2018年7月15日(日) 2:00-4:15pm ミューザ川崎
エルガー ゲロンティアスの夢Op.38 10+27 int 3+54
キャストIn order of vocal appearance also including chorus
1.テノール、マクシミリアン・シュミット、ゲロンティアス&魂
2.合唱、東響コーラス、
友人(従者)たち&悪魔たち&天上の合唱&地上の声&煉獄の魂たち&魂たち
3.バリトン、クリストファー・モルトマン、司祭&苦悩の天使
4.メッゾ、サーシャ・クック、天使
ジョナサン・ノット 指揮 東京交響楽団
Duration
PartⅠ
前奏 10
シーン 27
Int
PartⅡ
前奏 3
シーン 54
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エルガーの大作。観るのも聴くのもお初です。作品38、シンフォニー1番は作品55、取りあえずの目安。
全体は2部構成、合計1時間40分弱。合唱、ソロの一部、歌がかけ持ち。歌による情景描写は無い。もし舞台化するなら制約は無制限に、無い。そんな感じ。オラトリオの範疇のようですね。
第一印象は、気負いのある構えがそこはかとなく漂う。そうとうな入れ込みでやらないと答えは出そうにない。やる気度満点のノット棒、説得力大きかったですね。
短い音符や短く切る音が無い。押して流す音形波形。ノーブル系の原型を聴く思いも湧いてくる。とにもかくにも、音は伸ばし切らないといけない。そしてその末梢神経の先までタクトは全て活き活きと振られなければならない。コンセントレーション要ります。
エルガーが見たストーリー展開につけた音楽とはこのようなストリームのものであり、作品の良否の比較といった事とは別のところで、この日のノットのようにこの作品に埋没していかなければならない。
歌はほぼ全面にわたる。歌によるシーン説明は無くて、時折オペラ風味も無くはない。ソリスト、コーラスともに冴え渡り、特にコーラスはソロ並みに作品熟知の様相を呈している。お見事な噛み砕き節。
入れ込めば入れ込むほどに、注ぎ込めば注ぎ込むほどに、作品から何か突拍子もないエネルギー出てくるのだろうか。それはわからない。コーラスとオーケストラによってエルガーに照射された光を感じた。演奏しだいだと思う、この作品。
クライマックスは紛れもなく2部の天使のソロのあとの天上の合唱による2回目の「いと高きところでは、~」の長くてドラマチックなコーラス。場面の動きを感じさせてくれる。転換ではなくてその先へ進むシーンの動きですね。
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長いセンテンスが続くオラトリオ、字幕無しは画竜点睛を欠く。幸いこのホールは席により明るさが保たれているので、リブレットを最後まで追うことが出来ました。
プログラム冊子にあるワーグナーワーグナーの刷り込み、良くないですね本当に。ライトモチーフうんぬんくんぬんはさらに良くない。
ところで、肉体を離れた魂の物語はゲロンティアスが見た夢だったのか。
おわり