河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

882- カラヤンとベルリン・フィル1977年東京公演ベートーヴェン・チクルス第一夜1977.11.13

2009-08-11 00:11:00 | 音楽

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1977年1977聴いたコンサートより書いてます。

前回ブログ881-の続き

19771113()19:00

普門館

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ベートーヴェン・チクルス第一夜

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ベートーヴェン/交響曲第1

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ベートーヴェン/交響曲第3

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ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮

ベルリン・フィル

このときの感想をメモにとってあるので、ほぼ、そのままアップします。

以下です。

まず、ここは音楽会用のホールではない。“p”はまだしも、“f”はそれほど強く鳴らず、どうしようもない。ばかみたいに広いホールである。

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カラヤンは嫌いだった。が、なぜ嫌いだったのかよく考えたら理由は何もなかった。今まで、くだらない雑誌の批評にいかに自分が毒されていたかよくわかった。

最初にその姿をみて感じたことは、背中がしゃきっと伸びていたことだ。前の来日の時の姿をテレビで見ていやに腰が曲がっていたのでおどろいたことがあるが。

しかし、そんなことは関係ない。

ベルリン・フィルはなんとカラヤンの動きに即した音を出すのだろう。終始、両手は滑らかな動きをするが、出てくる音もまた角のない、とろけるような音を奏でるのである。

“f”はちょっとこのホールでは判断できないが“p”およびアンサンブルはほかのオーケストラはほとんど問題にならないくらい上手であると簡単に書けるほど、安いアンサンブルではない。開いた口がふさがらないとはまさにこのことだ。あんなに個々人がゆらゆらと動きながら音楽を奏でるオーケストラを見たことがない。

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たしかに手慣れた感がなくもないが、それが悪い方向に向かっているとは必ずしも言えない。抜群の表現力である。

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さて、第1番であるが、ホールのせいでダイナミックレンジが異様に狭まっているが、繊細さで最高の表現力を見せる。第1楽章は非常にゆっくりした序奏から、するりと軽やかな第1主題に入る。音はやや明るく、現代の音となっている。第2楽章は予想通りやや速めであり、カラヤンの今までと同じような表現であると思う。

3楽章はおそく入念。ベルリン・フィルのアンサンブルはものすごい。いくら音が明るく、カラヤンがそのような性格であったとしても、ベルリン・フィルの純ドイツ的な性格はいかんともしがたい。フルトヴェングラーであろうがカラヤンであろうがベルリン・フィルの音である。音色は変わるが音の性質は変わらない。

4楽章はひたすら最後の音に向かって突き進む。

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エロイカは、聴き逃せないもののひとつである。この黒く光るような音はベルリン・フィル特有のものだ。カラヤン、ベーム、フルトヴェングラー、そして、クリュイタンス、誰が指揮してもこのような黒く光る音が出てくる。

1楽章、カラヤンは例のごとくものすごい爆進力で進んでくる。しかしそのスピードは第2主題にきてゆっくりとなり繊細を極めるようになるのである。あのスピードの加減にはまいってしまう。だけど第1主題の速さにはついていけない。重いよろいを着たドイツ兵が風のように走り抜けるのはいかにも不自然である。ここはスケルツォ、トリオじゃない。

2楽章、ベルリン・フィルのアンサンブルは最高度に発揮される。ピッチを合わせるのも簡単な技ではないのに、一見やすやすと“p”のハーモニー、“f”の和音を同じような感覚で奏でてしまう。

3楽章、これは第1番の第3楽章と違って完全なスケルツォで表現している。ホルンの抜群のアンサンブルと響き。

4楽章も軽快に事は進んでいく。僕には音が流れるだけで満足だった。

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カラヤンとチェリビダッケは音楽のつくりがまるで違うが、お互いに最高の演技力をもっている。そして芸術を表現するに必要な演戯力も。

おわり

といった酷い文だが、今ならこれをメモ書きとしてイメージを膨らませて10倍ぐらいの量の文章をかけそうだ。いつか楽しみに。

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881- カラヤン、ベルリン・フィル 1977年東京公演

