2018年6月9日(土) 6:00pm NHKホール
ドビュッシー没後100年記念
イベール 祝典序曲 14
ドビュッシー 幻想曲 7-9+7
ピアノ、ジャン・エフラム・バヴゼ
(encore)
ドビュッシー 前奏曲第2集、第12曲 花火 3
Int
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲 11
ドビュッシー 海 10-7-9
ウラディーミル・アシュケナージ 指揮 NHK交響楽団
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ドビュッシー没後100年記念プログラム。3曲、それにイベールが1曲なぜか入っている。
ドビュッシーはこのホールで一体どうすればこのような素晴らしいサウンドが出来上がるのか、アシュケナージマジックでも見ているような不思議な世界を醸し出していた。
デッカからシングルレイヤーのSACDが出ているのかどうか知りませんが、まるでこの音源が商用メディア化されたらこんな感じかなと、聴く順番としては逆だけれども、極めてビューティフルな音がごく間近に迫ってくるようでスピーカーが見えるような、パーフェクトで繰り返し聴きたくなるまことに魅力的なサウンドでした。
バヴゼは昨年2017年にレフトハンドを聴きました。
2376- 魔笛、ラヴェル左手、バヴゼ、ツァラ、広上淳一、日フィル、2017.7.9
粋な雰囲気あります。
幻想曲はオーケストラの音は絶えまず息長く有り、ピアノの音は叩けば短く消えゆくもの。なんだろうけど、バヴゼのピアノには粋な香りが漂う。やや太め透明でステンドグラス模様。殊の外、濃厚なところもある。ドビュッシーに多彩な光をあててくれて飽きることが無い。魅惑的なサウンドに魅了されました。N響のハーモニーの美しさも絶品、曇りガラスの先が見えるような暖かみのあるもの。
バヴゼのアンコールは、まるでメシアン。独特の呼吸を作って緊張感を高める。自家薬籠中とはこういった演奏なのだろうなと思いっきり惹きつけられた。素晴らしくクリスタルな響き。
後半最初の曲は牧神。
アシュケナージの振りは割と細かくて、肘上げ、腕上げ、活発な動き。ユルリと流れる牧神の流れと相反するように見えるところがある。でも、あれが技なんだろうな。一体全体どのようにすればあのような見事な呼吸になるのか、サラサラとした音色になっていくのか、本当にミラクル。究極の牧神ですな、ドビュッシー堪能。
オケスキルが極上で、やっぱり、万全であればあるほど透明度増す、当たり前かもしれないけど、これ実感。
海。ゆっくり濃厚。大いなる海原。角はなく曲線の世界。あたたかくて透明なシルキーサウンドは変わらない。ゆっくりと流れる。秀逸な演奏。アシュケナージの棒に、オケは呼吸を整えやすそうに見える。ポーディアムを行き来する姿、仕草に騙されてはいけない。N響は彼の掌に。
駄作と思えたイベール。サックスとホルンのハイブリッド音色とか、少しは楽しめたが全体に策のない鳴りに辟易。ここはコンサートタイトル通り、ドビュッシーをもう2,3曲やって欲しかった。
おわり