2018年3月10日(土) 2:00-4:45pm 中劇場、新国立劇場、初台
新国立劇場プレゼンツ
エルマンノ・ヴォルフ=フェッラーリ 作曲
粟国淳 プロダクション
イル・カンピエッロ 41-37-32
キャスト(in order of appearance)
1.ガスパリーナ、西尾友香理(S)
2.アストルフィ、野町知弘(Br)
3.ルシエータ、平野柚香(S)
4.ニェーゼ、斎藤真歩(S)
5.アンゾレート、伊良波良真(Br)
6.ドナ・カーテ、渡辺大(T)
7.ドナ・パスクア、伊藤達人(T)
8.オルソラ、一條翠葉(Ms)
9.ゾルゼート、市川浩平(T)
10.ファブリーツォ、清水那由太()
合唱、有志
エレクトーン、西岡奈津子
管弦楽、新国立アカデミーアンサンブル
指揮、柴田真郁
(duration)
ActⅠ 5+36
Int
ActⅡ 4+33
Int
ActⅢ 3+29
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初めて見るオペラ。佳演、楽しく観ることが出来ました。1936年の作だそうでちょっとクラクラするところもありますが、作曲家にとってはこのようなスタイルが一番しっくりするものだったんだろうなという感もある。
1幕は静かな前奏曲に続き、本編も割と静かなものでばたつかない。ドラマ性よりも歌い手たちの旨味が上回っている感じ。
次の幕はこれも静かな前奏曲があって、本編はいいノリの内容。
終幕の前奏曲は前二つに比べややリズミックなところがあり本編の予兆。結構なバタバタした本編で、ストーリーとしては展開に滑らかさが欲しいところもあるけれども、結果からさかのぼればこうなるんだろうなあといったところ。
全員が主役、粒ぞろいよく、切れ味がよく、スッキリとしている。本編の騒々しい広場のやりとり、それとはまったく別の作品でも聴くような錯覚に陥る1,2,3幕の前奏曲の静かな運び。この筆タッチは冴えていますね。印象的でした。
歌はソプラノお三方、特にルシエータ、ニェーゼ、素敵でした。それからテノールが歌う両ドナ、なんだかはまり役に見えてくる。自然に舞台に入っていける。こういったところもポイントですね。
舞台は全幕同じ。広場というよりも下町の家々という風景。
指揮の柴田の功績は大きい。発掘ともいえるような作品に光をあて、場の騒々しさとは一線を画す非常に引き締まった内容で、忍び寄るオケの流れは歌い手たちのアンサンブルと一体化。シンフォニックに殊更ならず歌い手たちの意を汲みつつオペラの流れを作っていく。大したもんです。
全部楽しめました。ありがとうございました。
おわり