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サンドバイパスシステムと「平成の命山」の工事現場

(「平成の命山」工事現場)

1月8日の書き込みで、袋井に出来る「平成の命山」について書いた。日曜日、バルーンダムを見学して、お昼にはまだ余裕があったので、「平成の命山」を見て来ようと話し、吉田インターから東名に乗り、掛川で下りて、エコパの脇を通り、小笠山をトンネルで抜けて行く。目指す「平成の命山」は袋井市の海岸寄りだろうと見当をつけて、国道150号線よりも海寄りの道を行った。工事が進んでいるなら、目に飛び込んでくるはずと考えていたが、袋井市を抜けて磐田市に入ってしまい、福田港に出てしまった。

福田漁港の東に、高さ10メートル足らずの高台が海に向けて延びて、公園化されていた。辺りの地形から見て人工的に土盛りして造られたもののようで、車を下に停めて登ってみた。少々の津浪ならこの高台に避難すれば避けられるだろうが、予想される最大値の津浪ではどうであろうか。公園の海側に、漁港の埋没と海岸浸食の状況を示した案内板と、工事が進んでいるサンドバイパスシステムの説明板があった。

福田港周辺の遠州海岸は東から浅羽海岸、福田漁港、太田川河口、磐田海岸、竜洋海岸、天竜川河口、遠州浜海岸、馬込川、中田島砂丘と連なっている。元々天竜川という砂の大供給元があって、海岸には広い砂丘が連なっていた。ところが近代化に伴い、ダムが出来、水利が進んで、天竜川の流れも弱まり、川砂の採取が進み、海岸に供給される砂が減って、砂丘が浸食される傾向が続いていた。

ダムの運用方法の変更、川砂の採取の制限など、砂の供給を増やす努力が続けられる一方で、福田漁港が整備されると、その防波堤に遮られて、砂が太田川河口や福田漁港を埋めるように溜まり、浚渫に多額の予算を費やすようになった。反対に、福田漁港の東側の浅羽海岸には、砂の供給が無くなって、侵食が激しさを増すようになった。

サンドバイパスシステムは太田川河口に溜まる砂をジェットポンプにより、海水とともに吸い込み、パイプで運んで、浅羽海岸に放出するシステムである。事業期間平成14~27年、目標土砂移動量、年8万立方メートル、総工費40億円だと記されていた。昨年には試験可動も行ったらしいが、見たところ、どこで工事がされているのか、景色の中には見えない。このようにほとんど知られることがなく進んでいる事業が、まだまだたくさんあるのだろうと思った。


(津浪避難タワー、そばに幼稚園がある)

帰りは国道150線を通ってみた。東へ向かって間もなく、南側の国道端で「平成の命山」の工事現場を見つけた。土盛りを始めたばかりのようで、完成までには、まだしばらくは掛かりそうであった。この地域には高台が全く無く、すでに所々に避難タワーが建っていた。タワーの強度は計算されていると思うが、土盛りと比べると、何となく頼りなさそうに感じる。潮風の地域だから、頻繁に塗装をしなければ錆が早いから、維持費もかかるだろうと思った。
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