2018年3月15日(木) 7:00-9:20pm サントリー
グリンカ ルスランとリュドミラ、序曲 5
ハチャトゥリアン(ランパル編) フルート協奏曲 14-13-9
フルート、エマニュエル・パユ
(encore)
ドビュッシー シランクス 3
Int
チャイコフスキー 白鳥の湖 抜粋 52
(encore)
ビゼー カルメン、プレリュード 2
トゥガン・ソヒエフ 指揮 トゥールーズ・キャピトル管弦楽団
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Swan lake, excerpts
ActⅠ 1.情景、2.ワルツ 5-8
ActⅡ 10.情景 3
ActⅠ 8.乾杯の踊り 3
ActⅡ 13-4. 4羽の白鳥たちの踊り、13-5.パ・ダクシオン 2-8
ActⅢ 20.ハンガリーの踊り、21.スペインの踊り、22.ナポリの踊り、23.マズルカ 3-2-3-4
ActⅣ 28.情景、29.情景-フィナーレ 5+6
ニューヨーク・フィルを二日立て続けに聴いた翌日のトゥールーズ。音の気配がまるで違うのは当たり前といえば当たり前、指揮者の音楽のつくりも全く異なっていて色々と楽しめました。
腕慣らしの1曲目は幅広のオーケストラサウンド。大きく広がったオーケストラをセクションごとに巧みに指示を与え見事なコントロールを魅せるソヒエフの力学はこの短い曲で既に歴然としている。開放させておいてそこからコントロールに向かうようなやりかたで、一見即興的にも見える。繰り返しのリハで一つの答えを作らない、本番でのフレッシュな表現もそういったオペレーションのように見えますね。
ハチャトゥリアンのフルート協奏曲をきくのはたぶんこのとき以来だと思う。
876-1 石井眞木、ハチャトゥリアン、フルート協奏曲、ランパル、オケコン、岩城宏之、N響、1977.10.12
柔らかくて芯があって宙に浮くようなフルート、独特のうまさがホールに響き渡る。ヴァイオリン協奏曲のフルート版、40分に迫る勢いの大曲、フルートの妙技を満喫しました。
ソヒエフの棒はここでも冴えわたっていて、とにかくフルートの音の事を一番に考えている。独奏パートではオケを思いっきり抑えにかかる。どこにどういう音があってそれをどのようにコントロールするべきかというのを全て把握し尽している。フルートがやむときのオケの咆哮がまたすごい。自在なバトンテクニックに唖然。
ボリショイの音楽監督とベルリン・フィルの首席がおでこ突き合わせながらの離れ技。聴くほうとしてはこの上ない贅沢な一夜ですな。
後半のスワンは結構な長さの抜粋で1時間に及ぼうというもの。
劇場でもおそらく振っていると思われる。タッチが素晴らしく自然で生き生きしている。突進するようなことはまるで無くて、一貫した線で聴かせてくれる。理知的な運びといった具合で、今の時代が求める演奏、音作りを実感する。見事な棒さばきがそのまま演奏にストレートに反映されている。
ボリショイを連れてきて、ロシア物のオペラをどのように振るのか観てみたいものです。
アンコールも含め、満喫しました。
おわり