2009-08-10 00:10:00 | 音楽

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1977年の聴いたコンサートのことを書いてます。

この年の11月、カラヤンとベルリン・フィルの組み合わせで5回目の来日。

その前の月はチェリビダッケが来日して名演を繰り広げた。

877-

878-

一か月もしないうちにカラヤンとベルリン・フィルである。なにやら因縁めいていると思うのはこちらの思いすごしだろう。

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カラヤン&ベルリン・フィル5回目の来日公演プログラムはベートーヴェン・チクルス。

(このときの来日公演は大阪フェスティヴァル20周年記念ということで、大阪での公演がありましたが省略。東京公演のみのお話。)

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東京公演:普門館

ベートーヴェン・チクルス

197711

13() 第1番、第3番◎

14() pf協第3番、第2番◎

15() 第4番、第7

16() 第6番、第5番◎

17() 第8番、pf協第5

18() 第9

*◎は河童潜入

東京公演6回のうち3回聴いた。

チケットは銀座8丁目のヤマハの地下の楽譜、本売り場に並んだと記憶する。朝始発の電車で出かけヤマハについたときは既に並びが出来上がっていた。

そのうち係の人が来て整理券を渡すので8時頃に来てくれればいい、というような話になりマイアミかどっかで時間つぶしをした記憶。あれは銀座の鋪道が薄く濡れるような小雨模様の日だったように思う。後になって思い起こすと本気になって並んでチケットを買ったのは後にも先にもこの公演ぐらいだったような気がする。今でも。

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残念だったのは、今は吹奏楽の甲子園となっている普門館という、当時コンサート好きには名も正体も知らぬ大ホールでやったということ。丸ノ内線の延伸地下鉄で方南町という駅までいき、そこからだらだらと小10分どこかもわからずさまよい続け、やっと着いたら音響極悪のイベントホールであった。

なんでここまできてこんなホールで“音楽”を聴かなければいけないのか。誰を恨んでいいのかもわからず、かといってむくれて帰るわけにもいかずで。

主催側だけ悪いのでもなさそうだ。落としてくれるお金は多いほうがいいし、回数は少なめにして滞在期間も短めで切り上げたいだろうし、ネームヴァリューを考えたら集客にはこれ以上の組み合わせは無いわけで必ず稼げる。みんなハッピー。音だけ最悪。

翌々年同組み合わせできたときや、そのほかのオーケストラ公演なども、さすがにみんなの閉口で改善?されたのか、音響板みたいな、立て板に水のようにはならなかったが、とにかくそんな板がかろうじて文化水準をギリギリで踏みとどまらせてくれたりした。

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なにはともあれ来日しなければ国内の有名度があがらいのが日本である。いくら凄腕のオーケストラ、室内楽、ソリスト、団体でもとにかく日本で演奏してくれなければ話にならない。1970年に来日を果たしたジョージ・セルは日本に刻印を残したが、同年来れなかったジョン・バルビローリはいまだにそして永遠に空想の世界。

まずは来て生を聴かせてくれ、ということだ。

カラヤン&ベルリン・フィルは東京で6回連続公演という忙しさではあったが、圧力のかかる曲ではあるが、演奏的にはほぼルーチンワークに近いものがあり、あとは精神の安定とある程度の緊張感がそろえば並の演奏はできる。予想していなかったのはこのホールの音響のことだけだったと思う。聴くほうも。。

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それで、河童は6公演のうち3公演聴いたのでその模様(心模様)をブログで次回からアップします。

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880- ニューヨーク・フィルハーモニック全公演記録「を」完成

2009-08-09 11:41:59 | 音楽

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河童さんを追い越してフィルハーモニックが全記録公演をホームページで公開。

NYP performance history

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これで今まで正規盤ミス、海賊盤いいかげん、不明不詳、等のライブに関する演奏日データの矯正が可能となった。

特に、演奏日と放送日(BCbroadcast)の混乱はかなり解消される。放送日を演奏日としているメディアがかなり多く、これはすっきりする。

プログラムを実際に見れば、放送予定日が記載されているのでそれはたちどころにわかるのであるが、このデータベースではそこまではアップされていない。データ好きのアメリカ人なので詳細は全部作成、保存されているとは思う。

