2018年7月16日(月) 2:00pm サントリー
シューベルト 交響曲第2番変ロ長調D125 11-8-4-7
Int
マーラー 交響曲第1番ニ長調(クービク新校訂全集版/2014年) 13-6-7-11+19
アラン・ギルバート 指揮 東京都交響楽団
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首席客演指揮者就任披露公演という物々しい演奏会。
アランはストックホルム、N響、ニューヨーク・フィル、都響、折を見てたくさん聴いてきた。指揮ぶりは随分と変化した。芸風が変わってきたのかもしれない。特にニューヨーク・フィルあたりから。
今回の物々しいタイトルの公演は一番新しい彼の姿。ニューヨーク・フィルの重きが取れたものだろうが、それだけでもなさそうだ。
ほとんどタメを作らない息をつく間もない演奏は、さりとて駆り立てるものではなくて、響きに隙間を作らない方針なのか、アランが得意とする現代物により相応しい指揮ぶりと言える。もはや現代音楽一本でもいけそうな気配。棒さばきはニューヨーク・フィルの監督になる前のあたりとは比べ物にならないほど雄弁に進化。
マーラーは花の章付き。決定稿前の稿に基づく2014年新校訂版。アランらしい選択だろうね。目新しさのみ追いかけたわけではないだろう。彼の昨今のスタイルに稿も含めて魅力ある選択肢だと思う。
演奏はストレートなもので、エネルギッシュ、プレイヤーのテンションも最後まで高くて佳演。ためが無くて息をつけない方針は、音の響きをむらなく均質化、長さの精度も含めて。
少しギスギスしたものだったが熱演にある程度溶解。鉄板ブラスは相変わらずでこのアタック、アクセントにはもはやそこはかとなく虚しさを感じる。ブラスセクションの強奏するところではアランの指揮ともどもほとんど息が出来ない苦しい音楽。
前半のシューベルト2番。ピアノソナタではないけれど第1,2楽章でいいたいことをほぼ言い尽くしている。型重視のシューベルト作品、演奏はコンセントレーションを保持し、終楽章までギッシリと聴かせてくれた。
おわり