1977年観たコンサートより。
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1977年4月8日(金)18:45
NHKホール
N響定期第718回
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矢代秋雄/ピアノ協奏曲
ピアノ、中村紘子
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マーラー/交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
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ミヒャエル・ギーレン指揮NHK交響楽団
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夜の歌の生接触はこのときが初めて。それまではクーベリック指揮のバイエルン放送交響楽団のLPしか知らず。でもこのLP、擦り切れて溝が白く彫れるまで聴いていた。だから曲自体は知っていた。ただこうやって生で聴くマーラーの7番の圧倒的な音楽はまた格別。
この時代、マーラーの第5,6,7番あたりは演奏困難などと言われていた。別にプロの団体が演奏困難なわけではなく、演奏は出来るがまともな演奏ができないということで、演奏の先にあるものが余裕とともに見えてくるようなものではなかったということだと思う。確かにそうだったかもしれない。やればいいっていうもんでもない。
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とはいってもこの日の演奏。なにが今でも覚えているかというと、第5楽章の最後、ブラスの滑りこむような遠近感。あの素晴らしさは耳から離れない。ギーレンがこの曲をN響に移植した。
レコーディング、演奏史を垣間見ると、西欧ではマーラー演奏は解釈の多様性まで含め、既に一回転以上していた感があり、そのことは別の日に書くが、振る方は余裕の棒だったのだろう。聴く方は千歳一隅のチャンスであり、N響1プログラム二日制でもあり、翌日もゴー。
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前半のピアノ協奏曲については、鍵盤に貼りついてみぎひだり動く中村さんが地を這うような姿でもあり、困難な曲だったのだろうと思いをはせる。
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この日の演奏会の模様は、NHK-FMで同年10月30日(日)に放送されました。
その際のタイミングは以下の表記となっております。
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Ⅰ20′48″
Ⅱ14′33″
Ⅲ9′07″
Ⅳ12′37″
Ⅴ16′25″
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カビが生えていなければ、TDKのカセットテープにある。
オープンリール・テープ、カセットテープは一時、DATにコピーしなおしたりもしたが、十分できないうちに時代が流れている。
この7番のタイミングは演奏によりいろいろと面白いものがある。今週再度書いてみようかと思っている。