今までの録音データでちょっと気になる表記について一言。

アメリカの日付表記はMM/DD/YYYYである。

2009年5月31日は、05/31/2009。

ヨーロッパは一般にDD/MM/YYYYであるため、

31/05/2009となる。

紛らわしいのはアメリカのオーケストラの自国での演奏録音CDでも、ヨーロッパで発売されるとヨーロッパ表記になってしまうこと。

31/05/2009となってしまう。イタリアの海賊盤、だけでなく正規輸入盤でも同じなので混乱。

31/05/2009の例だと「31」は月ではなく日だと認識できるので良いが、

11/05/2009だとCDの発売国のことを横目に見ながら確認する必要がある。

それで、NYPの公演記録について戻ると、のべたんで全部一度に俯瞰できる資料の開示が望まれるところであるが、他のオーケストラ、歌劇場などもそうだが、全部一度に見れるものはでていない。そこまでは出せないということなのか。。

それにしてもだ。

河童さんは追い越されてしまいました。自分なりのデータベースは別の形でいつかアップします。ブログではなくHPとなります。

NYPの正規録音については、以下の本をご覧ください。

NEW YORK PHILHARMONIC

The Authorized Recording

1917-2005

A Discography

JAMES H.NORTH

The Scarecrow Press,Inc

全439ページ

この両方を同時に見ると、レナード・バーンスタインの火が吹き出るようなスケジュールのサブスクリプション・コンサート、合い間を縫ってのセッション録音、まさに偉業というにふさわしい足跡をまざまざと俯瞰できるのである。

日本でN響をはじめとする外国人借り物音楽監督、常任指揮者等、1シーズンたかだか何回しか振らず、それで「~就任披露演奏会」など、何がお披露目なものなのか、この演奏会お題目むなしさを通り越し恥ずかしくさえある。

時代が変わったと言えばそれまで。多様性を求めるトレンドは止められない。指揮者が手薄になった、などと云うのはしょうがない話で、多様性の時代にふさわしい棒振りが多くあらわれていないのは才能の掘り起こし、システムが昔のままなのか、それとも枯渇なのか。

文化の平板化はオーケストラの平板化という形で音に表われてきているのも、指揮者のそれと同じで、多様化が平板化を生んでいる。なにやら逆説めいているが、要は、多様化というのはそれぞれの局所における多様化、どこにいてもなんでも同じものが手に入る聴けるという多様性を求めてしまったその呼び名であり、結果、文化の平板化は当然と云えば当然かもしれない。

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879- ビュルガー・ブロイケラー ルドルフ・ケンペ ブルックナー5番 今回はちょっと怪しいXRCD24

2009-08-06 23:32:00 | 音源

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ブルックナー/交響曲第5

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ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィル

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JVC JM-XR24211 ¥3,800

録音:1975525-27

セッション場所:ミュンヘン、

ブリュガー・ブロイケラー!!!!!!!!

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昔、テイチクかチューダーレーベルからでていたケンペのブルックナーがXRCD24のカッティングででた。

4番と5番の両方発売で、5番は2枚組。それでまず5番のほうを聴いてみた。

結果は、今まで出たXRCD24ほど圧倒的なサウンド感は無かった、というのが率直なところ。チューダーのLPでは柔らかなサウンドだったと記憶するが、今回のほうは結構荒い。これは演奏が荒いわけで、その荒さがよくわかるカッティングとなっている。

ただ、演奏だけでなく録音も同じような傾向なのだ。低音はかなりボテ系。

ライナーのデータには、

LPレコード用に当時BASFから日本に送られた音源をリマスタリングしたものです。

と書いてある。

購入前のシールされた状態では、この文章を見ることはできない。どこにも書いていない。

見えるところに書いてあったら、たぶん、購入していないと思う。

早い話、ダビングしたテープが今回のオリジナルということになる。限界あり。

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演奏で言うとブラスには技術の限界がみえる。ケンペの音楽の運びがわりとルーズというか、いつものような丁寧さが感じられない。これは金管に対してだけなのかもしれない。限界が知れているとわかっていても限界以上の解釈で突き進む。セッション録音なので、取り直しができるだろうが、取り直しても同じなんだね。きっと。

