正六年(1578)寅十月
十月小
一日 己卯 会下へ参り候。
同二日 庚辰
同三日 辛巳 ‥‥
同四日 壬午
同五日 癸未 丑時より雨降り、酉時まで。
同六日 甲申 在郷御礼に浜松へ、勘解由左衛門越し候。
※ 勘解由左衛門(かげゆざえもん)- 河合勘解由左衛門。永禄4年(1561)に酒井正親に付き、以来代々酒井家の家老を務める家柄であった。
同七日 乙酉
同八日 丙戌 鶉(うずら)突きに出候。
同九日 丁亥 西風吹く。
同十日 戊子
同十一日己丑 西風吹く、荒く。
同十二日庚寅 同西風吹く、荒く。門木引き遣し候。
はい鷹とまり候。
浜松酒井左衛門尉如雪より‥‥
作岡の河合勘解由左衛門債儀事、
公事候て、目安上げ候由申し来たり、早々
裁許仕り候由、申し来り候。
※ 門木(かどき)- 正月、家の内外に立てる生木のことで、門口に松を立てる例が多いので門松と総称されている。10月では少し早い気がするが。
※ はい鷹(はいたか)- ハイタカ。日本では、多くは本州以北に留鳥として分布する。オオタカと共に鷹狩に用いられた。
同十三日辛卯 鶉突きに出候。
同十四日壬辰 門木引遣し候。巳時より雨降り。
会下東‥‥越され候。山崎よりも藤左衛門と云う人越し候。
浜松へ河合裁許に勘解由を越し候。
同十五日癸巳 会下へ参らせ候。
鷹の消息。子刻まで雨降り。
同十六日甲午 東条舞へ越し候て舞候。
酉時より雨降り。籠作り遣し候。
同十七日乙未 丑刻まで雨降り。御家門様西条、近日御成候とて、
酒井左衛門所より番匠雇い越され候。
※ 番匠(ばんしょう)- 後の大工のこと。
寅刻まで雨降り。又酉時雨降る。
鷹野へ出で候。
同十九日丁酉 寅刻まで雨降り、西風荒く吹く。
酒井左衛門尉所より武田四郎出で候由、申し来たり候。
点取り誂諧。
※ 武田四郎(たけだしろう)- 甲斐の武田勝頼のこと。
甲斐の武田勝頼が動き出したとの報に、またまた戦いが始まる気配になる。
同廿日 戊戌 同点取の誂諧候。
同廿一日己亥 会下へ参らせ候。
同廿二日庚子 戌刻より卯時まで雨降り。
河合公事、前の如く仕り候へ共、御内‥‥語‥‥
出田作左衛門所より、鑓を五本越し候。
鷹野へ出で候。
同廿三日辛丑 戌刻より雨降り。
鷹野へ出で候。
大坊へ点取の、夜誂諧にて越し候。
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