河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2592- 魔弾の射手、皇帝、シュテファン・ヴラダー、ブラームス4番、高関健、東京シティ・フィル、2018.7.29

2018-07-29 20:31:45 | コンサート

2018年7月29日(日) 3:00pm ミューザ川崎

ウェーバー 魔弾の射手、序曲  9

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73皇帝 18-7+10
 ピアノ、シュテファン・ヴラダー

(encore)
リスト コンソレーション第3番変ニ長調  5

Int

ブラームス 交響曲第4番ホ短調op.98  12-11-6-10

(encore)
ブラームス ハンガリー舞曲第1番  3

高関健 指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


埃が一掃、ワイプアウトされたスッキリエンペラー、音楽に内包された技量というものはこんなにも自然なものなんだとうなるばかり。素晴らしい。

ヴラダーのピアノは腕の動きに明らかに一つ上の余裕というものがあって、どこからでもなんでもできる。色合いの変化、アドリブ的崩し、音符・休符、等々の出し入れが自在、見た目、思いついた瞬間にいろんなことをしているようにさえ見えてくる。それが、場当たり的なものではなくて、ベートーヴェンの筆の運びとしてはまことに納得のいくもので、作品に光が見事に照射されている。ベートーヴェンもこうゆう弾きをしていた頃もあっただろうなと思わせてくれる。
ヴラダーのエンペラーに妙な重さは無くて、贅肉はあらかじめそぎ落としているのだろうし、オーケストラもすっきりしたもので、両者の進行が心地よい。強弾きの弦も良く弾んでいていい伴奏でしたね。
埃っぽくないプレイで、ベートーヴェンの音符が蛇腹のように流れていく。ナチュラルな流れであり聴くほうも心地よい。初楽章からよく引き締まった演奏、力の抜けた端正な弾きには惚れ惚れする。うまいさばきが積み重なってややヒートしていく、前進するベートーヴェンが顔を出す。静謐な中間楽章は時折音符の形がわからなくなる彷徨う音符探し。ユニークだ。終楽章は、自然積分された1,2楽章の溜まりに押されるよう。まるで整理体操の趣きも魅せつつ変幻自在なベートーヴェンが現れてくる。なんて素晴らしい演奏なんだ。

ブラ4は古典的な難しさを実感。初楽章をはじめとして、弦とウィンドのハーモニーが交互に出てくる。セクションが錯綜せず裸に直列アンサンブル。この響きのバランスを取りながらの進行は極度に難しいものだろうなあとあらためて思わざるをえない。実感の難関構造建築物件。聴きごたえのあるシンフォニー、高関が魅せたアンコールでのハンガリアンダンスの彫りが深くパースペクティヴとリズムに優れた割とエモーショナルな棒、あの棒がこの4番にフレーヴァー添加されていてもいいのではないかと、後付けではあるがそう思った。
味わい深い演奏でした。
おわり


フェスタサマーミューザKAWASAKI2018