名盤になるには今一つ決め手に欠く演奏だなぁ。

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878- チェリ初来日のプログラム 1977

2009-08-05 22:48:00 | 音楽

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昨日の続きです。

チェリビダッケ初来日の棒は4回のみだった。

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197710

18()19:00東京文化会館

19()19:00東京文化会館

メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲

ラヴェル  組曲「マ・メール・ロア」

バルトーク 管弦楽のための協奏曲

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197710

28()19:00神奈川県民ホール

29()19:00東京文化会館

ベルク/ヴァイオリン協奏曲

 ヴァイオリン、ロニー=ロゴフ

ブラームス/交響曲第4

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セルジュ・チェリビダッケ指揮

読売日本交響楽団

1018日初日の今も昔も歴史的な演奏会を観ることができたわけだが、その日購入したプログラムを見てみると、チェリビダッケの写真が載っている。この写真は日本に足を踏み入れたあとに国内で撮られたもの。

10日の来日の際のもの、11日の記者会見、12日の初練習が載っている。

プログラムを作成するにもそれなりに日にちがかかるはずだから、初日の公演までいかに何日もの練習を行ったかわかる日程となっているのである。たしか、練習は6日間と当時はうわさされていて、こうやって指を折ってみると確かにそうだ。

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河童は初日の演奏会で気力体力を全部使い果たしてしまった。聴いたこともないような音が日本のオーケストラから出た日であったが、あれはもし録音されていたとしても、しびれるようなピアニシモのニュアンスまでは拾えないと思う。チェリのコンサートはその傾向が昔からあり、NHK-FMから流されていたシュトゥットガルト放送響とのすばらしい演奏ライブも、なにかフォルテシモ部分のニュアンスを主に聴いていたような気がした。

生で初めて全てのことが氷解したような気分になったものだ。

当時の評の新聞切り抜きもアップ。

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877- チェリビダッケ初来日 読響 本当のピアニシモ 1977.10.18

2009-08-04 22:18:00 | コンサート

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1977年に聴いたコンサートから


チェリビダッケが初めて日本で指揮をしたのは、単独来日で、読響を振ったものであった。
あのときどうやってチケットを買ったのか今では全く記憶にない。
当時は「歴史が来た」という感覚。
フルトヴェングラーからつながる歴史上の人物が、日本に来た。

1977年(昭和52年)10月18日(火)
東京文化会館

メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲
ラヴェル  組曲「マ・メール・ロア」
バルトーク 管弦楽のための協奏曲

セルジュ・チェリビダッケ指揮
読売日本交響楽団

指揮者があらわれる前の入念なチューニングから、それははじまった。
弦が1セクションずつチューニング。
アマの音合わせのように緊張気味。
しばらくこの状態が続き、やむ。
「し~~~~ん。」
静かさが耳に痛い。
「し~~~~ん。」
「ごくり、」
誰かが緊張のあまりつばを飲みこんだらしい。
「し~ん。ごくり。」

そして、ついにあらわれた。非常におそい足どりで。
声にならない聴衆のため息。
長い空白の後、音があらわれてきた。

「真夏の夜の夢」は最初から最後までピアニシモの音楽であった。
音は流れるというよりも、蜘蛛の糸みたいに妖しくもつれる。
ときには止まりそうになる、ピアニシモのままで。
一瞬、感覚が麻痺した。
忘れてはいけない、ピアニシモでフルートが奏した最後の音と、拍手までのあの異常に長い空白を。

「マ・メール・ロア」も徹底したピアニシモの音楽。
フォルテは最後の音だけ。
最後の音をフォルテで出した後、息と音と混合したようなものがすーっと残る感覚。
シューベルトの9番と同じ。

