河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2638- ブラームス、ピアノ協奏曲第2番、モーグ、交響曲第2番、ローレンス・フォスター、新日フィル、2018.11.17

2018-11-17 18:59:26 | コンサート

2018年11月17日(土) 2:00-4:10pm トリフォニー

ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.83  18-9-13+9
 ピアノ、ヨーゼフ・モーグ

(encore)
ブラームス 4つのピアノ小品op.119 第1曲 間奏曲  4

Int

ブラームス 交響曲第2番ニ長調op.73  15-9-6-10


ローレンス・フォスター 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


ローレンス・フォスターと聞くと何故か懐かしさがこみあげてくるのだが、今日の棒は花が咲いたようないい演奏を引き出してましたね。本当にじっくりと味わった。美味しかった。
2番シンフォニーが殊の外大きい構えで、ヘヴィーなコンチェルトと併せ、巨大な2作品を堪能、手応え十分、満点の内容でしたね。

ピアニストも指揮者も気力がものすごく充実していて、どっち向きこっち向きというこが無くて、双方のやる気度ベクトル一致、シナジー効果もあり、盛り上がりが盛り上がりを生む。結果、偉大な作品がさらに偉大に見えてくる。

ピアノのモーグは大人の音楽家といった雰囲気が漂う。弾き始めにやや不安定なところがあったが淡々と揃えていく。曲がデカすぎでゆるゆるぶかぶかになりそうな気配は微塵もない。十分な大きさで作品に立ち向かっている。
太いとも細いとも言えない、中庸の細さ。クリアで明快な響きを醸し出す中庸の細さ。まあ、ズボンのベルトでいうと緩くもなくきつくもなくちょうどよい締め具合。ズボンはさがらないしお腹がきつくなるというわけでもない。ちょうどよい。
自身の音を確かめながら進むピアノは大きな作品に立ち向かっている充実感がよく見えてくる。よっぽど得意な演目なのだろうし、また、合っているんだろうね。
フォスターの伴奏がいい。ピアノと同じような鳴り具合。余裕をもってじっくりと吹き鳴らす。弦のズシーンとした深い響きもいいですね。安定した進行のオーケストラにはモーグと同じように聴きながら進める余裕があって音楽が大きくなる。それぞれの旋律がよく歌う。
ホームホールで鳴らす安心感、心地よさ、ゼロからのスタートではなくて響きがわかっている一線からの音楽づくりであり、そういったことも実感させてくれる。ピアニストにもそういった利点が波及していたように見えました。いい演奏でした。味わい尽くしました。

後半のシンフォニー。
実に悠然とした歩み、ぶ厚い響きのブラ2を堪能。タップリと厚みのある弦楽合奏、奥行き感がよく出たウィンドとブラス。対旋律を割と濃く振るフォスター棒はもの凄く雄弁。ゆっくりとした流れに音が途切れることは無い。末梢神経まで血が通った演奏はプレイヤー達納得のフォスター棒への共感度が頂点にあるのだろう。
自然と大きな構えになった演奏でこのシンフォニーが巨木の森のように思えてくる。スケールの大きな演奏でしたね。手応え十分な2番。
大方埋まった客席、午後のひと時、いい時間が過ぎていきました。
ありがとうございました。
おわり