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「徳さんのお遍路さん」と「杏が歩く!恋する東海道」

(庭の沈丁花のつぼみ)

いずれもBSの番組で、「徳さんのお遍路さん」(BSTBS)と「杏が歩く!恋する東海道」(BSJAPAN)という番組が昨日、今日と放映された。

「徳さんのお遍路さん」は運だけでアナウンサー業を渡り歩いてきたと自ら話す、徳光和夫さんが、四国遍路をするという、10月から始まった毎週日曜朝30分の番組である。アナウンサーの中で、もっともお遍路には遠いと思われる徳さんが、ビシッと遍路衣装に決めて、お遍路をする。そのミスマッチが面白くて、毎週録画して見ている。

一見、すべてを歩いて回っているように見えるが、遍路経験者から見ると、ほとんどを車で回っているのが分かる。先週、鶴林寺で次の太龍寺に向かうと言って下山し始めたのは駐車場への道で、遍路道はお寺からすぐに険しい下りの山道となる。今日はロープウェイに乗っている映像があったから、すべてを歩いているわけではないことは判ったが、言葉の端々に歩いて回っているらしく見せているのは、覚悟が悪い。もちろん、お遍路はどんな形でもよいと言われるから、それにはそれほど目くじらを立てるわけではない。

地元の方と立ち話するシーンが多く出てくるが、会話がどこかぎこちない。徳さんにお遍路の自覚がまだないからだろうか。あれだけお遍路姿にビシッと決めていながら、今御遍路で回っているという説明はいらない。お遍路姿を見れば判る。日頃身に付いたバラエティ的な悪ふざけを、サービス精神からか、会話の端々に入れる。相手がタレントであれば、突っ込みも貰えるが、一般の人ではするりと滑る。言葉が馬鹿丁寧なのは、一般の人には、親しみが持てない。その点、鶴べえさんの家族に乾杯は、一見乱暴な言葉遣いに感じるが、見事に一般人の心をとらえている。

「杏が歩く!恋する東海道」は、歴女として知られる女優の杏さんが、念願であった東海道の踏破に挑む番組で、しばらく前に、初回を見ていて、大井川を徒歩渡りするといって、杖一本持って本当に渡ってしまった。これにはびっくりであった。前回が丸子宿から袋井宿まで2泊3日の踏破で、ファッションモデルでもある大股な歩きっぷりには、すべてを歩くという意思が感じられた。

2回目の今回は、吉原宿から丸子宿までである。今回は流れの速い富士川を一人で手漕ぎのボートで渡ってしまった。蒲原宿では古文書を前に目を輝かし、何時間でも居たいと語った。そんな女性を始めてみた。古文書を読む勉強もしているという。「歴女」が流行語大賞でトップテン入りしたときに、その受賞者になったというのも頷ける。ちなみに、尊敬する歴史上の人物が新選組の永倉新八だという。永倉新八は、新撰組の中で、唯一明治まで生き延びて、天寿を全うした男である。彼が残した書物で、敵役でしかなかった新撰組が見直された。しかし、何とも渋い選択である。
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