「管弦楽のための協奏曲」
静止した印象。
音色変化のものすごさ。それもピアニシモで。

音楽が全て終わったとき、指揮者は指揮台からゆっくりおりて楽員をたててから、深くお辞儀をする。
音楽の本当の姿。
指揮者によって、なんと音が変わるのだろう。
ピアニシモと音色の変化こそ音楽。

労音会館ホールで見た長編音楽記録映画「フルトヴェングラーと巨匠たち」で、チェリビダッケの指揮した「エグモント」序曲。
戦争当時のがれきの山の上で指揮したあの姿。
ピアニシモのとき、ほとんど手は振らないが、盛り上がってくると昔のあの姿がそのまま、この現実と化すのである。
フルトヴェングラーとともにベルリン・フィルを振っていたあの姿が現実にあらわれた。

しかし、演奏はなんと非現実的なのだろう。
遠い世界に行ったような気がする。

そして、また現実。
チェリビダッケの得意の腰の横振り。
流麗な棒さばき。
入念な指示。
音楽、芸術とは真剣な演技ではないか。
舞台の上で行う演技ではないかと思う。
演技が本物を表現するあかし。
聴衆は演技をみて心から酔う。
現実と非現実の合体が、今の現実。
高尚な芸術もある。そして、よごれた現実もある。
自分のしたいようにする。
それでよいのだろうと思った。
チェリビダッケの演奏を聴いて、指揮姿を見て。

音楽を聴いてこんなに考えさせられたのははじめてだ。

バルトークの一番最後の音で、ものすごい声をだした。
あれは僕の最前列を通り越し、いったいどこまで届いたことやら。
新世界のコーダを思い出す。

さしだされた花束をもらい、その中から一本ちぎってコンサート・マスターへ。

左足の痛そうなのが気になった。

チェリのサインと握手をしたあの手と笑顔も忘れないでしまっておこう。

ぎこちないが、その動作一つ一つが僕には印象的だった。

この演奏会の10日後、ベルクのヴァイオリン協奏曲などの演奏会を開いた。

この日から日をおかず、
カラヤンとベルリン・フィルが来日する。
おわり

876-1 石井眞木、ハチャトゥリアン、フルート協奏曲、ランパル、オケコン、岩城宏之、N響、1977.10.12

2009-08-03 22:31:00 | コンサート

1977年10月12日(水) 6:45pm NHKホール

石井眞木 日本太鼓とオーケストラのための「モノ・プリズム」op.29
  日本太鼓、小口大八と御諏訪太鼓

ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(ハチャトゥリアン作曲/ランパル編 フルート協奏曲)
  フルート、ジャン・ピエール・ランパル

Int

バルトーク オーケストラのための協奏曲

岩城宏之 指揮 NHK交響楽団


この演奏会は完全に記憶に残っていて、記録メモが見つからないもの。記憶有り記録無し。

記憶に焼き付いているのはランパルのフルートの音がNHKホールを揺るがしたから。とんでもない響きに唖然。
上背があって大柄のランパルが紳士然とステージに向かい、おもむろに始まっていきなりこのデカい音。びっくり。

曲自体は全く分からず、そもそもヴァイオリンコンチェルトも知らないレベルで聴いたので、今となっては大きな人が大きな音で難しい曲を吹き尽した、それはしっかりと記憶。

あと、1曲目の石井作品は太鼓を使うもので、バカでかいNHKホールでも壊れそうな大きな音と記憶。音のデカい日だった。


NHK-FMは例によって3曲バラバラに翌年放送。当時も今もとにかく放送番組の時間内に収めるようにするにはどのように切り貼りすればいいか、という発想しか無くて、アメリカのようにまるごとやるという発想無し。当時、放送をコンピュータで制御していたのかどうか知らないが、そんな理由だったと記憶。タイムチャートは変えられない、みたいな理由ですね。日本的と言うか。

1977年当時、NHK-FMのライブ中継をしていた記憶が無くて、もしかしてライブ中継有り、翌年再放送だったかもしれない。
1980年前後にはライブ放送がやられていた。当時、N響の演奏会は6時45分開始。ライブ中継は7時から。だから、1曲目の生放送は出来ない。7時から2曲目以降の生放送をして、それが終わったところで1曲目の放送をする。ので、1曲目はテープ収録だから生ではない。

