河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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894- 室内楽 ウンスク・チン 2009.8.24 サマーフェスティバル2009

2009-08-27 00:59:00 | 音楽

Scan10058

サマーフェスティヴァル2009

<MUSIC TODAY 21>

より

今日は今回のテーマ作曲家ウンスク・チンの室内楽の特集

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2009824()7:00pm

サントリーホール、ブルーローズ

10分遅れで始まったその1曲目、明りがいきなり中央の吉原すみれを照らすなか演奏開始。トイレットペーパーを破り、段ボール箱から布切れを出しステージに捨てまくる。

こんな感じで始まったMUSIC TODAY21は終演が22時を越え、それでも最後までほとんど帰らぬ客はいわゆるクラシック音楽の聴衆と一線を画す。

帰りに口ずさむような音楽ではないが、聴き手に与える緊張感が心地よい。

今日聴いた音楽は、昔1970年代頃の現代音楽を想起させる。今、流行りの(ネオ・クラシック+ネオ・現代音楽)みたいな雰囲気はない。30年前のガチガチの本格的ないわゆる現代音楽を完全に想起させる。

この作曲家はこれからだと思う。ヨーロッパ30年前の現代音楽の思考回路に到達したのであり、真の自分の表出はこれからのような気がする。

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●一曲目 約15分 日本初演

ウンスク・チン/アレグロ・マ・ノン・トロッポ

      ~打楽器とテープのための

 打楽器:吉原すみれ

 ライヴ・エレクトロニクス:有馬純寿

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トイレットペーパー、ぼんぼん時計、水、他、それにいわゆるパーカッション。山のような打楽器鍵盤楽器が音をたてる。

吉原はその今出る音に集中する。しかしイメージは常に先の先まで見ている。非常に流れの良い、見通しのきく演奏であり、これだけごった煮の曲を一瞬の停滞もなくすすめる。さすがだと思う。ステージ上のプレイヤーは吉原のみであり、ある意味やりやすい、しかし全部見える。

最後は、散らかしたものを段ボールにしまい、最初の行動の反転のように終わる。

音響音楽をこれだけ推し進めたのに形式は昔のまま踏襲といったスタイルはいわゆる昔の現代音楽が抜け出せなかった罠であり、やはりそうなのか。これも。。

いずれにしても、いつものクラシックなワールドとはなんとかけ離れた世界だろう。もうひとつの音楽世界が、宇宙の先の火星あたりで輝いているようだ。

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●二曲目 約15分 

ウンスク・チン/3つのピアノ・エチュード

 ピアノ、中川賢一

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12曲のエチュード。まだ創作中らしい。

今日の演奏は165番。

今日の演奏の中では一番つまらなかった。まず、音色変化がない。ピアノによる一本調子の演奏であり、角が立ったこれも昔の現代音楽のようだ。突っ立った音と、反射しあう音たちの響きの融合。曲の技が音楽というものの表現と必ずしも一体化していない。

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●三曲目 20分 世界初演

イリャリン・チャン/BENU

  ~マリンバ、ヴィブラフォンと大アンサンブルのための

 マリンバ:加藤訓子

ヴィブラフォン:宮本典子

 杉山洋一 指揮