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雨桜天王社神主の一件(6) - 掛川古文書講座

(南アルプス接阻大吊橋 - 長島ダム湖遊歩道)

午後、掛川古文書講座へ出席する。先月に続いて「雨桜天王社神主の一件」の文書を読んだ。翻字は難しくないが、読み下してみて、しっかりと意味を理解するのは難しい。経緯を知らないと理解しがたい部分もあり、外に関連する古文書が出てくれば理解できるかもしれないとは、講師の話である。

一 筑後儀、私ども両人失念にて、相談仕らず御許状頂戴致し候えども、装束剥ぎ取り候などと申し、別けて、天下様安全の御祈祷御神事に御間を欠き
候事、甚だ以って私ども心外に存じ奉り候、この儀、御本所様へ筑後伺い申し上げ候故、如何様とも致すべきの処、筑後方より、御許状相貰い候様に、大切の御許状にそむき差し留め候事、覚えなき儀と存じ奉り候、もっとも筑後我儘の了簡、御祭礼を欠き候に付、その節、右の趣、御領主表へ、私ども御願い申し上げ候処、差し欠(掛)かり神事差し障りに相成り候ては、宣しかるべからずと仰せられ候故、差様申し候

一 肥前父三門義、去る巳六月朔日、御宮にて山崎出雲座へ相なおり候事、誠に不届き至極(に)御座候、この儀は、恐れながら御聞き分け下さるべく候には、三門義は兼ねて心を病み気違いに御座候て、別けてその節、病気差しおこり御座候故、出雲に向い我儘申し候、出雲も兼ねて病気存じ居り候事ゆえ、相構い申さず候えども、仲間どもより差し心得、三門申し聞き、早速座席相改め申し候、この儀、筑後改に出雲と申し及ばざることに御座候えば、出雲儀は兼ねて右病気存じ居り候故、前段の通り構い申さず候

一 両社修理、大破の儀は、仲間相談仕り候、少々の儀は、雨桜天王は平尾長門、近藤淡路、六所大明神は私ども両人にて御普請等勝手に仕り候、この儀古来より致し来り候に付、先格を以って、当年六所大明神、鳥井拵え奉り候、肥前古来より御領主表へ三年に一度、御目見へ、年頭相勤め、御祝儀として、六所大明神、大麻大祓上げ申し来り候、その書付に神塚肥前と仕り差し上げ来り申し候、当正月の御礼には神主戸塚肥前と仕り差し上げ申し候
※ 大麻(たいま)- 幣(ぬさ)を敬っていう語。おおぬさ。
※ 大祓(おおはらえ)- 人々の罪やけがれを祓い清める神事。中古以降、6月と12月の晦日(みそか)を恒例とする。



右の条の返答書差し上げ奉り候通り、私共両人古来より両社大切に社役相勤め来り候、別けて例年九月廿五日には、六所大明神祭礼御座候、この儀、神子(みこ)を頼み、御湯を上げ仕り候、この儀に上村筑後などは一向差し構い申さず候、萬事古来より右の儀に御座候間、何分宜しく御沙汰、仰せ付けられ下し置かれ候様に願い上げ奉り候、以上

 天明六丙午年    遠州佐野郡下垂木村
     七月       六所大明神神主
                  中村因幡
                  戸塚肥前
 御本所様
     御役人中様


掛川古文書講座は今年度の座学は今日で終わり、来月は年に一度のフィールドワークで、古文書を読んできた集落の見学に行く。
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