色々と思い出す。
おわり


876- 岩城宏之 ラーザリ・ベルマン N響 1977.10.7

2009-08-03 22:30:00 | コンサート
1977年10月7日(金)18:45 NHKホール

ショスタコーヴィッチ/交響曲第9番

広瀬量平/尺八と管弦楽のための協奏曲
  (昭和51年度「尾高賞」受賞作品)

チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番

ピアノ、ラーザリ・ベルマン
岩城宏之 指揮 NHK交響楽団

ベルマンは当時日本でかなり名が売れていて、ベルマン旋風が吹いていたのかしら。
ずんぐり体型で見た目はあまりパッとしなかった。
音がかなり重く、ロシアの大地のような感じで、まず芯で土台を作ってその上で旋律を流していくような骨太の演奏だ。
アンコールを2曲やって、うち一曲は前日聴いた朝比奈隆大阪フィルのアンコールと同じトルコ行進曲。

岩城としてはプログラム最後の曲で伴奏を務めるというのは本意ではないだろう。そのせいか、本領をいかんなく発揮したのはショスタコと、広瀬の新曲。特に広瀬のほうは曲以上のインスピレーションのある棒で見事な振り様というしかない。
おわり

875- 朝比奈隆 東京公演 田園 英雄 1977.10.6

2009-08-02 16:14:24 | 音楽

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1977年聴いたコンサートより書いてます。

既に書いた824-と同じ内容です。

主催:関西交響楽協会

昭和52年度文化庁芸術祭協賛

大阪フィルハーモニー交響楽団特別演奏会

楽団創立30周年記念

ベートーヴェン歿後150年記念

1977106()7:00pm

東京文化会館

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ベートーヴェン/交響曲第6

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ベートーヴェン/交響曲第3

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(アンコール)

モーツァルト/トルコ行進曲

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朝比奈隆 指揮 大阪フィル

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この日上野のホールで聴きました。

河童のこの感想ではファンに怒られるかもしれないが、帳面の活字をそのまま写し書きしてみます。

なんといってよいのかわからない。音色は素朴である。音色に変化はほとんどない。ブラスは立派だが弦とのバランスが悪い。

しかし、何かがあったような気がする。

要するに大阪フィルは生で聴くべきのような気がする。

弦のピッチが悪い。

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今日の聴衆はグロテスクであった。

この指揮者は非常に謙虚であった。ただし、グロテスクな聴衆に対して。

音楽に対しては一見たんたんとしているようにみえるが実は大胆。

メモをそのまま書くとこんな感じになってしまう。

プログラムが残ってますので、表表紙、裏表紙含め12枚アップしておきます。興味のある方はご覧ください。

宇野さんのまるでLPのライナーノートのような文が当時の生々しさを伝えてます。

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ところで、最近この日の録音がでた。以前確か一度出たことがあると思うのだが、今回のは異常な音だ。マスターテープ・ダイレクトカッティングのXRCD24。

プログラム後半のエロイカだけだが、あまりの素晴らしいサウンドに体がのけぞった。。

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朝比奈隆生誕100周年記念

待望の初XRCD化

ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」

朝比奈隆 指揮 大阪フィル

JVC JM-XR30007

定価\3,465

2009.3.25発売

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本当にこの日の演奏なのかと耳を疑う。マイクがあった記憶はないのだが、特別演奏会なので上野まで出かけて聴いてみたという記憶もあるので、それなりのセッティングはあったのだろう。

それにしても、ヴィオラからチェロ、そしてコントラバスのサウンドの安定感とその広がり。見事なサウンドというしかない。まるで指揮者のいるポーディアムから聴いているような(たぶん)、そんな横の広がりと奥行き感。

オーケストラの切れ味は今一つだかそんなもの指揮者が求めているもんでもあんめぃ。

そんなことよりこのエロイカの安定感。ベートーヴェンに身を浸す心地よさ。全団員渾身の必殺充実度。

30年以上前の記憶のはるか上をいくサプライズの演奏と録音のCDでした。

拍手付き。

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